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危険という響き

 危険。それは何て素敵な響きなのだろうか。

 何が男をいや女でさえも、危険という言葉の虜にするのだろうか。思えば人類は誕生してから危険の連続だったに違いない、常に生存競争の中危険と隣り合わせだからこそ、その響きに親近感を抱くとともに、人類が開拓してきた歴史が常に危険や冒険を潜る抜ける事で、人類史を開拓してきた事で危険や冒険と言う響きには恐怖と共にいや恐怖すらも時に上回る程の魔力を秘めているのかもしれない。

「何一人でブツブツ言っているのよ。マサル」

「んあ!? いつの間に俺の部屋にいたんだ。リン」

 今俺の真後ろから声を掛けて来たのは、ふうりん。俺の幼馴染の中国人だ。いや、中国人のような名前だがれっきとした日本人だ。

「何か変な事考えていたでしょう」 

 両腕を組んで、眉間に皺を寄せる鈴だが、本当に怒っているといるのではなく、冗談で怒っているというのは分かっている。こいつとは長い付き合いだからな。

「いや、でもなんでこの部屋にいるんだ? なんでやねん」

「あんたが、この部屋に呼んだんじゃない。というより何で最後、わざとらしく関西弁をつけたの? 馬鹿なの?」

「関西弁を付ける事で場の空気を和ますという俺の気心が理解できないのかね。リンは」

「で、私をこの部屋に呼んだ理由は何?」

「そういえば、呼んだな。だが家に勝手に入るのは不法侵入と言ってだな……」

「何度目よ。このやりとり、あんたが私に家の合い鍵を渡して、勝手に入って良いって言ったんじゃない。家族の公認だとか言って。嫌なら鍵返すけど」

「す、すまん。冗談だ」

「で、何? もしかして告白?」

「そうなんだ。実は俺の髪の毛に白髪が生えたという告白を……」

「じゃあね。私帰る」

「ま、待て……!」

 俺は鈴の腕を掴み、部屋から帰るのを引き留めた。

「な、何よ。」

 鈴は頬を赤く染めている。

「じ、実はだな、俺……危険な男になろうと思うんだ!」

「は、はあ?」

 

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