表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/120

ゾンビでも最初の仲間は選びたい、ただし犬!お前はダメだ!

二匹のゾンビ犬と私は、なんとか野犬と野良犬の群れを撃退したのですが・・その惨状の返礼として・・ボロボロのゾンビ犬が3匹残った。


「なんで仲間にして欲しそうなんですか?」「ギャウ!」「ウバッウ!」「ハッハッ」 会話にならない、最初の仲間がゾンビ犬と言うのは・・ちょっとね。


「と言う訳で、仲間には出来ません」そう言うとゾンビ犬は寂しそうに去って行った。 やはり最初の仲間はドラゴン、ドラゴンゾンビが良いでしょう。

 『スライムもそう思う』ってそう言ってたし。


[おい!お前、オレの孫に言ってくれ、コイツの隣は絶対嫌だと言ったのに!]

・・・キミ達オレの激闘を見て無かったの?大変だったんよ?


[お前、一寸そこ。オレの体の上だ足を退けろ!]

[なあ・あんた。話しを聞いてくれ]・・・・・・

 

 何代何人埋まっているのかは解らないが、形の崩れて自我が無くなった者や、

 生前・仲が悪い者もまとめて供養するから[幽霊もどき]でごった返しているね。

 

 あ~~月の明かりが強いからか、幽霊達は浮き上がって街中の繁華街だ。

「キミ達ソーシャル=ディスタンスって言葉知らんの?夜八時以降は外出禁止だよ?」


 子供の幽霊が少なく、我の強い幽霊が多いのは我が強く中々昇天しないからだろう。とにかく、くちうるさい。普通にポルターガイストだ。


 お陰で夜墓場に近づくのは酔っ払いと・・物好きな肝試しくらい。そんな人間には幽霊が見えて無い場合がほとんどで、結局私が愚痴を聞かられている訳か。


(確かに彼らの話を一々聞いていたら浄化の準備もするだろうさ、うるさすぎるよ!)


 幽霊が浄化されたらどこに逝くのかは知らないが、私はごめんだ。だって恐いし。


 多分、元人間だから思うのだろうが、天国とか地獄より地上の方が良いよ絶対。

いきなり知らない土地に連れて行かれて、『ここは天国です』って言われても馴染む自信が無い。


 そう、新しく始めたソシャゲのチャットに付いて行けない途中参加者のように。


 FG〇二年目からのスタートなんて恐くて恐くて、私には無理だね。

・・・・・・・


 緩和休題、さて気分を変えて本気で乾燥肌がヤバイ。服もボロボロだが皮膚が剥がれたら筋肉が剥げる、スケルトンにクラスチェンジ・・進化?してしまうじゃないか。


 水、水分補給が必要だ。ここはやはり村に行く必要があるだろう。


・・抜き足・・差し足・・忍び足・・時々ゾンビダッシュ!

走れるゾンビの私は、どうやらスニークが出来るゾンビらしい。


 段ボールは無いが、身を隠す桶をかぶり闇に紛れて村に潜入する。

「まずは潜入成功、ミッションの内容は村人の確認と水源の確保」


「コラ!私は恐く無い桶だ、吠えるじゃない!」放し飼いの犬に吠えられ、ガチョウが騒ぎ、夜警が犬を連れてやって来る。クソッ任務失敗だ!


 何故か犬には因縁がある私、飼い犬をやっつけると後で大事になる予感!

さてどうしようかなぁ。


 その日は諦め、次ぎの夜・・・アホが来た。


「おいおい、本当に見たんだろなあ」

 若い男がもう一人に声をかけ、先頭を行く男は明るい月光に姿を晒し背中に隠れる 男を笑っている。

 

 どうやら村の若頭のようだ、どんな集団にもリーダーが生まれ大体が体格と性格の大きく強いヤツがそうなるんだ。


「・・・うん、犬が吠えてたから起きて様子を見たんだ、そしたらこっちに人影?が歩いているのが見えた、よそ者かも知れないし。で・・でも夜の事だから・・」


 『見張りには臆病者か合鴨を使うと良い』と言うが全く面倒な事だ。


 水鳥も気配に敏感だが、臆病者は恐怖が解決しないと怖くて眠れない。

そうやって親分とかを引き連れて来る。

 

 全く面倒、幽霊達も生者の気配でザワついて、興奮して飛び跳ねているよ?

 

ひゃっ、臆病な男が風のざわめきで小さく悲鳴を上げる。

「影でびびってんじゃねぇよ!」「うひひひ」

 

 4人組の男達が度胸試しも兼ねての暇つぶしか、怖い思いをしたければ余所でしろ。 彼らを脅しても、後で祓い屋とか坊主が来て幽霊共もオレも浄化?されるかなぁ。

 

 「おおぉぉぉ生きた人間だぁぁぁ」「子供・子供・子供」「gyaaa~~」

 後先考え無いのは幽霊も同じだよ全く。

 

 臆病な男と幽霊達の視線が重なっている、臆病だから妙な気配に敏感なのか、

幽霊は自分達を認識する人間に興味を示しているね。


 話しを聞かない人間より、話しを聞いてくれる人間に話しかける。

 男が視線を動かす方向に幽霊達が付いて行く。


 「オレの話しを聞けぇぇぇぇ」「なあ見えているんだろ?」「こっちを見るな!」

 「オレだよオレ、お前の兄貴だよ!体を貸せぇぇ」

 

 臆病な男が声にも反応し始め、周波数が合い始めたようです。


「おい!あんま怖がってんな!オレにもビビリ病が移んじゃねっかよ」

 集団意識を有する人間は共感覚的に感情も伝播すよね、ミーヤキャットや一部の猿の様に、集団生活をする物の持つの危機回避能力の一つだ。

 

 ヒステリーが集団に伝播するように、他の男達も幽霊に反応を示し始めた。


 ただでさえ人間は他人の感情を受けやすい。恐怖の絵なら恐怖を、

 幸福の音楽なら幸福を。


 なら強烈な感情体の幽霊ならソレを 感じる事もあるだろうねぇ?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ