表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雪と店主。
21/65

小さな功績

「何も謝ることなんてありません。私のもの言いが悪かったですね。店に客の気があったので帰りたいのです」


「お店に・・・お客様・・・ですか?」


「はい。戻ってもよろしいでしょうか?」


店主の申し出にせつは神妙な面持ちで頷き、自分で耕し、自分で種を蒔いた畑を振り返り、見つめ見た。

それはせつが成した小さな功績のあとだった。


また明日も手伝わせてもらえるだろうか・・・。


「また明日、手伝って下さい」


「え?」


店主のその言葉にせつは元から大きな目を更に大きく見開いた。

そんなせつに店主は優しく微笑む。


「お願いします」


同意を求める店主の言葉にせつははにかみつつ頷いた。

その肯定の意に店主は屈託なく笑んで小さなせつをゆっくりと抱き上げた。


「・・・あの・・・僕、自分で歩きます」


「遠慮なく」


店主の言葉にせつは苦笑混じりに頷いたが、それと同時に何かがまた胸の内につっかえた。


せつはその胸のつっかえから逃れるように店主の身体から自分の身を僅かに引き離した。


それはほとんどせつの無意識のうちの行動だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ