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冬花  作者: 忘憶却
第三章 守護者(業火)
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道具として生きた記憶

 此の人形は私の声に素直に応じ、

 割方わりかた鮮明に読み取ることができた。


 慈雨は人の苦しみを取り除く道具だった。


 とある呪術師が苦しむ者達を救う為に

 自身を改造し、

 他人の痛みに共感する事で

 自身に苦しみを移し替える

 道具としての子供を産み続けた。


 慈雨は其の中でも

 特異な性質を持って生まれた。


 感情を消し去り、

 他人を魂の抜けた様な人形へと変える。

 いや、他人の感情を自身の感情に

 移し替えて仕舞うのだ。


 呪術師が手に負えないと放置した後、

 これ程強力な力を利用したい者が

 争いを始めた慈雨を奪い合った。


 流れ込んだ感情は限界を超え、

 慈雨は何も感じなくなった。


 直前に流れ込んだ誰かの

 誰も争わないでほしいという思いが

 鮮明に焼き付き、

 今と変わらぬ様子となった。


 の魔法使いが見つけ、

 慈雨の部屋にあった人形を

 容量が限界となった感情を

 移し替え、外に放つ道具にした。


 そして今に至る。

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