教会のシスター
クエストの目的地は教会だった。
教会はかなり分かりやすかった。
他の建物よりもかなりでかかった。
まぁ、ギルドの方がでかいけどな。
よし、入るか。
「すいません~」
「神のご加護があらんことを」
「ありがとうございます!」
なんだあいつ、号泣してやがる。
何があったんだ。
シスターしかここにはいない事から、多分あのシスターが何かしたんだろう。
まぁ、俺に関係ないからいいか。
「あのすいません、この事で」
受付嬢がくれた一枚の紙を見せる。
シスターは何も言わず奥に引っ込んでしまった。
何なんだ。
何か言えよ。
自分がキレイだからって。
てか、異世界顔面偏差値高いな。
あっちのやつらブスばっかだったからな。
「こちらになります」
シスターがでかい台車を引いてきた。
なんだあれ量多くないか。
日帰り出来なそうだなぁ。
簡単そうだからって舐めてた。
最悪だ~。
どうしたらいいんだ。
ギルドの宿泊費もったいないじゃん。
はぁ~。
受けたもんは仕方がないけどさぁ~。
「これを村長に渡せばいいんですね」
「そうです。お願いしますね」
「分かりました。ありがとうございます」
「少しお待ちください。『ソルテ』」
「何をかけたんですか」
「ふふふ、あなたの未来へ『神のご加護があらんことを』」
「はい、ありがとうございます」
なんだか、心が浄化されていっているような気がする。
気のせいだろうけど。
でも、なんだか体が不思議な感覚だ。
なんだか、体が軽い。
「いってらっしゃいませ」
俺に向かってニコリとシスターが微笑んでくれた。
「行ってきます」
なんだか、涙が出てきそうだ。
絶対にさっきの魔法俺へのバフだったんだ。
嬉しい。
あのシスター・・・貢ぐしかない。
ほとんど毎日通って俺はあの人を一生の推しにする。
クッソ、シスターじゃ無ければ。
俺は台車を押しながら村へ向かうことにする。
だが、その前に行くところがあったな。
ギルドに行かないと。
「あのすいません。昨日三日分払ったんで一日分返してください」
「すいません、三日分の値段で払われたので返すことは出来ません」
「そんなぁ~。そこをどうにかお願いしますよ」
「そうは言われましても、決まりですので」
「だって、俺昨日冒険者なったばかりの新人ですよ。お金無くなって死んだらどう責任取るんですか」
「いや、冒険者になる時に紙にサインしませんでしたか」
「えっ知りませんけど」
「そんなはずは・・・少々お待ちください」
まさか、フレアかノエルのどっちかが勝手にやったのか。
そう言う事はしっかり伝えとけよ。
地味に抜けてるな。
「ありましたよ、ほら」
俺の名前が書かれている紙を渡された。
「まだ昨日の事だったので紙が合ってよかったですね」
「はい、どうも」
「では、そう言う事なのでクエスト頑張ってくださいね」
「あっ」
受付嬢は一度ギルドの奥に行った。
逃げただろ。
絶対逃げただろ。
クソが~。
でも、クエストクリアすれば銅貨三十枚貰えるから何とか生きていけるか。
でも、持ち金が・・・
手持ちの皮の袋の中には銅貨五枚入ってる。
うぅ、ひもじい。
仕方がない、さっさとクエストクリアするしかない。
よい、行くぞ。
ギルドの外に置いている台車に向かう。
「おい、待ちな」
「誰だよ」
俺が振り返ると一時間ほど前に適当にあしらった男がいた。
「お前困ってるそうだな」
「何だよ。酔っ払い」
「お前俺にかまってくれただろ。た゛か゛ら゛お゛れ゛は゛おんがえし゛し゛ょうと゛おもって゛」
「泣くなよ」
「た゛って゛」
「そう言えばどうして仲間に捨てられたんだ」
「言えるか」
「分かった。俺の事を手伝ってくれ」
「別にいいが。突然なんだよ」
「かまって欲しいんだろ」
「まぁ」
「なら来い」
「おうよ」
名前も知らんが使えそうだから使ってやる。
いつかボロだして、捨てられた理由教えてくれるだろう。
それに、異常に体付きいいし。
早くクエスト終わるだろ。
「これ運んでくれ」
「いいぜ」
台車を引いてくれるなんていい牛じゃない、いいやつだ。
「よし、行くぞ。向かうはは隣町【ゴエティア】だ」
「任せろ」
俺はもちろん台車に座った。
これで今回のクエストは楽勝だな。