ネトゲはほどほどに
ヒーラーはパーティーにおいてかなり重要な役割を持つ職業だ。
タンクをヒールしながらもヘイトを自分に集めすぎないようにしなくてはいけない。
少しでもミスればパーティー崩壊の危機もあり得ると言えるだろう。
大概の人間はネトゲでこの職業を選びたがらない。
しかし、俺はヒーラーになった。
陰でパーティーメンバーを支えながら高難易度のクエストをクリアしたときには脳汁がドバドバ出てくる。
蘇生魔法も自分が死ぬ瞬間に発動させ、復活するのはかなり脳汁が出る。
だから、俺はヒーラーになった。
でも一つ問題があった。
ネトゲ中毒になってたんだ。
本当に少しだけだからな。
今日も今日とてネトゲをしていると、大きな揺れを感じた。
かなり大きな地震と体感で分かったけど、今ここで避難してしまえばパーティーが壊滅する事が瞬時に理解出来た。
そのため、後ろの本棚が倒れようが机が壊れようがネトゲをやり続けた。
そして、何とかクエストをクリアし、ガッツポーズをした瞬間天井が目の前にあった。
その瞬間、俺が叫んだ言葉は『リバイブ』だった。
我ながら死ぬ瞬間に蘇生魔法を唱えるのはなかなかのものだと思う。
そうして、この俺「鈴谷周助」の地球での一生を終えた。