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街の人に話しかけてみた。

「なあ、ジュンシュさん。街を散策してみて良いかな」

「ああ、良いですぞ。何かあったら連絡して下され。私が案内しても良いがのう」

「町の中なら安全そうですから、大丈夫ですジュンシュさん。ありがとうございました」

 ジュンシュさんに連絡魔法を教えてもらい俺達とジュンシュさんはそこで別れた。

「さあ、どうしようか鈴」

「そうね。まずは街の人に声を掛けてみましょう? 何だか知らない街ってワクワクするわね」

「そうだな。でもルールも治安環境も分からないからあんまり気を緩めすぎるなよ」

「大丈夫よ。だってここ法令の街なんでしょ。法令の街でルールを破る人なんかいないんじゃない?」

「リンは楽観的だなあ」

 俺達は向かいから歩いて来たダンディーな髭を生やした男性に声を掛けてみた。

「こんにちは。いい天気ですね」

「危険物取扱者とは危険物取扱者試験に合格して、都道府県知事から免状の交付を受けた者を言うんじゃよ。ハッハ」

 そう言って、男性は歩き去ってしまった。

「何だあれ。リン」

「確かにあの人が言っていることは試験に出る可能性がある言葉だけど、違和感が半端ないわね。コミュニケーションが取り辛いわ」

「取り辛いというより、コミュニケーション取れないじゃん」

「しょうがないわね。多分さっきのジュンシュさんみたいな人ばかりじゃないって事は確かね」

「はあっ。別の人にも話しかけてみるか。すいません。ちょっと話を伺っても良いですか?」

「話? 良いぞ。危険物取扱者免状には甲種・乙種・丙種があるんじゃ」

「……おい鈴」

「……気持ちは分かるわ。マサル。でも言っていることは正しいのよ。我慢するしかないのよきっと。ここではこれが普通なのよ」

「普通じゃない事を普通と思わなくちゃいけないのは苦労しそうだなあ」

 俺ははあっ、と溜め息を吐き出した。

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