終章 もう1つの怪談・・・
さて、この物語ではゆうさんが「もう1つの怪談」に気付く事はありませんでしたね・・・
皆さんは、「もう1つの怪談」が何か分かりましたか・・・?
え?
分からない?
仕方ないですね。
それでは、私が教えましょう。
貴方が彼と同じ目に合わないように・・・
まず先に「もう1つの怪談」が何かを教えておきます・・・
もう1つの怪談とは・・・
この世に強い怨嗟の思いを残している霊が話す・・・
『呪いの怪談』なんです・・・
まぁ、これだけ聞いても意味が分からないと思います。
そこで、ゆうさんの事を例に上げて説明しましょう。
話は、少し前に戻りますが・・・
ゆうさんは即興で作った怪談話を、スラスラと話す事が出来ていましたね。
何故なんでしょう?
それは簡単な理由です。
その話を考えたのは・・・ゆうさんでは無いからです。
え?
と、思われるかもしれません。しかし、それが事実なんです。
では、一体誰が考えたのか・・・
いや。
考えたというのは間違っていますね・・・
何故なら、ゆうさんが話した怪談は夢の中に出て来た「女」が話した物なのです。
ここで、話はさらに物語の始めに戻りますが・・・
ゆうさんは、最初夢の中で出て来た女から「足影村での事件」を聞いていますね?
それを、工藤に起こされた為途中までしか聞いていないと、ゆうさんは思っていましたが・・・
本当にそうでしょうか?実際は、全て聞いていたんです。
しかし、ゆうさんは話の頭の部分しか覚えていなかった・・・
だが、頭の中にはその話は記憶として残っていたのです・・・
自分自身では認識出来ないだけで・・・
そんな状態で、「足影村での事件」を自分で作って話そうとした所で、実際は記憶の奥に眠る話を、そのまま口にしてるだけなんです・・・
そう・・・ゆうさんが話していた怪談は・・・
夢の中で出て来た女が話した物なのです・・・
そして・・・夢の中に出て来た「女」とは一体何だったのでしょう・・・?
それは、私にも分かりません・・・
ただ分かるのは・・・
その女も「この世に強い怨嗟の思いを残している霊」という事だけです。
最後に、これだけ言っておきます・・・
『強い負の思いが込められた怪談話は・・・呪いを含む物語となるのです・・・』
今まで、説明したことを簡単に省略すると・・・
「ゆうさんは、夢の中で出て来た「霊」から聞いた呪いを含む怪談を話してしまった為、その身に呪いが降りかかってしまったのです・・・」
これで、貴方も「もう1つの怪談」がどういう物か分かりましたか?
『この世に強い怨嗟の思いを残している霊が話す・・・呪いの怪談』
貴方も、作り話をする時は十分に気をつけて下さい・・・。
今回の、ゆうさんのケースは稀な物なのです・・・
本来なら、私たちは夢の中で霊から話を聞いたとしても・・・
その事を理解出来ないのです・・・
貴方が、気付いていない内に「呪いの怪談」を頭の中に刷り込まれているかもしれませんよ・・・?