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ヒールのやりすぎは体に毒です!!  作者: 隠月
初めてのクエスト
14/49

俺の『ヒール』は!?

出発から三十分経ったがやはり人間は人間だ。


街なんて見えてこない。


まぁ、別に楽だからいいんだけど。


そう言えば、名前何て言うんだろう。


「おい、名前何て名前なんだ」


「俺か、俺はサルコメア、サルコメア・ガンドだ」


「そうか、よろしくガンド」


「おう、お前は」


「俺は鈴谷周助だ」


「シュースケよろしく」


「あぁ、じゃあ引き続き頑張ってくれよ」


「おう、任せろ」


「頼りにしてるぜ」


こいつちょろいな。


これじゃあ、適当に使われて捨てられるわけだ。


まぁ、俺もそうするけどな。


だってこいつ暑苦しいし。


もっとクールで頭脳系と仲間になりたいな。


もしくは暑苦しくない主人公がいいな。


楽そうだし。


「少し聞いていいか」


「別にいいけど」


「どうして、酔いつぶれてた俺に話しかけたんだ」


「別になんとなくだよ。なんとなく」


「だって、昨日から誰も俺に話かけなくなったんだぞ」


「そうなのか、俺は新人だから分からん」


「そうか、ならシュースケはラッキーだな」


「なんでだよ」


「見るからに、シュースケは魔術使いだ。俺は根っからの近接型だからな」


「そうか。なら頼りにしてるぞ」


「おうよ、任せろ」


「じゃあ俺からも質問だ」


「おう、何でもこい」


「なぜみんなから無視された。何かしたんじゃないか」


「あぁ、確かに何かしたかかもしれない。でも、昨日合ったことはパーティー脱退させられただけだ」


「その理由さえ分かれば無視されなくなるかも知れんぞ」


「そうか、なら聞いてくれ」


ガンドは台車を止め、俺の方へ歩いてくる。


かなり、真剣な眼差しだ。


はぁ~、めんどいパターンか。


しゃあないか。


もし、想像通りならめんどくさいしな。


「全てを話すと長くなるが簡単に言うと元いたパーティーのトップはディアブロってやつなんだ。そいつは俺があの街に来た時、最初は優しかった。仲間も多くて良くしてくれたんだ」


多分だけど、あいつだろうな。


でも、なんとかしてくれって言われたらめんどいなぁ~。


ここで聞くのやめようかなぁ~。


でも一応聞いとくか。


「その、ディアブロってどんな見た目だ」


「優しそうな顔つきに高そうな装備の数々多くの仲間。信頼も厚くて凄い良いやつだ」


絶対朝の奴だな。


これはさっさと手を引いて関わらんとこ。


絶対に巻き込まれたらあいつの事()らしめてくれとか言われそうだしな。


「分かった。ガンドもまだ言いたいことがあるだろうけど、後は自分で考えてくれ」


「えっ、聞いてくれないのか。さっきまで興味深そうに聞いてたのに」


「いや、ここは一度自分で考えて行くべきだ」


「でも・・・でも・・・」


「よし、行くぞ。このままだったら着くころには昼を過ぎるぞ。あっちで、もろもろ何かするだろうし、さっさと行くぞ」


「あぁ、分かったよ」


よし、これでひとまず大丈夫だろ。


寝たふりでもしとくか。


この台車そこそこでかいし、うずくまってれば寝ころべるだろ。


ガンドに任せてほっとくか。


楽しい異世界生活続けたいからな。


極力は厄介事に巻き込まれたくないしな。


そう言えば俺の『ヒール』人に撃ったことないな。


いっちょガンドに撃ってみるか


「『ヒール』」


「シュースケ何か言ったか」


「別に」


「そうか、よしいくぜ~」


いきなり台車のスピードが上がった。


えっなんでだよ。


ガンドそこそこ疲れたじゃん。


どうして、いきなりスピード上げんだよ。


俺に話聞いてもらえなくて怒ってるのか。


「ガンドどうしていきなりスピード上げるんだよ」


「どうしてだか分からんが、いきなり体が軽くなったんだ疲れも一気に無くなっていくらでも走れるぞ」


「分かったからスピード落とせ速過ぎるって」


「ははは、任せろ」


「何が任せろだぁぁぁぁぁぁ・・・・・」


「はははは」


こいつ、なら『ヒール』かけまくってもっと元気にさせてやる。


「『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』『ヒール』」


「あ゛っ」


「えっ」


ガンドがいきなり倒れた。


「おい、大丈夫か」


めっちゃ苦しそうにしている。


心臓押さえてるし。


まさか、『ヒール』のかけすぎで体が異常な量回復されたために、逆に体に異常をきたしたのか。


まるで花粉症みたいだな。


でも、このままだったらガンド死ぬぞ。


どうすればいいんだ。


多分『ヒール』したら死ぬだろうし。


とにかく台車に乗っけて俺が台車引くしかないか。


俺だって『ヒール』自らにかけたら異常なスピードで走れるだろ。


「『ヒール』」


おぉ、マジで体が軽くなった。


これでガンド程とはいかないけどましなスピードは出るだろ。


でも、その前に『ヒール』で使った分のMP回復できるか『マナヒール』使ってみるか。


あんだけ過剰な『ヒール』が出来るんだからMPだって回復するだろ。


「『マナヒール』」


おぉ、なんだか頭が冴えてきた。


これがヤクを決めるって感じか。


これもかなりヤバいな。


何回も撃ったらそいつ死ぬな。


でも、これならモンスター倒せそうだな。


これが怪我の功名って事だな。


ラッキー。


まぁ、まずは【ゴエティア】に向かうか。


てか、ガンドおっも。


腕ちぎれる~!!






数十分後俺は台車に座っていた。


やっぱり、人間には限界があるな。


自らに『ヒール』かけすぎて倒れたくないし。


ガンドはぶっ倒れたままだし、これからどうしたらいいんだ。


早く届けないとここの食料も腐る可能性あるしな。


一応『ヒール』かけとくか。


「『ヒール』」


野菜は二倍くらいのでかさになった。


肉は完全に質が上がってる。


飲み物は何かキラキラしてるし。


これ逆に食べづらくないか。


重さも絶対重くなってる。


ガンド起きなかったら先に進めないじゃん。


「ガンド起きろって。お前がいないとクエスト終わらないんだぞ。俺の事助けてくれるんだろ」


全く反応なしか。


はぁ~。


「『マナヒール』」


「あ゛あ゛」


おう、少し反応あった。


いきなり、脳に直接刺激が来たら流石に反応するか。


「起きたらガンドの事手伝ってやるから起きろよ」


「い゛った゛か゛らな゛」


「おう、頑張ってくれよ」


「任せろぉぉぉぉぉ・・・・・・・」


まるで獣だな。


こいつのことよく捨てたな、ディアブロ。


あいつどんだけ強いんだよ。


「シュースケちょっと待ってくれ。俺も本気出すから『フォリー』」


「なんの魔法なんなんだ」


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・・・・」


「大丈夫か」


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・・・・」


こりゃダメだ。


まぁ、頑張ってくれるならいいか。


『ヒール』の時みたいなスピード出てるな。


体への代償は凄そうだ。


あとで、一回だけ『ヒール』かけてやるか。


はぁ~、疲れたから寝よっと。

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