わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第百九十回
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「やってはみたが、ほんとに、あれで、よかったのかな?」
村沢には、十分な手ごたえがあったし、そもそも、村沢が失敗するはずなどはない。
新しく与えられた武器とは言え、同じことだ。
あれは、あきらかに、生きた人間だった。
ロボっトなどの種類のものではない。
しかし、王国北島に開いた窓は、すでに閉じてしまっている。
「いかがですかな?」
もうよかろう、という感じが満杯の、吉田さんが現れた。
どこから入って来きたのか、見当もつかない。
「あのですな、訊いても無駄なんだろうけど、これは、つまり、どうなってるんだ?」
「いやあ~~。べつになにもないです。あなたは、この家の、このお宝の部屋に閉じこもって宝探しをなさっていた。それも、当家の許可のもとに。それだけですよ。押し入ったわけでもない。私は、この中のことは、何も見ていない。この部屋にはビデオもない。ただ、そのおもちゃの光線銃は、置いて行ってください。処理します。というわけで、お気に入りのお宝はありましたかな?」
「ふうん・・・・・・ああ、これだ。」
村沢は、あらかじめ、目の前の棚に用意していた、『もの』を取り上げた。
「ほう・・・・それで、よろしいのですか?もっと、高額な絵画や骨とう品が、やまとありますぞ。一億なんて値段では収まらない工芸品もある。ダ・ヴィンチの隠された傑作もあります。値段は、まあ、簡単には、つかないでしょうなあ。誰も知らない。歴史にもないが、本物だし、その否定は不可能ですぞ。鑑定士は、驚愕することでしょうな。ああ、これなんかは・・・・、」
「ああ、吉田さん。これでいいよ。あなたは、これは、何だと思う?」
「さあああて、全て知ってるわけではないですからなあ。弘子お嬢様は、すべて、ご存知のようでしたがなあ。」
「そう、そこだ。そこなんだよ。なんで、あの、高校生の女子が、この一家で、最高の知識もちなんだ? それだけじゃない、ぼくの見るところ、最高の実力者だ。」
「そおりゃあ。あなた、『第1王女さま』ですぞ。そのちからは、限りがない。当然のことがらでしょう。」
「まあ、北島の住民は、おおかた、みな、そう信じてるだろう。しかし、なぜ? 南島の人たちは、興味津々ではあるが、まあ、大方、礼儀は正しい。それでもなあ、みな、不思議には、思っているよ。実際に、『第1王女』であろうが、『第1の巫女』だろうがだな、17歳の女子であることに変わりはない。天才なのは、まあ、分かるよ。ぼくだって、小さいころから見て来てるし、そりゃあ、他の娘ことは、おおいに、違う。でもね、国王陛下や、教母さまにくらべてどうなのかな? ぼくは、生まれながらの、タルレジャ教徒だよ。それは、家の伝統だ。ま、もっとも、ぼく自身は、ぐれてしまって、あの、王国の実家を飛び出したがね。しかし、そのおかげで、昔、いろいろと、面白いことを教えてもらったわけさ。『第1王女様』は、もとから、絶対的な権力があったんだ。もちろん、王国民や、タルレジャ教徒にとっては、だ。しかし、今は、『第2王女』が、世界でその力を握っているがね、王国での『第1王女』の力は、寸分も、揺らいではいないんだよ。まあ、あまり、表ざたにはしてないのが不思議だが。それにだ、あんた、『不感応者』だろ? おれもそうだよ。だからわかる。みんな、もっともっと、大きな力に操られてるとしか思えないんだ。いまや、『不感応者』だって、洗脳されてるだろう。それは、おそらく、『第2王女』か、『第3王女』かの知恵なんだろう。しかしだ、なぜか、弘子君は、あなたはともかく、自分のような愚劣な奴を、さっぱりと、野放しにしている。おれは、どこを歩いても、職質さえされない。ある意味、顔パスだよ。なぜ? いったい、なにが狙いだ?」
「いやあ、そおりゃあもう、吉田ごときの考えが及ばないことですなあ。」
「ふうん・・・・そうかな。まあ、いいや。この箱、これは、あなたがご存じかどうかは知らないが、『宇宙の箱』に違いない。この世に、おそらく、ふたつしかない。ひとつは、王宮のどこかにあるんだろう。もうひとつが、ここにあるわけがない。『宇宙の箱』には、この宇宙開闢以来の歴史が秘められていると言う。作ったのは、火星の女王様だと言われるよ。それこそ、伝説の存在だ。宗教の教義上ならば、それは、いつも現存している、永遠の存在だ。このところは、みな、自分の信教の自由は維持しているが、なぜか、その伝説の実在を、信じるようになっているだろう。でも、『不感応者』以外は、不思議に思わないんだ。でも、洗脳されたら、それは自然に感じるようになるらしい。それが、いくらなんでも、この本宅にあるとは思えないお。いや、でも、『あの場所』は、『ここ』じゃない。明らかだよね。ぼくがいた、あの不可思議な巨大な博物館は、まるで無限のような広さがある。ぼくはね、まあ、職務上、いろいろ、グッズを持って歩いてる。この部屋の奥行きがどのくらいあるか、測定できるんだ。実際は、もっと長く図れるよ。障害物がなければ、3キロくらいは測れる。なのに、『測定不能』ときた。なんで、この『本宅』の一部屋が、測定不能なのか?ほら、いまやったら、違う結果が出る。確かに、大きな部屋だが、100メートルもない。あそこのものを、全部見て回るのは、不可能に近いだろうな。それでも、これは、見てください、というくらいに、すぐに見つかった。つまりだ、弘子君は、ぼくに、こいつを判別できるのか、おそらく、確かめた。なぜだ? ま、いただくよ。しっかりね。ぼくが、なにものなのか、まあ、あなたも、だけど。それは、是非、知りたいと思うだろう。ね?」
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『宇宙戦争か。ゆきちゃん、君は、聞いてるのかな。』
『はい、お兄様。もちろん。』
『ふうん、よくわからないよ。なにが、どうなってるの?』
『今夜、お話いたしましょう。』
『はあ。今は、どうせよと?』
『もし、よければ、やっていただきたいことが、ございます。』
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