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美しき世界よ わたしは願う
愛しきすべての生命よ
光に満ち溢れた世界よ
すべての生命へ等しくあれ
ああ 愛しき世界よ 美しき世界よ
わたしは願い 祈り続ける
世界が愛で満たされるその日を
わたしは願い 祈り続ける
ああ 愛しき世界よ 美しき世界よ
わたしは愛し続ける
この心の命ずるままに
わたしは願い 祈り続ける
世界が愛で満たされるその日を
愛しきすべての生命よ
光に満ち溢れた世界よ
すべての生命へ等しくあれ
歌い終わると同時に拍手が聞こえた。
「――!?」
驚いて振り向くと――そこにはひとりの女性が立っていた。
艶やかな黒髪、意志の強い瞳は蒼く、そしてとても美しいと感じた。
「すまん。あまりにも美しい声だったから聞き惚れてしまった。立ち聞きしてしまって悪かったな」
「いや、いいよ。その・・・まさかひとがいるとは思わなかったものだから。僕は琥珀、龍族だ。君は・・・人間でいいのかな?」
この胸の高鳴りはなんだろうか。
とても懐かしい、そしてとても愛おしい。
「一応は人間だ。なかなか特殊な人生を送っている真っ最中だ。わたしはユウ。よろしくな、琥珀」
「うん。こちらこそよろしく。ユウ殿」
握手をかわし、そこから談笑をする――かと思いきや、ユウは僕へこう言ってきた。
「早速で悪いが、さっきの歌をもう一度聞かせてほしい」