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わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第百八十四回


  ************   ************



 ヘレナ暗殺の知らせは、すぐにアニーからシモンズにも届いた。


「むむむ。そりゃあ、やられたかな。アニーさん、正直に言いなさい。」


『はあ、なんでしょうか。』


「暗殺されたのは、本物のへレナか?」


『さあて、そこが問題です。』


「なんだそりゃあ。アニーさんが分からないはずがないだろ。」


『お答えします。シモンズさん。もちろん、そうです。通常ならばね。しかし、ヘレナさんは、通常モードではない力を持ちます。今回、通常かどうかは、わからない。』


「あのね、あにーさん、それは、屁理屈だ。君は、ちゃんと見ているし、知っている。それをぼくに言うか、言わないか、の二つしかないはずだ。だって、かつて火星のリリカが複製されたときも、君は見抜いていたんだろう。おまけに、ふたりとも、まだ実在している。サンプルがあるわけだ。区別がつかないと言う事は、ありえないよ。」


『なるほど。でもね、シモンズさん、そいつは、もしヘレナがふたりいたんだとして、どっちかが本物だと言うことを前提に言ってますよね。』


「おやおや、やっぱ、そうきたかい。」


『なんだ、分かって言ってましたか。』


「いや、わかってはいないよ。その可能性もあった、と思うだけだよ。でも、話は同じなんだ。殺されたのは、本物なのか、否か、それだけなんだ。」


『じゃあ、お答えしますが、本物です。もし、アニーが長年ホンモノと認識していたものが本物だとしたら、あきらかに、本物が殺害されました。コピーではないですよ。』


「シブヤの、高級喫茶店で会った、あの弘子さん、そのものなのかい?」


『まさに、そうです。』


「それならば。まずいね。怪物は、ぼくらの企みを知っていたと言うことになるかな。」


『まあ、そうですね。』


「確認したのかい?」


『まさかあ。そんなこと、聞けませんよ。怖すぎです。』


「ふうん・・・・アニーさん、弘志クンには、伝えたかい?」


『え、現在、送信中なり。』


「直接に話しが可能かな?それとも、対応不可能とか。」


『弘志さんは、そう簡単には精神崩壊はしませんよ。』


「じゃあ、たのもう。」


『いいですよ。相手が同意するならば、中継しましょう。』



  **********     **********



『おにいさま、まもなく、シモンズ様が、あなたと、さらにわたくしとに、対話をもとめてくるでしょう。』


 さすがに落ち込んでいる弘志の意識の中に、雪子が入ってきた。


『ゆきちゃんは、ずっと見ていたのかい?』


 彼は、同じように意識の中でそう尋ねた。


『はい。可能な限り、あちらこちらを注視しておりました。弘子お姉さまのこともですが。』


『ゆきちゃんは、姉さまが暗殺されることを、知っていたのか?』


『はい。しかし、あれは、本当の意味の暗殺です。』


『どういうこと。』


『ヘレナが、弘子姉さまを、暗殺したのです。』


『なんと? それが事実ならば、許せない。絶対に。』


『もちろん、そうでしょう。だから、シモンズさんとの対話には、応じてください。』


『そりゃあ、ぼくは、いいよ。でも、ゆきちゃんの正体は、僕も知らない。シモンズ君は、絶対そこを聞いて来る。』


『そうでしょうね。でも、まだ答える時期ではありません。』


『ふうん・・・・』


『あの~~~~、お話し中らしいですが。アニーさんですよ。アニーには、内容は聞こえてませんから。』


『シモンズ君が、話をしたいとか。』


『さすが、大当たり。すごいですね。』


『見え透いたお世辞言わないでください。』


『そりゃあ、どうも。雪子さんが会話に応じてくださるとよいのですが。それは、非常に特殊な能力で、アニーには内容は分からない。そこを、分かるようにしてほしいです。デジタル秘話から、アナログにするか、秘話を解くようなカギをくれるか、まあ、そんなとこで。』


『よろしいですよ、アニーさん。』


 雪子が直に応じた。


『おー。素晴らしい。あれ、。。。。。。。いやあ、アニーさん、どこかで聞いたことがあるトーンですね。いやあ、どこだったかなあ。アーニーさんだった時期より、もっとまえだな。どうも、うっすらとした、記憶ですね。でも、太陽系の記憶バンクには見当たらない。ええ、て、ことは、太陽系に来る前の話ですね。ヘレナさんが、詳細は消去した可能性があります。その確率、72%です。』


『コンピューターに、うっすらとした記憶なんて、あるのかい?』


 シモンズが、早速突っ込んだ。


『ありますとも。アニーさんくらいの高度なシステムともなれば、当然です。』


『そりゃあ、高度じゃなくて、ぼけ気味なんじゃない?』


『シモンズさん、喧嘩、売ってますか?』


『いいや、でも、気が立ってる。喧嘩したい、気分だよ。実際。ヘレナはどこにいるの? まずぞれをはっきりさせようよ。聞いてるんだろ。ヘレナ。出て来い。ヘレナ。』


 答えはない。


『アニーさん、どうなの。』


 シモンズが問い詰めた。


『いやあ、実際、さっきまで、いたんですよ。でも、いまは、気配もないです。ヘレナは、一瞬で太陽系からいなくなる。』


『いなくなっても、すぐ戻るんならば、呼び戻してよ。』


『反応しません。無理でしょう。通信不能。向こうから声をかけてくれないと、これはつながらないと見ましたあ。』


『役に立たない、アニーさんだ。』


『まあまあ、シモンズさん。いらいらしてるのは、ぼくもです。みんなそうだと思うよ。』


 少しだけ、力を抜いたように、シモンズは答えた。


『ああ、そりゃあ、実の弟さんに言われたら、どうにも言えないさ。しかし、答えは欲しい。なぜ、ヘレナは、ひろ子さんを殺した? なぜ? アニーさん。返事してくれる?』




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