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ヒールのやりすぎは体に毒です!!  作者: 隠月
初めてのクエスト
17/49

真実

「おい、起きろ」


「あ゛あ゛」


「起きんか」


「誰だ。てか、俺生きてるのか」


「当たり前じゃろ」


「何が当たり前じゃろっだ」


あの高さだったら絶対に死ぬだろ。


頭湧いてんのかこのクソ爺。


「ここには風の魔法が設置されておるんじゃ」


「どういう事だ」


「落ちてきたらここで逆風にあたり、全ての威力を無くすように出来ておる」


「凄すぎだろ。もっと別のとこでも使えよ」


「だが、ここの空間以外では難しいんじゃ」


「なんで」


「ここは風がほぼ吹かない。さらに魔力が蓄積されているため。強力な魔法が持続して使えるんじゃ」


なるほど。


かなり、奇跡に近いんだな。


魔力消費もえぐそうだし。


一般人が使うのは大変そうだ。


貴族なら普通に使えそうだけどな。


金使いまくって風魔法使うやつ百人くらい用意すれば。


現実的じゃないか。


「それで、ここで話すのか」


「いいや、この先で話す。ついて来るんじゃ」


そう言えば『キャンセル』って何だったんだ。


まさか、全ての魔法を『キャンセル』するわけじゃないと思うけど。


てか、強すぎ。


誰だったんだろう。


もし、爺の仲間だったらめんどいから何も言わないでおくか。


クソ、敵陣一人で特攻する奴の気持ちが分かるぜ。


この爺との相性が良ければよかったのに。


流石に殺すのは嫌なんだが。


仕方がない時はやるけど。


はぁ~、逃げて~な~。


「ここの(ほこら)の中で話す。入るんじゃ」


「あぁ、分かった。村長から入ってくれ」


「別にいいが、そんなに警戒することないぞ」


「それはこっちの心理的問題だ」


「そうじゃな」


「じゃあ村と教会についての事教えてもらおうか」


「いいじゃろう。しかし、よくお主は首を突っ込んできたな」


「いや、気になるだろ」


「そう言うもんかのう、大体の者は色々と察してもうこの村に来なくなるんじゃが」


「そうか~、うん。よし、帰るわ」


「何言ってるんじゃ。ここに来てる時点で話を聞く義務がある」


「そんな~」


終わった。


これはヤバい流れだ。


絶対に面倒ごとに巻まれる。


あぁ、神よ我を救いたまえ。


まぁ、神なんて信じてないけどな。


「それじゃあ、話すとするか。観念して話を聞くんじゃぞ」


「分かったよ」


「それでいいんじゃ」


「じゃあ話をしてくれ」


「あぁ、そうだな。まずこの村は農作物がよく取れたんだ」


「じゃあどうして、こんなにも貧困しているんだ」


「とある種をまいた奴がいたんじゃ。その種によってさらに食料が増えたんじゃ」


「ならいいじゃないか」


「それもつかの間、ここ一帯の木々が枯れだしたんじゃ」


「なるほど、つまりその種が周りの栄養を吸収したって事か」


「その通りじゃ」


「なるほど、そこまではなんとなく分かってた。じゃあ何でこの土地を捨てて違う場所にすまない」


「それは教会が問題しておるんじゃ」


「何か脅されたのか」


「そう言うわけじゃないんじゃ」


「ならどうして」


「交換条件を出されたんじゃ」


「どんな?」


「まず、お主も知っている食料提供。それと、植物の排除じゃ」


「植物って栄養吸収するやつか」


「そうじゃ」


「別にそれくらいなら、土地変えてもいいんじゃないか」


「それがのう・・・」


「何か隠してるのか」


「先ほどの装置見たじゃろ」


「あぁ、風の奴か」


「そうじゃ、この村には古くからああいった物がいくつもあるんじゃ」


「つまり、あの装置を動かすことも出来ないし、あの植物を無くしてくれるならここにとどまろうって事か」


「そうじゃ」


「でも、全く植物無くなってないじゃないか」


「それがのう、教会は植物の研究をしだしたんじゃ」


「まぁ、除去するには仕方がない事かもしれないだろ」


「わしらもそう思っておったんじゃ。じゃが違った、あやつらはあの凶悪な植物を改造してありえないものを作り上げたんじゃ」


「それは一体・・・」


「魔力吸収魔術じゃ」


「どういう事だ」


「あの植物を触媒に魔法を撃つと撃った魔法がまず『キャンセル』されるんじゃ」


「えっ」


マジかよ。


じゃあ落ちてる最中に起きた事って。


でも、俺は一体どうやって『キャンセル』されたんだ。


まさか、気づかぬ間にその植物を持っていたのか。


いや、それはない。


俺はあの時杖しか握っていなかった。


なら、どうやって。


クソ今考えても分からん。


「どうかしたのか」


「いや、なんでもない」


「そうか、なら続けるぞ」


「そうしてくれ」


「そうしてお主らが来たというわけじゃ。だが、もう一つ教会が何か隠して居るようにわしは思う」


「それは十分あり得るな。あのシスターは何かおかしい」


「そうじゃろ、わしもそう思う」


あのシスターにかけられた魔法何か効果があるはずだ。


意味が無いのに撃つはずがない。


いや、無くてもいいのか。


あの植物さえあればどんな魔法も魔力吸収になるんだから。


でも、それでもおかしいならどうして俺はあんなにもシスターにぞっこんしてしまったんだろう。


もしかしたら、植物には色々な用途があるんじゃないか。


それ以外考えられない。


「もしよかったらお主わしに協力してくれんか」


いや、どうしようかな。


完全に手伝う流れだけど・・・


あの教会相当大きかったしなぁ~。


もしかしたら消されるかもしれないし。


でも、植物にはめっちゃ興味あるしなぁ~。


そうだ、まずあの植物を見せてもらう事にしよう。


「そうだな、まず植物を見せてくれないか」


「いいじゃろう、しかし見たからには少しでも手伝ってもらうからな」


マジか~。


ここまで来てやっぱりいいですって言いづれ~。


はぁ~、仕方がないか。


「分かった、ちょぉぉぉぉぉっとだけ手伝おう」


「もう少し多く手伝うんじゃ、それじゃ全く手伝わんじゃろ」


「ッチ、しゃあねえ。ちょっとだけだぞ」


「こんなに聞いておいて、その態度はどうやったらでるんじゃ」


「いや~」


「まぁ、いいこっちじゃ」


「おう」

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