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約束  作者: 榎 実
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8月2日①

朝目覚めてからずっと、“幽霊”のことが頭の半分を占めている。昨夜、祭の手伝いで幼馴染みらに会うかもしれなくなったからだろうか。しかし、クロには調べると言ったが、何をすればいいのか皆目見当がつかない。

誰かに相談できることではない上─そもそも発端が自分としか会話ができない猫というところから説明不可である─情報が少ない。

昨日話したこと以外にクロから得られることはもうほとんどなかった。普段から交流があったのはヨシマサとイノリで、あとの3人ははっきりと認識していなかったということと、最後に光るヨシマサを見たのが一週間程前でイノリは3日程前ということ位だった。

幽霊の正体を知りたいと言っていた本人(猫)は案外呑気に過ごしており、幽霊よりもヒロが作る毎度の食事の方が気になっているように見えた。

本当はヒロだって親の目のないところでのんびり夏休みを満喫するつもりだったのだが、あんなことを聞いてしまった以上は気になって落ち着かない。自分の性格上、何も行動せずに帰ったら絶対に後悔することはわかっている。

(でも…大体いつから幽霊なんだかもわかんないんだよな。イノリとヨシマサ以外は俺が初めて会った時からの可能性だってある…)

そこまで考えてゾッとした。

自分の過去や思い出まで上書きされる位なら、聞かなかったことにした方が幸せではないかという思いがよぎる。

(誰か困ってるわけでもないし)

しかしそう考えてすぐ、未来に何かが起こる可能性に気づき不安になった。焦る一方で、クロの能力ーそれも既に失われているー以外に幽霊を見つける方法なんてないのではないかと絶望する。気を取り直して、見方を変えてそもそもの幽霊の存在理由・目的を考えてみる…。

雑然と思いを巡らせたが、答えは出ない。


結局、彼らの変化や違和感に気づける様に、昔のことを思い出したり、周囲を散策してみようという結論に落ち着いた。

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