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約束  作者: 榎 実
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8月3日④

クロに声をかけたが、もう少し残ると振られてしまった。港近くには地域猫がたくさんおり、ちょっとした名物になっているらしい。クロにもご近所付き合いがあるようだ。


単身帰宅し、調理に取りかかる前に砂抜き中のアサリの呼吸音をぼんやりと聞いていると、リエが差し入れを持ってきた。

「ちゃんとリクエストのも入れたから」

と言いながら、不適な笑みを残して帰って行った。

訝しみながら蓋を開けると中身はピーマンの肉詰めだった。

(ハンバーグっちゃそうだけど…野菜も取れってことかな)

ふとリエの意味ありげな表情を思い出し、

(あ)

「…俺がピーマン嫌いだったこと覚えててわざと?」


(………)

(そうだったら、いいな)


「─まぁ、もう食べられるけど」

1つ摘まんでほおばると、肉汁と生姜の香りと微かな苦味が口の中に広がった。

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