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わたしの永遠の故郷をさがして 第四部 第百四十四回


  ************   ************



 大奉贄典は、弟子を呼んでいた。


「伝えておきたいことがあるのじゃ。」


「なんでございましょうや?」


「『侍従長殿』からの情報によれば『第1王女様』が、『地球皇帝』とやらに囚われたそうじゃ。」


「え? 『地球皇帝』とは『第3王女様』ですよね。」


「さよう。しかし、その実態は『操り人形』であろう。火星人の。」


「では、『婚約の儀』は、いかがなことに、なるのでしょうか?」


「うむ。そこじゃ。わからぬ。正直なところが。延期もあり得ると考えた方がよさそうじゃな。」


「『選ばれしもの』たちのストレスが増えるかもしれないですね。」


「さよう。そうなれば、味が落ちる。よいか、過去例がないので、なんともいえぬが、適度な運動と、不要なストレスにさらされぬように、努力せい!やりかたは、そなたにまかせるによって。」


「え~! そりゃあまた、いくらなんでも。」


「不足かのう?」


「いえいえ。そのようなことは・・・、私には、いささか重荷かと・・・」


「重荷と思えば重荷になる。アタって砕けちまえと思えば、また、ちがうものじゃ。」


「く、砕けるのは、いやでございます。」


「たとえである。ソフトボールとか、音楽会とか、ヨーガとか、いろいろあろうがな。怪我されては困るがのう。」


「でしょう? まあ、・・・・・じゃあ、考えます。」


「考えて、実行せよ。あすも、報告すべし。」


「はい、大奉贄典さま。」



   **********     **********



「おいしかった? 正晴さま?」


「うん。とてもうまかったよ。」


「そう。この先はね、『大変美味でございました』、とか、人前ではそう言うのよ。二人だけの時は、何といってもいいから。」


「あ、わかり、ました。」


「そんなに、緊張しなくていい。わたくしたち、もう事実上、夫婦なんですから。」


「はあ・・・いやあ、なんといいますか、じ・・・・、実感と言うか・・・・」


「大丈夫。この後しっかり、実感させてあげるわ。きっと、もっと、美味しいわ。あたくしは。」


「ああ・・あの、『婚約の儀』があって、それから・・・と。」


「うん。普通はね。でも、こうなったのよ。もう、二人だけなのよ、わたくしは、女なのよ。女のわたくしを、待たせるの?」


「いや、その、ゆおうなことは。」


「そうよね。さすが、わたくしの夫。では、かたづけなどは、あすにして、まずお風呂をどうぞ。」


「ええ。ああの、ここで、お風呂、使えるのかなあ。」


「多分ね。見てみましょうね。それとも、一緒に入る?」


「いやあ、いくらなんでも、・・・・・」


「あはは。そうよね。ちょっと、行き過ぎかな。待って、使えるかどうか、見てくるから。」


「あ、あ、はあい。」


 弘子は、浴室を確かめに行った。


 もちろん、ただ、それだけが目的ではない。


 ここがどこなのか。


 確定する余地がないか、少し、先に、見て回るつもりでもあった。


 まあ、正晴が逃げ出すところは、なさそうだから。


『ふうん・・・・まあ、ダレルちゃんがやることだから、そう抜かりはないんだろうけれど、リリカさんに比べたら、ダレルちゃんは完璧ではない。まだまだ、ミスがあり得るわ。特に水回りはミスが出やすい。調理をどこでやってるのかな。ここでやってるとは思えないわ。まあ、さっきの受け答えは、正直なところなんでしょう。リリカさんなら、ああしたところもミスしない。原材料の調達や貯蔵を考えたらね。そことの連続空間が、断続的にであれ、空いてるはずだ。そこがどこであれ、最後には、必ず『現実』と通じてる。『地獄』や、まして『真の都』に比べたら、まったくもって『幼稚』なもんだわ。わたくしを、ばかにしないでほしいわね。どれどれ・・・』

 

 

    **********   **********



「ふうん・・・・アニーさんが言う事だから、信用しないわけじゃあないが、『洋子さん』てのは何者なんだ? 火星文明崩壊後、最初の地球移住地が開設された。『教祖様』というのが、中心となって、『タルレジャ教団』が王国を設置した。『教祖様』は、ヘレナだろうと思っていたが。もうちょっと、込み入ってるのかもしれないな。『女王はひとりじゃない。』か。じゃあ、いったい、何人いるんだろう?」


「あのう・・・・・」


「うわ!・・・どこから入ったの? 君。だれ?」


 シモンズは、突然声をかけてきた何者かに問うた。


 黒い影である。


「あなたが、いまつぶやいたもののひとりですわ。」


「む? ヘレナ・・・のひとり?」


「まあ、そうです。お邪魔かしら?」


「いやあ、出たか! ついに。」


「『化け物』みたいに言わないでください。」


「『化け物』だろう? それとも『魔女』かい?」


「うわあ。まあ、うれしい。さすが、シモンズ様。分かってらっしゃる。」


「やっぱり、『化け物』だ。ぼくを喰いに来たの?」


「まさか。そりゃあ、むかしはね、随分と、人間を食べたけれど。今は、いたしませんわ。」


「じゃあ、正体をしっかり述べてほしい。とにかく、みな仮面をかぶっていて、そこらあたりが非常にあいまいなんだからね。」


「なるほど。あたくしは、ヘレナ。『火星の女王』。それも、長年、実際に支配したホンモノですのよ。」


「ホンモノばかりなんだ。ぼくを雇ったヘレナとは、どういう関係?」


「あのヘレナは、偽へレナ。本物でもなんでもない。ただの偽物。虚像。嘘。」


「ふうん・・・どっちかを特に信じるわけじゃあないが、向こうは、自分が『本物』だと言ってた。長年火星を支配していたヘレナは、自分の『分身』だとね。」


「わたくしが『分身』なのは事実。でも、あのヘレナの『分身』じゃあないわ。あのヘレナは・・・自分じゃ知らないけど、・・・・・あたくしと同じレヴェルの、もうひとりの『分身』に過ぎないわ。『本体』はふたりの分身を作ったの。」


「じゃあ、だれが、本体なの?」


「それはね・・・・・・・」




  ************   ************
































  ********** ふろく **********



「うわあ~、やましんさん、なんで、ここで切るのよお!」


「幸女さん、いいところで切るのが、定石ですよ。」


「でも、予告編とか、するじゃないですかあ。」


「これが、そうです。」


「じゃあ、もう少し教えてください。」


「やです。」


「なんで?」


「まだ、考えてないから。」


「ぶ。それも、定石?」


「まあ、そうですね。」





   *****************   *******************





































































 

 








 

 


 

 












 


  

 






























 










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