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「なぁ、琥珀。あの歌を聴かせてくれ。また聴きたくなった」
「ユウ、本当に好きだよね」
僕だけが知っている、僕とあなたの絆。
このことは決してあなたに話すことはないだろう。
あなたの知らないところで僕が救われていると知ったら、あなたはどんな顔をするのだろうか――
「良いだろ。なあなあ、早く」
「急かさなくても歌は逃げないよ。ユウ」
僕は【琥珀】としてあなたを愛し、あなたもまた【ユウ】として僕を愛してくれている。
「愛してるよ。ユウ」
「わたしもだ。琥珀」
それさえあれば、僕の世界は救われる――