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わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第百四十八回



   ************     ************



 国連事務局は、ちょっとした騒ぎになっていた。


 タルレジャ・タワーへの本部移転作業は、ほぼ完了していたが、このアメリカ国の本部は南北アメリカ国の総合事務所としての機能が残ることとなる。


 職員はその準備作業で大忙しだった。


 そこに、『日本合衆国』から訳の分からない通告が来た。


「なんだね、いまどきになって、『R2P』とは。杖出首相はご乱心か?」


 『事務総長=地球帝国初代首相』は、そのあきれ顔が、いっそうはじけそうになった。


「はあ・・・・しかし、これは、痛いところを突かれました。まさか、ということで、事務処理的にはこの条項は、正式に『地球帝国』創立までは有効です。」


「じゃあ、日本合衆国が、独自に『第1王女』保護の活動をするということかね。」


「はい。まあ、何でも出来るわけじゃあないですが。そういうことです。」


「ふうん・・・・で、いったい、『第1王女』様はどこにいるの?」


「わかりません。」


「はああ? 君が知らなかったら、あと、誰が分かるの?」


「たぶん。誰も知らないんじゃないでしょうか? 噂では、『皇帝陛下』しかご存じないとか・・・。『陛下』もご存知ではないとか・・・。」


「どっち?」


「さあ・・・・・『ダレル将軍』が実行したのだろうということは、ほぼ確実とされております。」


「『火星人』さんか? 杖出さんは、何らかの情報を握ったと?」


「はい。握ったと、言ってきていますが、内容は明かさない、としています。」


「ふむ。困った人だね。実際『不感応者』は困ったものだ。『火星人』さんと、連絡は取れているのかね?」


「事務方とは。しかし、回答がもらえません。」


「もらいなさい。」


「は?」


「いいかね。これは、双方の信頼関係の問題です。まだ、しかも、始まってないんだからね。是非何らかの回答をもらいなさい。」


「わかりました。あなたの名前で問い合わせしてよろしければ。」


「もちろん。」



  ************   ************



 ブリューリは、ようやく地球の『核』から抜け出した。


 そうして、地表方向に、ゆっりと移動し始めたのだった。


 地球は大きい。


 火星に比べればだが。 


 これまで、一切の通信は遮断してきていたが、事前の情報収集は必要だろうと判断して、彼は『耳を開いた』。


 こうした能力が、本来『宇宙警察官』としてのものだったことについて、彼はまだ認識が、できていなかった。


 過去の記憶が、かなり蘇ってきてはいたのだが、まだ半分は夢の中という状況である。


「やはり、もう少し待つべきだろうな。」


 本来自分が持っていたはずの、何かがなくなっている。


 それが『本部』というものであることは、分かってきた。


 どこかに隠した。


 そうだ。


 そうなのだ。


 しかし、その先は、まだ思い出さないでいる。

 

 人類を『食べる』という意識は、大分消えかけて来てはいたようだが、まだ、完全に『食欲』がなくなったわけではないらしい。


 実際、むしょうに空腹である。


 地球の核から、少しずつエネルギ-を吸収しているから、そう問題はない。


 しかし、『味』というものが、まったくしない。


 やはり『人間』はうまかった。


 ヘレナと、食べたのだ・・・・・・・


 そうだ。ヘレナだ。


 ここには、ヘレナが足りない。


 あの、圧倒的な肉感。


 ヘレナは、本来自分のものだった。


 しかし、そこらあたりも、どうも、あいまいだ。


 まだまだ、動くべきではないな。


 そこに、ブリューリは、何かを感じた。


「誰かが、呼んでいる?」


 そうだ。


 誰かが自分を呼び出そうとしてる。


 おお昔に聞いた信号だ。


 だが、どうも、はっきりしない。


 もう少し、地表に近づく必要があるようだ。


 ブリューリは、自己保護膜を張っているので、今一つ感度が良くない。


 彼は、再び、ゆっくりと上昇を始めた。




  ************   ************



「あらら。これは、なんと、『首相さん』からの、暗号通信だ。」


 シモンズは、通信機を持ち上げた。


「まあ、ぼくのような3重・・・4重かな、スパイには、当たり前だが、直々に言って来るのは、始めてかな?」


 データを,解読器に掛ける。


「ふうん・・・・やっと、ご要請ですか。こっちは、とっくに動いてますよ。遅いなあ。まあ、アメリカ国は見向きもしてないらしいが。杖出さんが動いたら、ほっとけなくなるかな。ほらほら、来た来た。なんでこう、大人たちというのは、他力本願なんだろうな? おっと、ようやく、弘志クンからも通信だ。これが一番だね。」


 シモンズは、弘志との通信に集中した。




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