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# 空想の街  作者: 複数の作家
空想の街のきつね#狐(作者:日下部あまね)
6/16

空想の街のきつね6日目


朝だ!あさだよ!なんてテンションが高いわけでもなく、あたしはベッドからむくりと起き上がった。眠い…朝はやっぱり苦手…「んー…っと」あたしは背伸びをした。外は晴れてる。今日はハーヴェストもそこそこ忙しいかな。二度寝してる暇なんてないよ。さあ準備しよう。 #狐 #空想の街


ここはフラワーショップ「ハーヴェスト」場所は東地区と中央地区の丁度境目位にある。「やっぱり晴れてると気持ちいですね」「そうね」あたしとみどりさんは開店準備中だ。この時期だとバラとクレマチスあとはちょっと早いけどアジサイなど店頭に並ぶ。芝桜はおかげさまで完売でした #空想の街 #狐


あたしが尻尾出してからあることに気を使うようになってしまった。それは…あたしが振り返ったりお花の横を通る時に尻尾が引っかかってお花が倒れてしまったりするの。これは計算外でした。だから前よりも気を使う。まあ慣れてしまえばどうって事無いんだろうけどね。 #空想の街 #狐


尻尾ってなかなかどうして自分のいう事を聞いてくれない。気分が良いと勝手にふりふりと振ってしまうし、驚くとぴーんと立ったり…。顔には出てないけど尻尾は正直なんだ…。気にしてはいるけれど直せないの。あ!そろそろ開店だ。今日はどんなお客さんが来るだろう? #空想の街 #狐


今日は暖かいというより少し暑いくらいだ。今は丁度お昼時ハーヴェストの客足も少し減った。今のうちにパン屋さんに注文しておこう。クロワッサンとハムカツサンド。あたしは手が空いた時でいいので配達してくださいなと注文した。買いに行くほどの時間はないの。 #空想の街 #狐 #魔法のパン屋


ほらね。お客さんが来ました。ブックカフェ黒猫の店主さんだって。観葉植物を買いに来たみたい。あたしは尻尾を振りながら「お勧めはエバーフレッシュとシマトネリコが涼しげでいいと思います。一般的なものですとポトス辺りがいいとおもいますよ」と答えた。#空想の街 #狐 #ブックカフェ黒猫


夕暮れ時。今はまだハーヴェストは営業中だ。さすがに夕暮れ時なので客足は少なくてのんびりまったりした時間が流れている。夕日に赤く染まる時計塔を見ていたら昔の事を思い出した。「丁度このくらいの季節だったっけ…」あたしがこの街に来てそしてみどりさんに出会った日。 #空想の街 #狐


あたしは人間の事が分からなくなってお母様の暮らしていた街に行って、自分の目で確かめようと思った。生まれて初めて森を出たあたしはこの街を目指した。お母様を殺した人間。あたしの事を助けた人間。どちらが本当なのかあたしは知りたかったんだ。 #空想の街 #狐


この街にたどり着くまでの数日間。その思いは変わらなかった。あたしは街の入り口まで来ると適当に街にいる人の服をまねて人に化けた。今思うと上手くイメージできていなかったから、へんてこな恰好していた気がする。そうしてあたしは初めて見る人間の街に入った。 #空想の街 #狐


初めて見る人間の住処にも驚いたけど、一番驚いたのは人間の数。正直すごく怖かったばれたら殺されるかもしれない。いや絶対殺される。って思いながら緊張しながらそして行く当ても無いまま街の中をさまよった。夜は家々の隙間で身を隠して眠り、昼間はビクビクしながら人間観察。 #空想の街 #狐


幾日かそんな日がすぎたある日。さすがに空腹と緊張によるストレスで立ち尽くしていたところ。あたしは声をかけられた「あなただいじょうぶ?」初めはあたしの事じゃないと思って無視していたけど何度も声をかけてきたんだ。振り向くと心配そうな顔であたしを見る人間の女の人がいた #空想の街 #狐


この街に来てあたしに声をかけてきた人はこの人が初めてだった。それがみどりさんとの初めての出会い。今まで見た人間は皆あたしを見るとあたしを避けるようにしてたから。ひどい格好だったんだろうなあ。みどりさんはあたしが振り向く、とこう言った「あなたのお家はどこかしら?」 #空想の街 #狐


あまりに突然で反応に困ったあたしは「…家なんて無い」って一言だけ言った。その後の事はあんまり覚えてない。ただみどりさんが住む場所を手配してくれて、毎日迎えに来てくれて、お仕事もさせてくれて、いろんな事教えてくれた。#空想の街 #狐


初めの頃は、あたしほとんど話さなかったし、そもそも人間を信用してなかったから、なんでこの人あたしなんかにかまうんだろう?変な人間…。って思ってた。今じゃ考えられないけどこの街に来た頃のあたしはそんな感じだった。あたしが馴染むまで相当苦労しただろうなあ…みどりさん #空想の街 #狐


それからだんだんお仕事も覚えてきて、話す回数も増えていって、お客さんの相手もさせてくれるようになって、段々とあたしは心開いていったんだ。そうそう初めはねみどりさんの事呼び捨てしてたんだよあたし…「…みどり。コレどこ置けばいい…?」みたいに~今じゃ考えられないね #空想の街 #狐


だいぶ人間の生活に慣れた頃に事件は起きたんだ。それはお店の前で散歩中の犬にあたしが吠えられた時だった…。うかつにも出してしまったんだ…耳と尻尾を…。やってしまった…。もうここには居られない…。最悪殺されるかもしれない。あたしはその場から逃げようと思った。 #空想の街 #狐


あたしが覚悟を決めた時。「あら?かわいい。あまねちゃんきつねさんなんだ?」ってみどりさんにやさしく微笑みながら言われた。犬の飼い主さんも驚いていたけど「ほんとだ。かわいいね」って言ってくれた。その時あたしはお母様の言っていたことが分かった気がしたんだ。 #空想の街 #狐


それからも何度か失敗して耳と尻尾出した事あったけど、その度にみんな何事もなかったように接してくれた。そして時が経つほどこの街が愛おしくなって、街のみんなの事が好きになっていった。人間は悪い人ばかりじゃないんだ。あたしは人間の事を信じるようになれた。 #空想の街 #狐


みどりさんはこの街ではあたしにとってのお母さんみたいな人だ。たぶんというか絶対あたしの方がずーっと年上だけど…。でもみどりさんが居なかったら今のあたしは居ないと思うし、いつも優しく見守ってくれる本当にやさしくて素敵な人なんだ。みどりさんいつもありがとう。 #空想の街 #狐


そんなこと考えていたら、いつのまにかとっぷりと日が暮れていた。閉店の時間。あたし達は店先からお花を店内にしまう。今日も働いた。うどん屋さん寄って帰ろう。ってあたしうどんしか食べて無いように見えるけど…いや…間違ってないけどさ…人と違ってあたし達狐は偏食なんだよー #空想の街 #狐


帰り道。いつものうどん屋さんで、いつものきつねうどんを食べながら、おじさんといつもの会話して、いつもと同じ金額のお代払って、いつもの道を通り、いつものあたしの寝床に帰る、そして髪と尻尾にいつものお手入れをして、いつものベッドで眠る。いつもいつでもそれでいいんだ。#空想の街 #狐


【感謝】こんばんはーあまねです。今日は何日目でしたっけ?6日目?も無事終了しました。ありがとうございました。今日はあまねとみどりさんの出会いを書かせてもらいました。例のごとく構成とかまったく考えないで書いているので纏まりないかもしれませんが;;それではまた明日 #空想の街 #狐

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