100日くらいで生き返るつもりが、気が付けば・・・・やめろ!しんでしまうじゃないか!
(考えてもわからないのは何故だ!)脳が腐っているからです。
(思い出せないのは何故?)はい、ソンビだからです。
大賢者?いいえ、自問自答ですよ・・・困りました。夜明けまで考えたのですか何故自分がゾンビなのか、わからなかったんです。
いやね、『人間が何故人間なのか?』みたいな哲学じゃないですけど。
ブーデゥの神官に呪われたとか、生きた死体・意識無く動く人間じゃなく、確実に死んでいるんですよ。だって心臓が!脈が止っているんですから。
一応両の手足が揃った完全体ですから、他のゾンビに喰われたって感じは無いんですけどね。
あとわかった事と言えば・・ここって本当に異世界なんですよ・・多分。
なんでって?そりゃー・・お隣さんも、お向かいさんも起き上がってウロウロしてるんですから・・
目覚めて直ぐのテンションで村人を脅かしたのは良いですが、そろそろなんとか、しないと駄目な気がします。
日光は多分体に悪いでしょう、なんせ空が白んでいるだけなのに強烈なダルさ・・けん怠感があるんです。つまり眠いんです。
生前は夜行性だってのかも知れませんね、もしくは転生前の私はこよなく夜と幻想の友人だったって事でしょうか。
『幽霊は朝日に去り!亡霊の嘆きは霧と消えた!』などと言えたら良いですが、眠ったら、そりゃぁ・・村人が燃やしに来るでしょう、なんせ死体なんで。
ゾンビだって死ぬのはイヤです、せっかく転生した?のに次ぎの朝日が最後なんてと言うわけで、動けるうちに場所を代えます。墓場にいたら殺されてしまいますから。
寝ぼけたようにフラフラと歩くと、墓守小屋を発見!裏から覗いても人の気配無し。うらぶれた放置墓地を守る予算が下りなかったのでしょう、なら失礼しますよ。
・・・はぁ、不法侵入して床下で目を瞑る、墓から這い出て床下と言うのは生活ステータスが向上したのでしょうな。多分。
・・・なんんんか?ゴソゴソと私の下半身をイジる妖精の悪戯・・・ってテメェ!
「鼠じゃねぇか!」
異世界最初の敵は、普通小鬼かスライムだろ!なんで鼠だ!なんて日だ!・・
パンチ!キック!パンチ!・・時々チョップ!
なるほど・・鼠は金貨にも何かの結晶にもならず、毛皮?(肉付き)になった。
・・・まだ少し眠いです、床下から覗くと日光がジリジリと地面を焼いていました。
(ふむ、匂い的に煙る感じは無しですか・・)
そう言えば、お隣さんも良い感じに腐ってましたし。ソンビが出るのは通常なんでしょうか。被害者も居なかったわけですし、捨てられた墓場って事でしょう。
死体を捨てる墓場、名も無きゾンビ、なるほど。