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わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第百五十一回


 ************   ************


 

 「このような蛮行が許されるはずが無かろう。杖出首相を再教育し、効果が無ければ、交代をさせるのじゃ。彼が出した、『R2P』は、無効じゃ。』


 皇帝ヘネシーは、人間の側近を傍に置かず、ほとんど『コンピューター・カイヤ』を通して話を聞き、指示を出すようになっていた。


 もちろん、時には人間にも会う。


 ジャヌアンの意向を受けた、例の『取調官長』などもそうだ。


 彼には危険性と言うものが、ほとんどない。


 一定の地位を狙ってはいるが、それだけだ。


 彼が求めているのは、安定した収入と、自分の好きなことができる時間だ。


 核兵器の廃絶などは、彼にとっては重要問題ではない。


 だから、別に反対行動もとらない。


 杖出首相は違う。


 第一、彼には大きな権力がある。


 日本合衆国は、タルレジャ王国同様に小さな国だが、侮れない力がある。


 姉二人が絡んでいるだけに、さらに、なかなかやっかいな相手である。


『陛下。杖出首相は、一国の首相です。あまり簡単にはお考えになりませんように。しかも、残念ながら、手続き上の問題があって『R2P』は条約上いまだ有効です。『第1王女様』は、日本合衆国の国民でもあり、国民の保護を申し出ても、それは当然ではあれ、おかしくない。もし、『国連』・・つまり『帝国側』が拒否したら、自己否定になります。積極的な協力をすべきではないですが、表向きは協力しなくては。だから、首相の拘束は問題です。』


「拘束ではない。研修じゃ。よいな。すぐに行動するのじゃ。」


『はい、わかりました。ただちに、研修に行ってもらいます。』


「それでよい。そもそも、ヘレナ様を、あの場所から連れ出すなどということが、可能なのか?」


『ダレル将軍のお考えでは、不可能です。ただ、ひとり、シモンズという『多重スパイ』に、少し懸念が残ると。なんでも、大昔の宇宙海賊の子孫とか。』


「2千年位なら、子孫もあり得ようが、2億年も経てば、そのようなことは無意味じゃ。」


『まあ、そうですが。中抜きはしているようです。』


「『不死化』しておったと?」


『はい。確実な資料はございません。なにしろ、海賊ですから。アニーなら知っているのでしょうけれど、接続は禁止されておりますから、今すぐにはわかりません。』


「ふん。・・・・・まあ、よい。わしの役目は決まっておる。姉上には歴史通り『皇帝』になってもらわねば困る。話だけで、聞きわけて、受け入れはすまい。」


『はい。何度も打診しましたが、それは『拒否』なさっております。』


 皇帝ヘネシーは、もちろん、切り札がさらに必要なことくらいは、十分、判っていた。




 ************     ************



「総督、ついに、元の宇宙空間に出ます。」


 あの、偉大なカタクリニウクの後継者は告げた。


「そうか。どこに出る?」


「太陽系の中心。水星の近くに出そうですな。熱いですよ。」


「それは、よい。好都合だな。金星のそばだ。最高だろう。」


「もちろん。すぐに、まず、『金星』を押さえましょう。」


「ああ、もちろんそうだが、『火星』も押さえなくては。戦闘部隊を火星にもすぐに送れるな?」


「もちろん。手配済みです。この長い時間をかけて、我々の技術は各段に進歩しました。まあ、相手がどうかは、判らないですけども。」


「やってみようよ。もし、どうにも歯が立たなければ、すぐに和平交渉だ。」


「了解。」


「まあ、久しぶりに、楽しみな事だ。」


 実際のところ、ブリアニデスは、うきうきが止まらなかった。




 ****************   ***************




 ジャヌアンは、深く瞑想していた。


 彼女のダンスには、瞑想が絶対に必要なのだ。


 ここに閉じこもってからも、毎日踊り続けている。


 観客は、この特殊な監獄の衛兵だけだ。


 通常の看守ではない。


 皆、腕利きの兵士たちだ。


 ただし、全員、取調官長の協力を得て、洗脳してしまっている。


 何をやっても自由だが、無茶はしない。


 自分に遺された道は、一つしかないからだ。


 過去の自分は、ここから太古の過去に遡った。


 それは、間違いだったことが分かっている。


 今回は、正しい道を歴史に与える最後のチャンスなのだ。



「ジャヌアンさん。面会だ。」


 衛兵が伝えに来た。


「ほう・・・・」


 我に返ったジャヌアンは、牢獄から出された。





   ***************     ***************


   




 

 








 







 

























 

 

  































 

 





 




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