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# 空想の街  作者: 複数の作家
空想の街のきつね#狐(作者:日下部あまね)
9/16

番外編その1


【空想の街のきつね:番外編】うーん…。朝かあ。起きなくちゃ…。あたしはベッドから出て洗面所まで向かった…。「あれ?」何かおかしい…。視線がいつもより低い。鏡の前を通った時ソレに気づいた。完全にキツネの姿に戻ってる!? #空想の街 #狐 #あとがき


え?なんで?」鏡の前には真っ白な狐が1匹…。とりあえず元?に戻ろう…。あたしは変化のためにぴょんっと飛んで一回転。…戻らない…。「なんでなんで~!」もう一度…。ぴょんっ。…やっぱり戻らない…。鏡の前でで項垂れる野生の狐が1匹…。 #空想の街 #狐 #あとがき


このままじゃハーヴェストに行くどころかこの部屋から出られないんじゃ…。途方に暮れるあたしはある物に気づいた。窓が少しだけ開いてる!そうだ昨日の夜暑いから少しだけ開けて寝たんだ。あたしはそのまま窓まで行くと前足でカリカリと窓を引っ掻いた。 #空想の街 #狐 #あとがき


カリカリッカリカリ…。少しづつ開いていく窓。鼻先が入るほど開いたから、あたしは鼻を突っ込んで無理やり窓を開いた。そこで第2関門。高い…。そりゃあそうだよね…ここ2階だもん…。1階の雑貨屋さんの屋根があるけどそれでも高い…。どうしよう…。 #空想の街 #狐 #あとがき


森の中に居た時はこのくらい飛び降りてた気がするけど…。人の生活に慣れた今のあたしには飛ぶには勇気がいる。正直怖い…。でも誰かに、すくなくともみどりさんにはこの状況を伝えなければ…。あたしは決意した。そして一段下のお店の屋根にまず飛び降りた。 #空想の街 #狐 #あとがき


昨日の続きです。【番外編】なんだ。意外といけるじゃん。あたしは部屋の下にあるお店の屋根まで下りた。さっきより地面が近くに見える。うん。これもいけるな。ぴょんと飛ぶとあっさりと地面に着地。ふと自分の部屋を見るとやっぱり高かった。あそこから飛んだのか…。 #空想の街 #狐 #あとがき


さて…っと。まずはハーヴェストに行かなくちゃ。みどりさんに相談しよう。まだ開店まで時間あるから急がなくても大丈夫。でもこの姿見られるのは嫌なので目立たないように道の端っこを歩いた。そういえば今のあたしって裸なんだよね…。 #空想の街 #狐 #あとがき


服を着て人前に出ることが当たり前になっていたから、すごく恥ずかしいよぉ…。やっぱり早く行こう。できるだけ人目に付かないように…。あたしは出来るだけ細い路地を選んでハーヴェストに向かう。いつもより視点が低いからか風景が違ってみえる。 #空想の街 #狐 #あとがき


途中何人かにの人に見られたけど誰もあたしだとは気づかなかったみたい。白い狐なんて珍しいから狐じゃなくて犬にみえたのかもね…ちょっと複雑だけど…。あそこの角を曲がればハーヴェストだ。あたしはラストスパートって感じでスピードを上げてハーヴェストまで走った #空想の街 #狐 #あとがき


やっとハーヴェストに着いた。まだみどりさん来てないみたい。しょうがない…。待つしかないね。っとおもったら、後ろから声をかけられた。「あら?可愛いワンちゃんね」「え…?」振り向くとみどりさんが立っていました。ワンちゃんとかひどすぎる…  #空想の街 #狐 #あとがき


「狐です!」あたしが抗議するとみどりさんはきょとんとした顔をした。そして「…もしかしてあまねちゃん?どうしたの?今日はその姿でお仕事するつもりなのかしら?」っておっしゃりました。「ちぃーーーがぁーーーいーーーまーーーすーーー!」あたしは事の説明をした #空想の街 #狐 #あとがき


あたしの説明を聞いたみどりさんは。あっさりと言いました。「じゃあ治る?までそのままの姿でお仕事しましょう。それまでわたしが送り迎えしてあげるわ」え?この姿のままですか?耳と尻尾に引き続きこの姿まで晒すことになるとは…。思いませんでした。…つづく  #空想の街 #狐 #あとがき


昨日の続き【番外編】ここはフラワーショップハーヴェストの前そこには白い犬が一匹…。って犬じゃないし!狐です!き・つ・ね!今日はなぜか人に化けられなくて完全な狐のままなのです…。しかもそのままお仕事とか…。店の前でこうべを垂れていると声をかけられた #空想の街 #狐 #あとがき


「あら~?可愛いワンちゃんね~」とお客さんがあたしに言った。あなたもですか?心の中でツッコミを入れつつあたしは「狐ですよ。いらっしゃいませ。何かお探しですか?」と営業スマイルのつもりで尻尾を振って答えた。お客さんは犬がいきなり喋ったものだからびっくり #空想の街 #狐 #あとがき


「え?もしかして、いつもの狐の娘さん?」「はい。今日はなぜか化けられなかったので、このままなのです」って言ったら「あらそうなの?じゃあ何かいいバラないかしら?」と納得してくれたみたい。あたしはお客さんの前を歩いて先導する。「これなんていかがですか?」 #空想の街 #狐 #あとがき


と鼻先を赤いバラの鉢に向けるとお客さんは「うんうんいいわね」気に入ってくれたみたい。「まだ蕾が沢山ありますから長く楽しめますよ」とあたしが言うとソレに決めてくれた。いつもならレジまであたしが持っていくのだけれど、さすがにこの姿ではできない…。不便だ。 #空想の街 #狐 #あとがき


しかたないので、あたしはみどりさんを呼んでレジまで運んでもらった。みどりさん申し訳ないです…。お客さんはバラの鉢植えを抱いて笑顔で帰って行った。午前中はこんな感じで(はじめは犬呼ばわりされつつ)過ぎていき #空想の街 #狐 #あとがき


午後からは噂を聞きつけた知り合いの人が何人もあたしに会いに来たよ。しかもね、姿がコレ(狐)だから扱いが子犬のよう…。頭撫でられたり、下あごこちょこちょされたり…。まあ…良いけどさ…。見た目って大事なんだね。あたしは理解したよ。…つづく #空想の街 #狐 #あとがき


昨日の続き【番外編】夕方になってハーヴェストの客足がなくなると途端に疲れてしまったのかあたしは店先のガーデンチェアーで丸くなり尻尾を枕に眠ってしまった。しばらくしてふと目が覚めて、いけない寝ちゃった!と思って顔をあげようとした時。 #空想の街 #狐 #あとがき


何か温かいものが、あたしをやさしく撫でていることに気づいた。なんだろう?とかをを向けると隣に座ったみどりさんがあたしの毛皮を優しく撫でていた。「あら?起きちゃった?今日は慣れない身体で疲れたでしょう?」みどりさんはあたしにやさしく問いかけてくれた。 #空想の街 #狐 #あとがき


「はい…。みどりさんごめんなさい…。いつの間にか寝てました…」あたしは正直に答えて居眠りした事を謝ると「いいのよ。私こそあまねちゃんに無理させちゃったわね」と優しく撫でられながら言われた。そんなことないですよ?いつもお世話になってますから… #空想の街 #狐 #あとがき


あたしは心の中でそう言うとみどりさんの手からするりと抜けて降りると前足伸ばして背伸びした。そして「うーん…っと。よし!目が覚めました!って…ぁ~…そろそろ閉店ですね…」と言ってあたしがしゅんとしてると、みどりさんにうふふとおかしそうに笑われました。 #空想の街 #狐 #あとがき


つづきです~【番外編】ハーヴェストを閉めた後は、みどりさん付き添いでアパートまで帰る。来るときは窓から出たから大家さんに開けてもらわないと入れないので、さっきみどりさんが大家さんに電話してくれました。この姿じゃ電話もできないしね…。 #空想の街 #狐 #あとがき


まだ時間的には帰るには少し早い。どうせならうどん屋さんにも見せてあげよう…夕ご飯ついでに。おじさん驚くかなあ。悪戯心がわいてくる。「みどりさん。うどん屋さん寄っても良いですか?」あたしはみどりさんに聞いた。 #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


「あまねちゃん行きつけのうどん屋さん?いいわよ。じゃあ私もそこでお夕飯にしようかな」みどりさんも乗り気だ。ってことで夕ご飯はうどん屋さんに決定。きつね橋を渡るとすぐうどん屋さんだ。看板が擦れてて名前が読めないけどうどん屋さんと言えばここ。 #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


うどん屋さんに着いたけど今のあたしには扉が開けられないのでみどりさんが開けた。扉は昔ながらの引き戸。ガラガラガラと音を立てて開くとおじさんとあたしの声が同時に「いらっしゃい」「こんばんは」と流れる。でも入ってきた人を見ておじさんは固まった #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


そりゃそうだよねえ。声はあたしなのに入ってきたのは別の人なんだもん。あたしは「ここです。ここです。下下」て言ったら、おじさんはみどりさんの足元に居るあたしを見てさらに固まった。むふふ…作戦成功。おじさんの驚く顔が見れました。 #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


あたしは事の顛末をおじさんに伝えると「なんだそうなのかい?でもまあそのうち戻るんだろ?」なんて明るく言ってくれた。きっと気を使ってくれてるんだ。ありがとうおじさん…。今日はみんなわざと明るくしてくれてたんだよね。きっと…。ありがとう…  #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


あたしは2人それぞれを紹介したけど、実は2人とも顔見知りなんだよねえ~。おじさんたまにお店の前通るし。そんなこんなで注文なんだけど、今日は暖かいきつねうどんじゃなくて、冷やしきつねうどんにしました。この姿だとたぶん猫舌ならぬ狐舌なので… #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


みどりさんはふつうのきつねうどんを頼んでました。そういえば冷やしきつね頼むの初めてかも…。うどんが運ばれて来たらあたしの方だけわざと食べやすいように汁少な目で先に汁を麺に絡めてくれていました。おじさんありがとう。気が利くね! #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


みどりさんはあたしに、たべさせてあげましょうか?なんて言ってたけど、たぶんこの口だと箸で食べるのは辛いと思います。お行儀悪く見えるだろうけどあたしは口だけ使って食べました。 #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


食べている途中視線を感じたので顔をあげてその方向をたどると、店員の男の子があたしの事じっと見てた…。なんだろ?そんなに珍しいかな?いつも耳と尻尾は出してるのに…。男の子はあたしと目が合うと慌てて逸らした。ほんとになんだろね?  #空想の街 #狐 #あとがき #うどん屋


うどん屋さんを出たあたしたちは、まっすぐアパートに向かった。アパートに着くと大家さんの部屋まで行って鍵を借りた。大家さんもこのアパートに住んでるんだよね。部屋に入るとあたしはみどりさんにお礼を言った。「今日はありがとうございました」 #空想の街 #狐 #あとがき


みどりさんは「いいえ。しょうがないもの。困った時はお互い様でしょ?」なんてやさしく言った後に「あまねちゃん。お風呂どうするの?」なんて言ってきたよ。そうでした…。お風呂重要ですよ!どうしよう。あたしが頭を抱えているとみどりさんが「私が洗ってあげるわ」 #空想の街 #狐 #あとがき


みどりさんの言葉に少し悩んだけど、背に腹はかえられない…。お願いすることにしました。お風呂場でゆっくりと背中からお湯をかけられる。気持ちいい…「あまねちゃん。目瞑って」そう言われて目を瞑るとやさしく顔を漱がれる。 #空想の街 #狐 #あとがき


温かくて気持ち良くてリラックスしていたからかな?いつもの癖が出ちゃいました…。あたしは身体をぶるぶるっと震わせた。そしてみどりさんに水しぶきがかかった。「きゃっ」「あ!ごめんなさい」あたしは慌てて謝った。みどりさんはびっくりしてたけど  #空想の街 #狐 #あとがき


すぐに笑顔で「もうあまねちゃんったら、ほんとに可愛いんだから」なんて言ってきた。ほめられたよ?なんで?というかアレはしょうがないんです。本能なんですよ?その後はがまん…ぶるぶるしたいけどがまん…。そうしてシャンプーで全身を念入りに洗われた。 #空想の街 #狐 #あとがき


お風呂から出たらバスタオルで拭かれてブラッシグしながらドライヤーで最後のお手入れ。ドライヤーの風気持ちいいけど顔はくすぐったいなあ。乾かすのが一番時間かかったよ。あたしは改めてみどりさんにお礼を言いました。「何から何まで本当にありがとうございました」 #空想の街 #狐 #あとがき


お手入れが終わるとみどりさんは「明日迎えに来るわね。おやすみなさい」と言って帰って行きました。あたしは見送った後もう一度鏡の前で変化してみたけれどやっぱりダメだった。しょうがない。今日はもう寝よう。ベッドに飛び乗ったあたしは丸くなってそのまま夢の中に #空想の街 #狐 #あとがき


翌朝。目を覚ましてぼーっとしたところ、ピンポーンっとチャイムが鳴った。みどりさんだ!「はーい。どうぞ~」と答えると昨日渡しておいた鍵を使ってみどりさんが入ってきた。「あまねちゃん。おはよ」「おはようございます」二人で挨拶すると #空想の街 #狐 #あとがき


みどりさんは「どう?もどれた?」と聞いてきたので「これから試します」とあたしは答えて鏡の前に立った。人前で変化はした事ないので正直恥ずかしい。でも相手はみどりさんだからいいか…。気持ちを落ち着かせて集中…。そしてぴょんと飛んで一回転… #空想の街 #狐 #あとがき


…。もどれた!うれしい!鏡に映るいつもの自分が嬉しくて、気づいたらみどりさんに抱きついてました。「もどれましたぁ~!」みどりさんも嬉しそうによかったね。と抱きつくあたしの頭を優しく撫でてくれました。ほんとうによかったよ~。この姿が今の自分なんだなあ。 #空想の街 #狐 #あとがき


あたしはしみじみそう思うと手早く準備する。いつものハーヴェストに向かうために。…後日アパートのドアに緊急用の猫ドアならぬ狐ドアが付けられたのはまた別のお話。おわり。 #空想の街 #狐 #あとがき


【感謝】こんばんは。あまねです。番外編どうでしたか。今回は時間軸とか気にしなくて良かったのでのんびり書けました。今回のあまねの姿は狐そのまんまだったので狐視点の狐の気持ちになって書いてみました。なかなか楽しくかけました。みなさんありがとうです。あまね #空想の街 #狐 #あとがき

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