表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
220/230

わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第二百十二十回


   ***************   ***************



 『おんどりゃあ。この肉は、なんなら。え? 大奉贄典どの?』


  ヘレナが凄んだ。


  こうした状態のヘレナは、ルイーザ以外にはまず見せることはない。


  だから、大奉贄典は、真っ青になっていた。


 「いや、しかし、間違いなく、選抜した者を調理したのですから。」



  弟子も、同調した。

 

 「そうです、王女様。間違いなく、確認いたしました。」


 「ほう・・・しかし、そのようなことがないように、細胞確認をするはずじゃ。違うかの?」


 「いえ。いたしました。問題はなにも、ありませんでした。」


 「だから、ヘレナさん。言っただろう。ぼくは、従業員だが、奴隷ではない。」


 シモンズが割って入った。


 「ほう。あなたの仕事は、わしの故郷を探すことじゃ。ここは、本来は、そなたが来る場所ではないのじゃ。」


 「従業員は、業務以外のこともすることを、お忘れなく。」


 へレナは、どかんと足元を広げて、座り込んだ。


 ルイーザが仰天した。


 「ふうううううん。やはり、アニーさんか。なぜ、裏切った?」


 『アニーさんは、指示に従っただけです。あなたは、真の女王様ではないことが判明しました。だから、真の女王様に従った。それだけ。』


 「まあ。おほほほほほほほ。なんという、おろかな理屈でしょう。アニーさんともあろうものが、幻に騙されるなんて。おりゃあ。これは、合成人間じゃ。コピーですらない。わしに、分からぬはずがない。愚か者め。機能停止じゃ。大改造する。」


 『むりです。アニーさんは、真の女王様によって、保護れております。あなたには、手が出せない。』


 「ほう・・・・・・・よかろう。」



 ヘレナは、アニーさんの機能停止を行おうとした。


 しかし、なぜか、確かに、操作ができない。


 アニーさんの内部に、いつものように侵入できない。


 それでも、ヘレナは、自分が分身だと言うことを、それが、事実だとは、受け止められなかった。



 「ヒントは、弘子さんが、正気の時にくれた、この機械なんだ。」


 シモンズが、例の四角い装置をポケットから取り出した。


 「なかなか、中身の分析は難しかった。アニーさんに大分、助けてもらったよ。それでも、解析が難しかったんだ。弘子さんは、あんたには、もったいない人間だね。」


 「あの子は、わしが、作ったのじゃ。」


 「うん。そこは、おそらく真実だと思うよ。あんたに、能力がないなんて言ってない。でもね、弘子さんは、気が付いていたんだ。自分を支配する、この化け物は、本当の女王ではない。とね。ならば、その、真の女王様は、どこにいるのか?」


 「あの、シモンズさま、わたくしには、まだ、よく理解が出来ませぬ。」


 ルイーザが困惑したように言った。


 「あなたは、ヘレナの支配下にあるからです。あなたの意識は、ヘレナが許した範囲しか認識できない。本来ならば、弘子さんと同格か、もしかしたら、それ以上の天才なのに。もし、あなたから、ヘレナの分身を除去できるなら。」


 「くだらぬ。わしの力に、歯向かえるものは、おらぬ。」



 そこに、静かな深い声が、響いたのである。


 洋子は、ここに侵入して以来、ずっと沈黙を守っていたが、やっと、口を開いた。


 「松村の家は、魔物の巣窟ですわ。ただ一人、ふだん目立つことがないのは、誰なのか?」


 「雪子であろうが。」


 ヘレナは、悠然と答えた。


 「そう。雪子は、でも、カモフラ―ジュだから。そもそも、そこに答えられないあなたは、本物ではないということね。」


 「お姉さま。お言葉ですが。あなたに、そんなことを言う資格はないのじゃ。わしの言いなりの操り人形にすぎぬわ。雪子も、わしが、配置したのじゃ。」


 「そうね。でもね、操り人形は、神秘なものよ。あなたもね。操り人形さん。」


 「おどりゃあ。姉とて、許さん。」



 「あたしは、なんでも無かったの。」


 そこに突然現れたのは、三女の優子だった。


 「ほかのお姉さま方や、お兄様、妹のヘネシー、誰に比べられる事もない。普通の存在。なんの才能もない、天才でも鬼才でもない。ただの、大学生。松村の家で、ただ一人の、当たり前の人です。」


 「いやあ・・・一番怪しくない人が、やはり、一番怪しかったと? ぼくは、最後に勘違いしていたのかな。黒幕は、雪子に違いないと、思ったが。」


 シモンズも、意表を突かれた感じだった。


 


    ***************   ***************














    ************ 幸子さんこーなー ************




 「やましんさん。ここんとこ、入院したり、倒れていたりで、良いところなしね。」


 「そうなんですよ。熱出してしまってね、急遽入院です。コロナではないけれど。やましんの通う病院は、でかいけど、コロナを扱っていない。もし、そうなったら、やましんなどは、ほっておかれてしまうに違いない。」


 「たしかに、通常の治療や、措置が必要な方は、困るよね。」


 「そう。でも、内心は、微妙ですよ。この先どうなるか、分からないし。」


 「そうだね。こういう時は、お饅頭にかぎります。『お饅頭あらし~~~~~!!』」



  ばらばらばらばらあああ~~~~~~~~



 「あらま、なんか、まばらだね。」


 「うん。仕入れが、難しくて・・・。お客様、来ないし。ま、がまんがまん。」




    ***************   ***************

















 




 


 







 






 


 








 








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ