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死んだふりをしたら、友人の本音を聞いた話

作者: 白夜いくと
掲載日:2026/03/26

 本間ほんま和也かずや。どこにでも居る高校生だ。2年になって友人ともそこそこ上手くやっている。でも、3人組になると、必ず余る。会話に入っていけない。


(……嫌われてんのかな?)


 グループチャットで盛り上がる友人達は楽しそうだ。何だかムズムズした。このまま友人が離れてくんじゃないかって思ったからだ。


(死んだふりしてみようかな)


 グループチャットを抜けて、SNSに【自殺】を仄めかす投稿をした。


《しんどい。死にたい。つらい》


 書いたら心臓がバクバクしてきた『いいね』を押した人の本意は分からない。でも、少しずつ自殺を止めさせる様なコメントが湧いた。


(弱い人には優しい言葉を掛けてくれるんだな)


 等と思ってたら、引用で《死ぬ気もないくせに》とか《死にたいなら一人で死ね》と送ってくる人も沢山湧いた。


(や、止めろよ……軽い気持ちで書いたのに……)


 多くの言葉に酔ったから、一杯の水をゆっくり飲んだ。軽い気持ちで死を扱うと炎上するのか。


 ──電話が掛かってきた。


 声の主は友人達だった。彼らは順番に話す。


「もしかして、お前の好きな子の事をバラしたのがショックだったのか。ごめん!」


 ん。初めて聴いたけど。許さないよ?


「この前貸して貰ったゲーム画面を落として、傷つけたことが原因か?」


 ……、絶許。


 みんな、酷いや。

 友人は自分のことなんか考えてなかったんだ。


 なら、1回。

 死んでみる!


 しばらくSNSを放置して、親を装い《和也は亡くなりました》と投稿した。疑う人も信じる人も居た。電話にも出ないでいた。


 友人達のSNSに、自分のことが話題になる。


「アイツ、自分から話しかけない奴だったな」

「そうそう。何考えてたのか分かんなかった」

「なんで死にたかったんだろう?」



 ……。

 そんなふうに思われていたのか。別に死にたいわけじゃないけど、課題は見えた。問題は、復活の仕方だ。


(嘘だって言ったら、信頼失くすよな……)


 勘の鋭い友人は「構ってもらいたいだけだから反応しないほうが良いよ」と冷静に書き込んでいた。


 ──自分から話しかけない奴


 ──何考えてるか分からない奴


 これをクリアしないと、今後友達の和の中に居るのは難しいだろうな。まだ修正が効くうちに。


「ごめん。生きてる。寂しくて構って構文を書いた」


 そう書いたら、批判がたくさん来た。凹んでいたら、友人がグループチャットを誘ってくれた。


 勇気を出して「自分から話しかけること」をしてみた。思いのほか、友人と会話が弾む。


(こんな……簡単なことだったのか)


 何事も、受け身は良くないのだなと、学んだんだ。もし同じような人に出会ったら、教えてあげよう。



 おしまい。

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