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新たなる二つの魔法を覚えた。

「そうだな。でも次の魔法は冒険者で金を稼いでからだな」

「マサル殿、もしよろしければ他の魔法の巻物も欲しいだけ買ってよろしいぞ」

「本当ですか!?」

「うむ。幸いここで売っている巻物は安い巻物ばかりじゃからのう」

「じゃあ、人気のある魔法を買いたいです」

「店員さん。人気のある魔法はどれじゃ?」

「ええと、そうですね。人気のあるのは先ほど買われた一類の魔法書以外では第三類と第六類とかは覚えやすいとかで人気ですね」

「じゃあそれを下さい」

「まいどあり!」

 そして俺は第三類と第六類の魔法書をジュンシュさんから買ってもらった。

「さっそく魔法を見せてよ!」

 鈴が目を輝かせながら言った。

「分かった。第三類は自然発火・禁水性の固体又は液体!」

 すると俺の手からシューっとなにやら霧状の物が出てきた。

「何だこれ」

 俺はその霧状の物の臭いを嗅いでその正体に気付いた。

「あっ、これアルコールの臭いだ」

「そうです。第三類の呪文を覚えると手からアルコールが出せるようになります」

 店員が言った。

「へえ、これでいつでもどこでも除菌が出来るんだ。便利だね」

「凄いわ。じゃあ今度は第六類の呪文を唱えてみて」

「了解。ええと、第六類は酸化性で不燃性の液体!」

 すると手から水がピューっと出てきた。勢いとしては子供のおもちゃの水鉄砲ぐらいの感じだ。

「なるほどね。これで脱水症状にはならないわね」

 鈴が言った。

「まあ、期待していた魔法とは程遠い気がするけど、確かにサバイバルでは重宝しそうな能力ではあるな」

「確かにね。火に水に消毒ね。ふふっ」

「でもさ、鈴。第一類と第六類が固体と液体だけの差なんだな」

「そうね。だから私の場合は最初にそこを覚えたわ。第一類は酸化性で不燃性の固体、第六類は酸化性で不燃性の液体。まずはこの魔法書を買ったのは良い判断だと私は思うわ。そして真ん中らへんにある第三類の自然発火性・禁水性の固体又は液体を覚えたのも良いわね。そうやって少しずつ覚えて行けばいいと思うわ」

「そうか。じゃあもう覚えたし、魔法書を見ないで第三類の魔法を披露しちゃうぜ。第三類は自然発火・禁水性の固体!」

 俺が言っても魔法は出なかった。

「あ、あれ。リン。消毒液が手から出ないんだけど。もしかしてMPが切れたとか……?」

 すると鈴はどこか冷たい視線をこちらに向けて言った。

「いいえ、違うわ。マサルの呪文が完璧じゃないからよ」

「嘘だろ。俺は完璧に詠唱したはずだ」

「よく、魔法書を見てみて」

「ええと、第三類は自然発火性・禁水性の固体又は液体……。嘘だろ。又は液体の部分を詠唱しなかっただけで魔法が使いないのかよ! 細かすぎるだろ」

「そんな事はないわ。その細かい部分まで覚えないといけないのよ。そういうひっかけ問題が当然のように試験に出るわ。だから呪文は完璧に覚えておくこと。良いわね」

「わ、分かった。いやあこれは思っていたより大変そうだ。でもさ第一類の呪文で不燃性ってあるけど、燃えないと同じ意味だよな。じゃあ燃えないって言った場合は呪文が成立するのかな」

「そうね。やってみたら良いんじゃない?」

「よしっ。第一類は酸化性で燃えない固体!」

 すると手から炎がボッと出た。

「なるほど、意味が合っていれば呪文としてはこの世界で成立するみたいね」


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