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「あおいは女の子」

チヒロ「で?」


なんとか我が家に帰り着き、自分の部屋で寝転がって天井を見ながら言った。


チヒロ「で?」

あおい「…」


美紅から奪ってきた赤い宝石が、どんな物でどんな意味があるのかを聞きたかったのだが、あおいには理解できないようであった。


あおい「美紅ちゃんのおっぱい見れてよかったな!」

チヒロ「!!な!そ、そうじゃないっ…赤い宝石のことを聞いてるんだよっ!!」


正直、思いだして一仕事したいと思っていた青少年チヒロは、考えを読まれたかと動揺しまくって必死にごまかそうとしたのだが、それは無理であった。


あおい「あはは!こんな感じだったよね?」

チヒロ「ん?」


あおいの方を見ると、そこには裸の美紅が四つん這いでチヒロを見て笑っていた。


チヒロ「え?」

あおい「はい!終わり!」


一瞬で元の子猫の姿に戻ったあおいが、悪い笑いを浮かべながら言った。


チヒロ「な…お前、変身もできるのか?」

あおい「僕が見たものならね!」

チヒロ「すごいな…も、もう一回…」

あおい「やだよ!なんか恥ずかしいから…」

チヒロ「何で恥ずかしいんだよ!」

あおい「だって、一応、僕も女の子だからね…」

チヒロ「お前、女なのか?」

あおい「そうだよ!襲うなよ!」

チヒロ「…こいつ…」



小川美紅の家に忍び込む一時間前、突然やってきたあおいは、無理矢理チヒロの両手首にブレスレットを着けると、変身して戦えと言った。


3ヶ月後に、異世界から侵略者がやってくると…


しかしあおいがこの家に着陸する寸前、乗ってきた船が爆発を起こし、ブレスレットの強化パーツが全て飛散してしまったらしい…


このままでは何の力もない只の全身黒タイツだと…


幸い、あおいにはパーツの反応がわかるらしく、近くから集めようとなった結果が美紅ちゃんのおっぱいであった。


あおい「その美紅ちゃんのピンクのパンティ、どうするのさ?」

チヒロ「…わ、忘れてた…」


パンティを見て真っ青になるチヒロを尻目に、あおいは笑っていた。


あおい「なんとかこの世界を守れたら美紅ちゃんに変身して履いてあげてもいいよ!」

チヒロ「…なっ…返すわっ!」


いろいろな葛藤と戦うチヒロを見て笑っていたあおいが、急に真面目な顔になると…


あおい「でも、急いで残りのパーツも集めないと…」

回りを見回し、パーツの反応を探しながら言った。


チヒロ「お前さぁ…どうしてこの世界を守ろうとするんだ?」

あおい「…僕の世界のようになって欲しくないだけ…」

チヒロ「…あおいの世界?」

あおい「うん…戦う技術も科学力もあったけど、変身できる人がいなかった…」

チヒロ「…」

あおい「結果、破壊された…」

チヒロ「…マジか…」

あおい「破壊される直前に次のターゲットがこの世界だって情報を獲たから、急いで脱出してきたんだ…」

チヒロ「…」

あおい「この世界なら、変身できる人がいるってわかってたからね!」

チヒロ「ん?わかってた?」

あおい「うん!」

チヒロ「…まぁ、こっちはなんかよくわからんけど…」


チヒロは寝転びながら、あおいからの情報量の多さにパンクしそうになり、頭部を掻きながら言った。


チヒロ「ところでこの赤い石は何の強化なんだ?」

ほんの5ミリにも満たない赤い宝石を指先でつまんで眺めながら言った。


あおい「あ!ブレスレットに近付けてみて!」


チヒロは、あおいの言うように右手首のブレスレットに近付けてみた。


チヒロ「ん?なんにも変化ないけど?」

あおい「あちゃあ…じゃあ左だ!」

チヒロ「左の方か?」

残念そうに言うあおいを見ながら、宝石を右手に持ち替え左手首のブレスレットに近付けてみた。


あおい「右は外装と力系統、左は内部の強化なんだ!」

あおいが言い終わる前に、左手首のブレスレットが小さく赤く光り、宝石はくっついて取れなくなった。


チヒロ「これでいいのか?」

あおい「うん!」

チヒロ「で、なにが強化されたんだ?」

あおい「…」

チヒロ「何だよ?早く言えよ!」

あおい「…ボイス…」

チヒロ「ボイス?声?」

あおい「うん…この星にある物で言うと…」

チヒロ「…言うと?」

あおい「…ボイスチェンジャーだよ…」

チヒロ「…」


天を仰ぐチヒロであった…

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