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17  作者: 有吉 正春
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第二話

                          17       作:有吉 正春                        

「トモコ?」

      

「えっ?あの〜私セイコですけど?」

      

「ゴメン、知り合いにソックリだったから、気にしないでよ」「お前何初対面でボケてんだよ」

        『パシッ』と小気味良い音をたててヒロキが俺の頭を叩きながら言った

「じゃあ皆揃ったトコで店行こっか?」

     アイリちゃんが笑いながら言った「うん、ここからだと歩いてもすぐつくから」

  何故かヒロキは上機嫌だ、俺は少し考えたがすぐに理由がわかった  アイリちゃんはどちらかというと少し子供っぽく派手め、奇麗というよりカワイイって感じだまさにヒロキの好みド真ん中、ジャストミート セイコちゃんは黒髪のポニーテール、清楚なお嬢様って感じだ、見れば見る程アイツに似ている、まるで生き写し、もっともアイツは

「お嬢様」

とは真逆もいいとこだったけど…                                                       2000年  秋              

「ねぇ?マーちゃん、トモコちゃんの噂聞いた?」

           

「おいジュン、いい加減その呼び方辞めてくれよ、もう17歳だぞ?」「オイどんにとってはマーちゃんはいつまでもマーちゃんでごわす」

   

「なんだよそのしゃべり方?」

        

「西郷どん、知らないでゴワスか?」

     

「まったく…で、何なんだ?アイツの噂って」「えーっと、中学ん時にいた大沢さんって子覚えてる?」

                  

「ああ、アイツと仲良かった子だよな?」

    

「ご名答、でその大沢さんが〜この前帰り道にトモコちゃんが同じ高校の先輩と2人で仲良く帰ってたの見ていたらしいアルよ」「アイツと付き合うなんて物好きがよくいたな?目が悪いんじゃないか?性格だって男みたいだし」

           俺はナゼか悲しいような悔しいような気持ちになっていた、何でだ?別にアイツが誰と付き合ってもいいじゃないか?もしかして俺は…「またまた〜強がっちゃってマーちゃん♪全くマーちゃんもトモコちゃんも素直じゃないんだ・か・ら」

          

「誰がアイツの事好きだって?俺あんな男女を好きになる?冗談言うなよ」「拙者は『好きなの?』って聞いてないでゴザル焦るトコが怪しいでゴザルなぁ〜♪」

      

「な!なっ!?」

    ハメられた、ジュンはある意味俺とアイツにとって天敵だ、昔から俺達はよくジュンの遊び道具にされる「だから違うって言ってんだろ!あんな男女!!!」

『ゴツッ!』いきなり俺の後頭部に強い衝撃が走った         

「男女って誰の事かしら?ねぇマサキ?」

    いつの間にかアイツは俺の後ろに立って素晴らしいゲンコツをお見舞いしてくれた、ジュンは少し離れたところで手を叩いて笑っている「いつからいたんだ?」

 

「たった今よ、ところで男女って誰なの?」

   マズい、すでに右手をグーに握っている   

「学校の先生だよ…女の…体育教師」

      とっさについたウソにしては上出来だ「ふーん、ジュン!ちょっとこっち来なさい!」

  

「何でゴワスか?トモコどん?」

        

「何よそのしゃべり方?新パターン?」

    

「西郷どんでゴワス」

 

「まっ、どうでもいいけど怒らないから正直に答えなさいよ?」「何でゴワスか?」

   

「アイツの言ってた男女って誰の事?」

    マズい!言うなジュン、頼む!俺を見捨てないでくれ!        ジュンはコッチを見てニヤリとした      ありがとう友よ!分かってくれたか!?     

「それはトモコ殿の事であります!」前言撤回、明日覚えてろよジュン       

「あら、そうなの?ありがとうねジュン」

     

「じゃあ僕女の子と約束あるから〜、バイビー」

           

「はい、またね〜」

  去って行くジュン、そして残されたオレ「話せばわか『ゴツッ!』」

          痛い、普通に痛い、この女は手加減という言葉を知らないのか?    

「痛いじゃねーかゴリラ女!少しは手加減しろ!」

 

「あら、ゴメンあそばせ♪」

         

「そんなんだから男ができないん……」「どうしたの?途中で止めちゃって?今日はもう殴らないわよ、私も手が痛くなるし」

      

「何でもない」

    

「何か気になるわね〜、まっいいか」

      『フワッ』何かが俺の首に巻きついた「なんて言うわけないでしょ♪白状しなさい!」

 言うが早いか俺の首を締め付けてきた     

「い…う…から…離…せ…」

          

「よしっ、素直でよろしい」

         

「全く…誰かに見られたら…恥ずかしいだろ」「あら?この場所知ってるの私とアンタとジュンだけよ?」

       

「そんな問題じゃねぇ、歳頃の女がチョークスリーパーなんてするなっつてんの!」

      

「ヘェ〜意識してるんだ?」

          

「バカ言うな、アホ女」「また殴られたい?」

 

「いえ、すいません」


「で、何なのよ?さっきのは?『男できない』て言うの途中でやめちゃって」

          

「だって…できたんだろ?…その…彼氏がさ」

沈黙、ああやっぱりコイツにも恋人ができたんだな、祝ってやるとするか「何それ?何の事?」

  

「へっ?彼氏できたんじゃないのか?」

    

「残念ながらできてないわよ、誰が言っていたのそんな事」

       

「お前中学の時いた大沢さんって覚えてるか?」

           

「ああハルコの事ね、でハルコがどうかしたの?」「その大沢さんが見たらしいぞ、お前が同じ学校の先輩と一緒にいるところ」

          

「えーっ!何よそれ?大体なんでアンタがハルコの言った事知ってるの?あの娘女子高に通ってんのよ?」「ちょ!ちょっと待てよ!俺もさっきジュンから聞いただけなんだって」

 

「ふーん、何でジュンが知ってるんだろ?そう言えばあの娘最近中学の時の同級生と付き合い始めたって言っていたわね…

「「まさか!」」「ハルコの言っていた同級生って…」

      

「ああ…多分ジュンだ…」

          

「これで何人目よ?」


「高校に入ってから数えても14人目?かな…」


「相変わらずモテてるわね…」「パッと見は『少し不思議なイケメン』だからな…」

          

「カッコイいのは認めるけど不思議のレベルがね…ハルコ大丈夫かしら?」


「「ハァ…」」

俺達は同時にため息をついた認めたく無いがジュンはモテる、顔はアイドル並みで少し不思議キャラ、しかし不思議のレベルが普通じゃない、とにかく疲れる、事実アイツと付き合った女の子は全員

「貴方と居ると疲れるの」

といいジュンに別れを告げている「アイツと普通に付き合えるの俺達位だろうな」


「ええ…幼稚園からだからもう10年以上ね…」


「長いな」


「フフッ、アンタ爺さんみたいよ」


「ほっといてくれよ、でも何でお前に彼氏ができたなんて噂がたったんだろうな?」「一つだけ心当たりがあるのよ」

トモコは草の上に寝そべりながら言った   街を見下ろせる山の公園、俺達3人の秘密基地、いつも俺の横にはトモコがいてジュンが笑っている、そんな日々がいつまでも続くと信じていた 続く…

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