植物の生態系
少し時間は逆戻る。
「お主着いたぞ」
「あ゛あ゛ああ、あああっ着いたのか。って、でっか」
「そうじゃろ。わしらはこれから食べ物を受け取ってたんじゃ」
「よくこんなやつから取ろうと思ったな」
「いや、昔はもっと小さかったんじゃ。普通の木より少し小さいくらいじゃったんじゃよ」
「本当か」
「当たり前じゃ、そのあと全く見てなかったがこんなに大きくなっとはな」
「えっ、それは嘘だろ」
「なんでじゃ」
「この山歩き慣れてたじゃん」
「それは気のせいじゃよ。体が若返っとるからじゃ」
「そんなもんか」
「そんなもんじゃよ」
「まぁいいや」
「っで、どうするんじゃ」
「一回魔法撃ってみていいか」
「いいが全て吸収されて終わるぞ」
「別にいいよ。試したいだけだから」
「そうか、好きにするんじゃな」
「そうさせてもらう。『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』『マナヒール』『マナヒール』『マナヒール』」
どうだ。
成長するか。
成長しきって枯れるか。
どっちだ。
「お主何したんじゃ」
「何か変化あたのか」
「こっちに来るんじゃ」
少しでも枯れたのか。
枯れていてくれ。
頼む。
俺が爺のところに行くとあり得ない太さの植物があった。
太さだけで東京ス〇イツリーくらいあった。
その太さを確認しているうちに音を立てながら上へ伸びだした。
そして、高さはワン・ワールド〇レードセンター程にもなった。
簡単に言うと500メートルはあった。
「お主なんてことしてくれたんじゃ」
「いや、ほんとすまん」
「前より凶悪さ具合が上がっとるように感じるんじゃが」
「そう言われても・・・」
「大きくなっても対して変わらんじゃろ」
「そうだといいがな」
「お主協力は多少でいい、だがこれは約束してくれ」
「なんだよ」
「お主が毎月食料を持ってきてくれ」
「もっと直接言えよ。毎月教会の情報を持って来いって事だろ」
「その通りじゃ」
やっぱりな。
情報屋やれって事か。
あと、俺が『ヒール』で食料の品質とかでかさとか変えたのを勘づいているのかもな。
まぁ、もしかしたらこの植物を告発すればこの村は助かるかもな。
でも、教会によって救われている人もいる。
どうすればいいんだ。
「どうして黙りこくよって」
「なんでもない」
「そうか、っでどうするんじゃ」
仕方がない、少しは手伝っておくか。
もしかしたら、他の解決策を見つけれるかもしれないしな。
これで一回ガンドの事が後回しになるが仕方がないだろう。
そう言って言い訳しとくか。
どっちが解決しやすいかって言われると両方無理な気がせんでもないが。
「分かった。手伝うよ」
「そうか。頼りにしとるぞ」
「任せろ」
「それと、来るたびに若返らせてくれ」
「いやだよ」
「じゃあここに来るためにわしを背負ってくれよ」
「任せろ『ヒール』で体バキバキにしてやるよ」
「楽しみにしとるぞ。それと今からかけてくれ、なんだか疲れてきたんじゃ」
「任せろ『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』」
「がっ゛」
爺が倒れた。
いや、きっと立ち上がるだろ。
城の時もぶっ倒れてから少し経ってから立ち上がったし。
でも、前の『ヒール』の負担が残ってたら・・・
俺爺背負って戻るの無理なんだが・・・
はぁ~。
意地でも待つか。