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道を探して
行き先を告げられないままついて行く。
道次、
沈黙を我慢できなかったのか、
夏鳥が口を開く。
「どうしてここに来たの?」
「……拾われたから。」
「そうなんだ。」
「僕は、罪人なんだ。」
突然の言葉に驚き、夏鳥の顔を見る。
「邪視って、知ってる?
魔眼と言った方が分かりやすい?」
そして、異世界に伝わる伝承を話す。
「神界が荒れ、多くの世界は繋がった。
その混乱に乗じて、八十八の目の紋章を
魔法使いは多くの世界にばら撒いたと。」
「その一つが、この左目。」
「この眼で家族を殺したんだ。」
「なんかそれから、
よくわからなくなっちゃった。」
にこにこしながら、そう言っていた。




