前へ目次 次へ PR 7/65 時の流れ その在りし日から十年という月日が過ぎ去った。 雨月《うげつ》にとっての十年は短い。 だが、その十年という月日は人間の赤子を十の子供へと成長させる力を持つことを改めて雨月《うげつ》に指し示した。 雨月《うげつ》はそれを受けて時の流れを痛感せざるを負えなかった。 雨月《うげつ》は歳を取らない。 いや、正確には歳を取れないのだ。 雨月《うげつ》は人間ではない。 それでいて獣でもない。 雨月《うげつ》は妖《よう》にあたる。 妖《よう》は歳を取らず、寿命を有さない。 だからと言って不死と言うものでもない。