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ゾンビ、犬に追われて道に迷い。

 ウワッ!「で出たぁ~~」子分Aが反応するとBが一目散に走って行った。

 

 呆気ない物だなぁ、若頭も子分達を追って逃げていったが、臆病者が腰を抜かしたのかその場で固まっている。

 助けるべきか・放っておくべきか?

 (食べてみるという選択も有るのか?)仲間ソンビが増えるかも?

 

 でも人間はなぁ、腹が減っているならまだしも食指が動かない。

 人間は美味そうに思えないなぁ。


 ゾンビの体は痛覚が鈍い、視覚も聴覚も悪いは悪いが、一番良いのは嗅覚か。

 小便の匂いがして次ぎに胃液のツンとした匂いが漂って来た。

 

(気絶してるのか?あ~~あ、幽霊共が空き物件に殺到するように耳や鼻・口に目がけ、

何とか入ろうと頭や指をねじ込んで・・・・うわっ、幽霊ってやって取り憑くモノなの?)

 

 幽霊とは別に押し出されるナニか、男の姿がズレ始めて・・・・ホウホウ?

 

 でも・・・ここで取り憑かれても面倒だ。ここは一つ、人助けでもして上げよう。


 おい!「お前、死にたいのか?そのまま寝たら、体から飛び出して消えちまうぞ?」

 

 小石をぶつけて声を上げ、木の陰に潜んで様子を覗って見る。

 ゾンビのオレに出来る事はこれだけ、後は逃げるなり取り憑かれるなりお好きにね。

 

 生者への憧れかそれとも、いやただの気まぐれ。

 体はゾンビだが、オレはまだ人として死んじゃいないようです。

 確定的敵対者でも無いなら、慈悲を与える事もあるのが人間でしょう。


(起きない・・ならもう一度・・手頃な石は・・あった、あった。これで〕起きろ!


 二つ目命中!、まだ起きないか!なら・・・三つ目の石・・大きかったのかも。


 グフッ!・投擲の的が声を上げると、親からはぐれた子ネズミのように屈みながら走り逃げていった・・・う~~ん。死ぬよりましか。


「途中から石投げの方にシフト替えをしたのが悪かったのか・・な?」

 否・触覚が悪いせいで力加減が難しかったのだ!といいわけしたい。 

 

 何故なら次の日、少年達は村の大人達を連れて墓場までやって来たのだから。

 (滅茶苦茶怒ってんじゃねぇかよ!〕助けてやったのに。


『情けは人の為ならず』たしか回り回って、自分の為になるとかならないとか。

良い事したつもりでも、結果悪いことをしたって事あるね。


 命を助けてやったのに散々だ、神も仏も無い物か?・・・ゾンビの神?は私に試練を与えたもうか!『我に艱難辛苦を!』などと祈った記憶は無いんだが?


 山中鹿之助のように夜の闇を抜け、暗闇の森をより深い方へ深い方へとひた走る。

(松明もただじゃないだろうに・・何人集めたんだ?)


 田舎の子供が騒いだ程度なら、それほど数は多く無いが、ガキ大将とかの親も出張っているらしく山狩り・・落ち武者狩りになっているなあ。


「ガキ苺狩りとか葡萄狩りでもやってろよ、それとも異世界のガキは落ち武者も狩るのか?よ?」


数をそろて大声を上げる村人から逃げる。

 ガサガサと下草を分け、坂や谷上がったり下がったり登ったりしても疲れの見せないこの体が怖い、ホラーである。


(息が上がらない・膝が痛く無い、足も痛く無いし夜露に濡れても寒く無い。

なんだ・我が軍の圧勝ではないか!ゾンビサイコー!)


 そう考えている時がオレにもありました。調子に乗っている時は良くない事の前触れ。


 肩まであるススキの原生をやぶ泳ぎ、手を出した瞬間、飛び出した犬がオレの腕に噛みついた。

最早私の天敵だ。


 オレの腕を持って行こうとする馬鹿犬を殴りつけ、オレとソイツが向かい合う。


 バウワウとか、米風の可愛く無い声で仲間を呼ぶ犬に飛びつき、オレは思いっきりソイツの背中を噛みついた。ソンビ噛み付きだ!


(もじゃもじゃで堅い)美味く無いのが感想。

それでもまだソイツは立ち上がり、低い声で唸り上げオレを睨む。


(飼い主に対しての見上げた忠誠心だな)ソンビ化が始まっていると言うのに。


 口に入った固まりをペッと吐き飛ばし、勝負が付いた犬っころを見下ろす。


 本来人間なら勝者に従うのが道理だろうが、畜生に人の道理が解る筈も無しか!


(多分逃げても、この程度なら追ってくるかも・・だ)野良犬なら尻尾を巻いて逃げるだろうが、猟師が使う猟犬なら多少の怪我でも追ってくるだろう。


「猫なら生かして置いたものを、『犬も鳴かずば伐たれまい!』覚悟しろ!」

 

[一息に介錯してやろう]両腕を構え、悪戯に痛みを与えぬよう、傷口に指を突き刺し両断引き裂くために飛びかかる。その姿ふ~じ〇ちゃ~んと言った所か。


一閃/その爪が肉を啄く間際、犬が泡を吹いて伸びた。

 ガクガクと痙攣し目玉が回る、「ガフッガフッ!」舌を伸ばし爪を剥いたソレは、見ている間に肉色を無くし痙攣を已めた。


(ようやくゾンビ犬に転生したか?)

ブッファ・ブッファ、ソイツはオレを見て頭を下げ、ゴロリと腹を見せた。


 (服従のポーズ?)全く可愛く無いソレは、だらりと舌を伸ばしたままチラリ・チラリとこちらを見ている。


(ゾンビドックは仲間にして欲しそうな顔でこちらを見ている!)・・・・またかよ!


オレは血も涙も無いゾンビなんだ、「オレは猫派なんだよ」そう言うとゾンビドックは寂しそうに去っていた。


 ペットを飼うにも金と資格がいる社会、甲斐性無しのゾンビに犬を飼う資格は無い。


 なるほど、引っ掻き噛みつきで負傷させればゾンビ化出来るのは間違いないようだ、

 まんまだ、それも仲間いや・・[仲魔]か?・・・


 多少ゾンビ大発生した所で一網打尽になるのが見えている、それにゾンビは可愛く無いし絵面が悪い。

 

 早くドラゴンのゾンビでも用意しないと!


オレは弱い前提で・・・ドラゴンを倒す必要があるのは置いておく、

 それでもDゾンビ程度中ボスにもならんだろ。


「アンブレラ社の協力があればなぁ・・・?」口からは出たが、謎の名前だ。

 誰かの強力・・・か、無い物強請りは阿呆のする事だ。


 今ある物を有効的に使うのがナイスな野郎[GUY]の魂[SOUL]だろ。

ゾンビだけに憑依合体!オーバーソウル的な!


 落ち着けオレ!落ち着いて考えて見れば解る事だが、仲魔を増やすにしても他の生物と戦う必要があるよな?


 その辺の人間を襲うのが一番だろうが、縁も恨みも無い人間を襲うのは・・・

降りかかる火の粉を払う事は有っても積極的に戦う気が無い。


 いきなり襲って来たゾンビと仲魔になってくれるのだろうか?

 コミュ力が爆発すればどんな美少女でもお友達になれるゲームとは違うのだ。


 特にオレゾンビだし、現在会話した相手と件数・・幽霊が6~8人?だ!


 「ああぁ、3択の会話なら個人ルートまで行かなくとも、友達くらいにはなれる筈なのに」そろそろチュートリアルが終わってもいい頃だろ神様!。


生き返る方法とか、そろそろハッキリして欲しい。

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