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わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第二百二十二回


    ***************  ***************



 「こんな形で、登場なんかしたくなかった。ずっと、普通でいたかった。そうでしょう。弘子ちゃん。」


 優子はつぶやいた。


 「きみたち、いったい、どういう兄妹たちなんだ。わけわからなくなった。」


 武が、ふいに、正気に返った感じでそう言った。


 実際、ヘレナに、かなりの部分、意識を操られていたものが、その拘束から開放されたらしかった。


 「あなた、余計な事するわね。姉のくせに。」


 ヘレナがいくらか、恨めしそうに、うめくように答えた。


 「弘子ちゃん、あなた、いつも、お高く留まってた。違う? あたしを、ばかにしていた。」


 「そんなこと、ない。いつも、歳上は尊重しておりましたわ。」


 「形だけね。気持ちは、入っていなかった。」


 「そういうことは、ございません。」


 「そう。じゃあ、いまも、尊重してくれる?」


 「もちろん。筋が通るならば。」


 「あなたの、筋ね。」


 「まあ、それはそうですわ。ここの支配者は、あたくしだから。」


 「ほらみなさい。そもそも、あなた、死んだことになってる。あれは、なに? ね、道子さん。」


 「あの。・・・お姉さまが亡くなったことは、直に確認はしました。でも・・・・・・」


 「でも? あなたが言いよどむなんて、始めて見た。」


 「お姉さまが、すべて、正しいのですわ。それしか、ありえませんわ。」


 「あなたも、お人形さんだからね。」



 「きみたち、なに、お芝居しているの。」


 シモンズが、もう、がまんならないという感じで介入した。


 「ふうむ。まったく、これは、ばかげだ話だと思うな。それでも、始まったことは、必ず終わるんだ。まあ、おかげさまで、どうやら、ここと、その周囲に、重要人物は出揃ったようだよね。なぜ、ヒロシクンが、ここにはいないのかな。でもね、彼が作った偵察衛星は、なぜだか、ぼくの手にあるんだ。彼は、あれで、慎重なんだな。せっかくなので、今までに、大方、ぼくが推測したことを話してみようと思います。ヘレナからは、仕事として依頼されていたわけだから、まあ、最終報告までは、残念ながら、まだゆかないけど、もう、その時期だろうからね。ぜひ、聞いてもらいたいな。」


 「それはもう、ぜひ、聞かせていただきたいものですわ。お高いお給料が無駄になるかしら、と思ったし。」


 「え、シモンズ君て、ヘレナから、いや弘子から、給料もらってたのか。」


 正晴が驚いたように言った。


 「これは、次期女王様の夫君ともあろう方が、そのくらいも、わかってなかったと?」


 シモンズが、余計に驚いて見せた。


 「おまえな。そりゃ、確かに。鈍い。」


 武が、呆れたと言う感じで、それに応じた。


 「なんだよな。じゃあ、君は、分かっていたと。」


 「あたりまえだろ。シモンズ君が、なにして食ってたと思うんだ。」


 「いやあ。てっきり、お国の、情報機関から、出てるんだろと。」


 「まあ、それも、当りですわね。ね、シモンズさま。それが正規賃金だし。あなた、結構、豊かだったわけよ。お金に関しては。あちらのお国流にね。」


 ヘレナが、からかった。


 「ほう。化け物でも、夫をかばうか。」


 「まあ、ありがとう。化け物だなんて、久しぶりに言われましたわ。嬉しいわ。で、あなたのお答えは?」


 「一応、命がけなんだ。当然さ。では、話を戻そう。まあ、そもそものことなんか、いまさら、話しても仕方がないが、ヘレナは、肉体的には、地球人だが、中身は違う。本人が言うには、この宇宙。つまり三次元空間では、存在しないのに、あたかも存在しているかのように振舞う、何者か、が、入り込んでいる。そいつは、我らが全宇宙を、一瞬で崩壊させるような力を持ち、全ての宇宙の力をコントロールし、地球の生き物も、自由に操る力を持つが、全知全能ではないらしい。つまり宇宙の誕生や生命を司る神でもない。実際に、火星の女王であった長い時間には、宇宙怪物、ブリューリに操られて、火星人を食べまくって、しかも、共食いさせていた。それを、文化にしてしまっていた、非常に醜い時期があった。だよね。」


 「まあ、そうですわね。」


 「それを、はるかな長い文明を築いてきていた火星人類の代表、リリカさんと、ダレルさんによって、救われた。怪物ブリューリは火星に幽閉された。しかし、めでたしめでたし、には、ならなかったんだ。火星自体が、すでに命をはぐくみ育てることが可能な寿命を終えていた。一方、金星は、それよりも先に温室効果による急激な温暖化に見舞われて、地上は海を失い、荒廃し、住めなくなっていたが、金星の人類は、空中都市を進化させて、生き延びていた。これは、概略だけどね。」


 「ほう。面白いわね。それって、何時頃のお話ですの?」


 





      ********* 幸子さんコーナー *******




 『あらあ、やましんさん、これだけ?』


 『うん。まあね。でも、ちょっと、先々、危ない感じだから。なんとか、少しでも早く。』


 『ちっとも、早くないですね。なんだか、やっとこさですね。ちょっと代わりに、幸子が言い訳けしておきましょう。ここのところ、ネットなどの情報からするに、火星が冷えてしまったのは、おそらく、37億年くらい前からで、火山活動は、その後、35.5億年前位に、一時的な再開はあったものの、その後は終息してしまった。ということです。しかし、このお話の宇宙は、別の宇宙という設定で、金星も火星も、さらに後まで、生きていたことになってます。まあ、そうしないと、お話が進まなかったことと、書き始めた時期には、そこまで分かってなかったこともありそう。まあ、大方は、やましんさんの都合なんですけどねえ。』


 『うんうん。』


 『さらにさらに、火星では、40億年くらい前から、5億年間、数千回の破局噴火が起こったという研究が発表されたとか。ううん、そうなると、その時期は、地球で生命が誕生しつつあった時期ですが、進化した火星人がいた可能性は、どんどん、無くなるなるかなあ、女王様お気の毒う~~。まあ、仕方ないかあ。幸子は、お饅頭があれば十分だしい。幽霊の存在は、まだ、完全否定はできないしい。』


 『う、う、う、う、う。』


 『おわああ。やましんさん、怖い。ハイパーお饅嵐しい~~~~~~!』


           

               どかどかどかあ~~~




        }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}   










 




 


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