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思考

俺は適当に走りまわり、ガンドを見つけた。


ガンドは近所の子供たちと遊んでた。


サッカーをしてる。


名前がサッカーかどうかしらんけど。


それにしても楽しそうだな。


人に好かれやすい性格なんだろう。


さらに人がいいからガンドは金を渡し続けたんだろ。


そして、払えなくなって酒におぼれた。


そんなとこだな。


可哀想に。


結局こうなるなら最初から協力してても良かったかもな。


まぁ、一番はあんな奴に会いたくなかったけど。


次はどうしようかな。


あんな奴をすぐには解決できないだろうし。


解決がほとんど無理そうなことばっか押し付けられてる気がする。


はぁ、どうしようかな。


個人的には『ヒール』『マナヒール』と『リバイブ』の大きな違いを見つけたいのと俺の異常な回復力の秘密を知りたい。


『ヒール』は回復した対象のHPの三割を回復する魔法のはず。


なのに、俺は連打してるとはいえ、あんなに体に異常をきたすのはおかしい。


HPバーが存在してたとして100%超えたとする。


それで体に異常をきたしてるとする。


もしかしたらありえるかもしれないけど。


もしそれなら『フルヒール』を二回でほぼ致死量だろ。


でも、この世界で回復魔法で死んだみたいな事は無さそうだしな。


さっきのディアブロの反応からして無さそうだしな。


もしかしたら・・・


もしかしたら・・・


俺も遂に異世界チートを手に入れたのか。


もしくはすでに手に入れてたのが開花したのか。


異世界三日目にして俺は最強になってしまうのか~。


うひょ~。

でも、どういった物なのかしっかり知っておきたいし・・・


この世界に魔法の研究機関みたいなものがあれば・・・


誰かに聞くしかないな。


はぁ~。


なんか疲れたなぁ~。


てか、まだガンド遊んでやがる。


楽しそうだな。


がたいがよくて俺より大人びた見た目してるのに、なんだか少し子供っぽいんだよなぁ~。


でも、そこまで子供じゃないんだよなぁ~。


なんか、子供の目線になれるって感じがする。


まぁ、思考は浅いけど。


「ガンド、ディアブロと話してきたぞ~」


「本当か。すまんな、俺は少し用事が出来た。お前らは自分たちで遊んどけ」


「お前ほんと子供に好かれてるな」


「そうか、こんなもんだろ」


「そうかねぇ~」


「っで、何を話したんだ」


やっぱり興味あるよな。


さて、どう言い訳するべきか。


「まず、落ち着て聞けよ」


「あぁ」


「俺は会った瞬間に恐喝された。そして、クエスト報酬の三割を寄こせって言われた。昔お前も言われただろ」


「あぁ、言われた。でも、みんな払ってるって言ってたし、少し経てば払わなくていいって言われたから払ってたんだ」


「そして、金が底を尽きたんだろ」


あはれなり。


おぉ、あはれなりガンドよ。


「いいや尽きてない。シュースケと会った時酒飲んでただろ」


「でも、あの店金後払いだろ」


「まさか、食い逃げしてきたのか」


「いっ、いや~。追われてたし」


「今から支払いに行くぞ」


「おい、ちょっと待てディアブロがいるんだぞ」


「明日朝早くに行くぞ」


「そうだな」


「ところで世界中のどこかに魔法研究してるとこってあるのか」


「あるぞ」


「どこだ」


マジか~。


あるのか~。


これで俺の異常な回復魔法の秘密が分かる。


やってぜ。


これで俺のチートが世界中に広まり。


あっちの世界で出来なかった彼女が遂に・・・


遂にできる~。


うひょ~。


「この国の三つ隣だ」


「マジで」


「マジだ」


「三つて言っても本当はすぐそこなんだろ」


「あぁ、二つはかなり近い。止まらなかったら一週間もあれば着く。現実的に考えれば一ヵ月かからないくらいだろう」


「最後の一つは?」


「海を越える」


「期間は?」


「海だけで一ヵ月以上かかる」


これは行くしかない。


二か月くらいかかるけどまぁいいだろ。


二か月頑張れば彼女が出来るんだから。


「よし、向かうぞ」


「あの村の村長の依頼はどうすんだ」


「知るかそんなもん」


「本気で言ってるのか」


「一回寄ってから行くぞ」


「そうだな」


よし、俺の彼女作るぞ計画が進行するぜ。


俺は過去は振り返らない。


ノエルも受付嬢も・・・


俺は理想だけじゃ彼女が出来ない事を理解したんだ。


俺は彼女を作るぞ~。

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