第3章 呪い・・・
そのある事件とは、当時15歳ぐらいの女の子が誘拐され、山の中で死体で発見された。
という物だった・・・
しかし、その女の子が発見された時は死後1週間以上経っていた為・・・
体は腐り、さらにカラスや山の野生動物に食い荒らされ・・・
人としての原型をとどめていなかったという・・・
その事件から、1年ほど経ったある日・・・
「なぁ。こんな話知ってるか?」
村に住む20歳ぐらいの男が友人と話をしていた。
「1年ぐらい前に、山の中で殺された女の子がいただろ?」
「1年前?・・・俺、確か2、3年ぐらい前に上京してったから、ちょっと分かんないな・・・」
「あ、そっか。ま、とにかく1年前に村の山の中で女の子が殺されるって事件があったんだよ。
でも、その犯人ってまだ捕まってなくてさ・・・
で、何か最近その事件の事である噂が出て来たんだ。」
「噂?」
「あぁ。何か、その事件の事を面白半分で話してた中学生4人が山の中で死体で発見されたらしくて・・・
その女の子の呪いじゃないのかって・・・」
「・・・偶然じゃないのか?」
「・・・それが、そうでも無いんだよ。
中学生が山で死んだって事件が広まって、呪いの噂が出始めた頃に、どっかの馬鹿が根性試しみたいな感じで、その話してたんだけど・・・
そいつらも、山の中で死体で見つかったって・・・」
「マジか・・・?って、それなら今こうやって話してるのマズイんじゃないのか?」
「いや。大丈夫だろ。
中学生達が話してた内容って、かなり脚色してたり、笑い話みたいな感じで話してたみたいだしな。」
「う〜ん・・・それなら良いんだけど・・・」
1週間後・・・
山の中で2人の男性の死体が発見されたらしい・・・
その「女の子」の呪いは・・・
今でも解ける事無く続いている・・・
「これが、俺の怪談だ・・・」
「・・・な、なぁ・・それってヤバイんじゃないのか?
そんな怪談話してたら、俺達まで死んじゃうんじゃ・・・」
「・・・作り話だよ。」
「えっ!?作り話!?」
「ウソだろ?何か、かなり現実味があったって言うか・・・話し方がリアルだったから・・・」
そんな会話を交わしていると・・・
ふいに、工藤が俺に話し掛けて来た。
「なぁ・・・ゆう。お前この怪談ってさ・・・作り話って言ってたけど・・・
この話いつ作った話なんだ?」
「ん?今、即興で作った話だけど?」
「・・・それって、おかしくないか・・・?普通、即興で作った話とかだったら・・・途中で詰まるはずだろ・・・?
どんなに、頭の中に話のイメージが出来ていても、ここまでスラスラと話せるのは、ありえないだろ・・・?」
「・・・そう言われれば・・・そうだ・・・・な・・・・・・・」
そう言い掛けた所で、目の前が真っ暗になり・・・俺の意識はそこで途絶えた・・・
『・・・・・・うぅ・・・あれっ・・・?ここは・・・・・・?
俺、確か・・・・・・さっきまで怪談を話してたはず・・・』
さっきまで、キャンプ場にいたはずなのだが・・・
俺は、何故か車の中にいた・・・
隣には、夢の中に出て来た女がいる・・・
そこで、俺はこれが夢なんだと分かった。
だが色々と疑問が出て来る。
俺は、あの時眠く無かった・・・それに、あの時の急に意識が途絶えるような感覚は・・・?
そこで、隣の女が俺に話し掛けて来た。
『ねぇ・・・貴方、「呪い」ってどういう物か・・・知ってる?』
『・・・・・・あぁ。怪談なんかで出て来る奴だろ・・・』
俺は、考え事を中断された事に苛立っていた為、少し口調が荒くなっていた・・・
『フフフ・・・そうね・・・あなた達はそういう風に思ってるかもしれないわね・・・』
『・・・?』
『まぁ、良いわ・・・貴方もそのうち分かる時が来るから・・・』
『・・・それって、どういう・・・?』
そこで、また俺の意識が途絶えた・・・