表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雪と侍。
28/65

名前

「お前さん・・・名を・・・せつと言ったな」


男の問いにせつは溢れ続ける涙を拭い、小さく頷いた。


せつ』と言う名は恐らく、雨月うげつより賜ったものだ。

産まれてすぐに捨てられた自分に今の名前以外に名前があったとは思えない。


何より、せつのことを雨月うげつが『せつ』と呼んだその時からせつは『せつ』と言う存在になった。


そして、この世界に存在することをせつは許されたのだ。

存在を許される・・・それは命と同等かそれ以上の価値があるとせつは了解していた。


せつ。お前は紛うことなき人間だ。それは俺が保証する」


男はそう言い切るとせつの頭を優しく撫で付けた。

ほんのりと温かい男のその手がなぜだかせつには悲しく感じられ、まだ幼いせつの心をさわさわと落ち着かなくさせた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ