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笑み。
別に急かすことはない。
雪が人としての生きる道を選び、自分の元を去っても雪が幸せならそれでいい。
雪の幸せこそがいつの間にか雨月の幸せとなっていた。
「雨月様・・・十年前の問いの答えが出ました」
雪の言葉に雨月は黙したまま頷き、雪の答えを気長に待った。
桜の花を散らす春の風は暖かく、ほんのりと甘い。
そのことを雨月は雪に教えられた。
雨月は雪に多くのことを教えられたのだ。
それはきっと自分が雪に教えたことよりも遥かに多いだろうと雨月は心の内で了解していた。
雪は大人となった今でも優しく、笑みの絶えない子だ。
雪のその優しさに雪のその笑みに雨月は何度となく救われ、癒された。




