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三人の食卓
「また、精進料理みたいだな。」
「この時期に私に作らせたら
どうなるか分かっていますよね。
それとも貴方だけ別にしますか。」
丸い食卓を囲んで三人座る。
玄米、蕪の味噌汁、小松菜のおひたし。
あとは豆腐の料理が並んでいたような。
「また、夏鳥は帰って来なさそうです。
用がある時は連絡するよう
何度も伝えているのに。」
「ほっとけ、自由に振る舞って
そのうちどっかでくたばってればいい。」
「その発言は、
他人には言えないのではないですか。」
淡々と言い合いながらも、
どこか楽しげであった。
いただきますと言うと、
秋月は黙って食べ始めた。




