モンスターには魔法は使えない。
「これでモンスターに攻撃する為の有効手段が一つ出来たわね」
「な、何を言っておる。モンスターに魔法を使うなど決して行ってはならぬ行為じゃぞ」
「えっ、どうして?」
「モンスターに炎の魔法などを使ったら、爆発もしくは引火して炎上して大変なことになる」
「た、確かに。危険物ではそうだけど、モンスターに対しても同じだとは思ってもみなかったわ。危険物は攻撃する物じゃなくて管理する物。つまりこの世界でもそれは同様という事ね。ジュンシュさん、この世界でのモンスターの管理方法は?」
「うむ。上手く手懐けて仲間にする事じゃ」
「つまりこういう事だな。自然は破壊する物じゃなくて、共存する物と同じで危険物物攻撃するんじゃなくて、管理、共存する物だと」
俺は言った。
「でも、俺が習うのは危険物乙四類のはず。どうして呪文に一類の文字が出て来るんだ?」
「危険物は一類から六類まであるんだけど、危険物を扱う以上、全体的な基本情報も知る必要があるとの事でしょうね」
「でも、俺が受けるのは四類だろ?覚えても意味ないじゃんか」
「そんな事はないわ。意味はあるわ。何故なら試験にかなりの確率で出題されるからよ。つまりこの世界では魔王が攻撃してくる確率が高い問題。どうやって魔王が攻撃してくるのかは分からないけれど、覚えるのは必須よ」
「うえー、じゃあ一類から六類まで覚えなくちゃいけないのか」
「もちろんよ。でも、ここでは覚えたら魔法が使えるんだから覚えていれば、この世界での冒険が楽になるわ」




