ディアブロの真実
街に戻ると俺たちはすぐに教会へ向かった。
クエスト完了の証明書をもらうために向かったのだ。
シスターはいなかったが代わりの聖職者の方が対応してくれた。
すぐに証明書は貰えたが、シスターがいない事に違和感を感じた。
怪しいな。
あの植物でも使って何かまた実験でもしてるのか。
あぁ、ちょっと気になるなぁ~。
でも、深く踏み込んで俺が何かの実験体になったらいやだ。
やっぱり、関わるのやめとこ。
詮索してあの気味悪いシスターのおもちゃになりたくないし。
よし、さっさとギルドにクエストクリアしたことを証明してもらって金貰うか。
「ガンド次はギルドに行くぞ」
「俺はいい」
「いつまでもディアブロから避けてても何も起こらないぞ」
「今回は・・・・」
「はぁ~、分かった。次からは少しでも努力しろよ」
「あぁ」
思ってもなかったけど、一対一で話す機会が出来たな。
まぁギルドにいなかったら無理だけど。
てか、いないといいな。
もめて俺の立場が無くなっても嫌だし。
いませんように。
「おかえりなさい」
ギルドの扉を開けると受付嬢が出迎えてくれた。
さすがに昼頃だ。
ギルドの冒険者らしき人はほとんどいない。
ここの冒険者向上心高いな。
宿代もかなり安いのに。
他に何かあるのか?
まぁ今んとこはいいか。
「クエスト終了しましたか~」
「はい。これどうぞ」
「了解しました~。少々待ってて下さいね~」
「はーい」
適当なとこ座って待っとくか。
それにしても人がいないギルドって落ち着くなぁ~。
隠れた知る人ぞ知る喫茶店みたいだ。
俺も周りの人みたいに何か飲もうかな。
メニュー・・・メニュー・・・っと
おっあった。
「今回も楽にクリア出来たね」
「ディアブロさんのおかげですよ」
「そんなことないよ。皆さんの力あってこそですって」
ギルドの入り口にはディアブロと愉快な仲間たちがいた。
うあぁ~。
目そらしとこ。
どうせ俺の事も忘れてるだろうし。
見つからなければ大丈夫だろ。
てか、なに飲もうかな。
コーヒーみたいなのあるかなぁ~。
「おい君」
「よし、このブラウンシェイク飲むか」
「君聞いてる」
「すいませ~ん」
「無視しているのかい」
「あっ、このブラウンシェイクお願いします。えっ、一つで以上です」
「無視してるんだね。ならこっちにも考えはあるさ」
はぁ~。
だるい。
無視してるんだからほっといてくれよ。
っち。
「いえ、無視なんてしてませんよ。俺耳悪くて」
「そうだったんですか」
「何か用ですか」
「いや、ガンドを見かけねいから君が知ってるかと思って」
「その、ガ、ガンドって誰ですか」
「あの、酔っていた人ですよ」
「そんな人いましたっけ」
「君は耳も悪かったら物覚えも悪いのか」
「いや~、きっとそうですね」
さっさとどっか行ってくれないかな。
マジでめんどいんだが。
あっ飲み物きた。
どんな味なんだろう。
楽しみだなぁ~。
おっ、コーヒーとはちょっと違うけど結構いけるな。
上手い。
今度からこれを頼むか。
「じゃあ、ガンドの事は聞かないよ」
「ならよかった。無関係の人に突っかかって来るヤバいやつでしたからなあんた」
「そういう言い方をするんだね」
「あははは、何言ってるんですか~」
てか、周りの奴がちょっとづつ近づいてくるんだけど。
まさか俺しめられるのか。
いやだなぁ~。
「きみ~そういう態度に出るの」
「ん~?」
「ッチ、まぁいいよ。ところでこのギルドでは暗黙の了解があるんだけど」
「へ~、受付嬢とかも知ってますか。ギルド関係者が知ってるんですよな」
「それはどうだろうね」
「なるほど、だからあんたのおつきの人たちが俺の回りを少しづつ囲ってきてたわけか」
「なんだ、分かってるじゃないか」
「そりゃ気づくでしょ」
「なら話は早い、ちょっとついて来いよ」
「はぁ~。分かりました」
「じゃあこっちだ」
まだ飲み終わってないブラウンシェイクに悲しさを覚える。
結構美味しかったのに。
あぁ、ブラウンシェイク分の金返せよ。
あれギルドの宿泊より高いんだぞ。
いや、宿泊が安すぎるだけか。
てか定番通りに外出んのかよ。
裏路地か。
おぉ、裏路地か~。




