魔法少女プリティームーン
「ぐっへっへっ!お前に変な性癖を植え付けてやるブゥ!」
怪人ブタチャーハンが僕に『裸ネクタイ熟女』をめっちゃ勧めてくる。
暴力的ならまだしもロジックから丁寧に魅力を説明しつつジョークを交えながら分かりやすく沼に引きずり込もうとしてくる。
話が達者過ぎて聞き入っちゃうよぉ!
このままじゃ裸ネクタイ熟女を好きになっちゃうよぉ。
ダレカ助けてぇ!
「やめなさい!」
「ぶぅ!?」
あれは。近所のJKの怒麗美お姉ちゃん!?
「エクストリームワンダフルトランスフォーーム!」
お姉ちゃんの身体が眩く光る。
えっ!まさかお姉ちゃんが噂のヒロイン。魔法少女プリティームーンなの!?
三十年後。
僕は四十になっていた。
寂しい風俗通いの独身男さ。
今日も新しい店を開拓しますか。
嗚呼。あの日のお姉ちゃんの変身が忘れられない。
眩く輝くお姉ちゃん。
クルクル回りながらリボンや衣装、靴が変わっていく。
魔法少女は変身の時に一度裸になるけど
まばゆい光で見えない……ハズだが僕は見てしまったんだ。
お姉ちゃんはムダ毛の処理を全然していなかったし、赤いブツブツがところどころに出来ていたし、お尻にはオデキが出来ていた。
「お客さん。一番の部屋どうぞー。でも本当にいいの?うちにはもっと若くて可愛い子いるよ?」
「いいんですよ」
僕はすっかり歪んだ性癖を植え付けられてしまった。
怪人ではなくお姉ちゃんに。
「よろしくお願いします……あなたは!?」
「お姉ちゃん!?」
こんな所でお姉ちゃんに再会するなんて。
もしかして運命?
「お仕事帰りですか?」
「はっはい」
流石プロ。お姉ちゃんはすぐに落ち着いた。
「衣装オプションは付けますか?」
「……これでお願いします」
「これって!?」
僕はお姉ちゃんにネクタイを差し出した。
HAPPY・END