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ヒールのやりすぎは体に毒です!!  作者: 隠月
初めてのクエスト
11/49

装備 買います!

ギルドを出て俺は武器屋を目指すことにした。


しかし、大きな問題点にたどり着いた。


文字が読めん。


どうすればいいんだぁ~。


看板には何かの模様があるが大体何を表しているか分からん。


たまにポーションだったり、クツだったりして分かるのだが、ボールと枕の模様が合わさっている模様もあった。


それは本当に中を見ないと分からなかった。


中には四角い箱からシャボン玉みたいなものが出ているアイテムが売っていた。


本当に何か分からない。


一体何に使うか想像すらつかなかった。


まぁ、俺が使う事は無さそうだ。


きっと武器屋の看板の模様は剣だったり盾だったりするはずだ。


そんな看板を探し出すしかない。


人に聞けって思うだろう。


俺もそう思う。


だが、周りから変人を見る目で見られる。


最初は話しかけようとしたがことごとく逃げられてしまった。


子供に話しかけようとしたら真っ白の甲冑を着た男が近づいてきた。


あれは絶対に警察の類の人間だった。


体が完全に警告を出していた。


これは絶対に合っているはずだ。


そんな事があり俺は一人でずっと上を向いている。


寂しいな~。


早く見つかってくれよ~。


俺が上を向いて歩いていると、すぐそこの店から金色の甲冑を着た男が出てきた。


「おやじありがとよ」


「任せなサー坊。また来いよ」


「おうよ」


金色の甲冑男は気質(かたぎ)の男に礼をしたあと、金の剣を持ちどこかへ走って行った。


てか、全身金とか趣味悪すぎだろ。


あのいかついおっさん完全にアニメとかラノベに出てくる武器屋のおっさんだったな。


こんな事ってあるんだなぁ~。


よしっあの店に入るか。


「いらっしゃい」


「ここ武器屋であってますか」


先ほど金甲冑男の相手をしていたおっさんに話しかける。


「あぁそうだぞ。ここは【ちぇりー】俺自慢の武器が揃ってる店だ」


「ちっ【ちぇりー】!?店の名前【ちぇりー】って言うのか」


マジかよ。


おっさん、その見た目で店の名前ピュアっピュアじゃねぇ~か。


その心意気に俺は敬礼するぜ。


「なんだ、お前俺の店の名前に文句あんのか」


「ないよ、逆に尊敬までしている」


「そうか、いい名前だろ」


「本当にすごい名前だ」


「そうだろそうだろ、俺がまだ冒険者になったばかりの奴向けに作った店だからな」


なるほどそれで【ちぇりー】か。


なかなか考えてるんだな。


下ネタ寄りだけどな。


「俺冒険者になったばかりなんだ。だからこのお金で最低限見繕って欲しいんだ」


銀貨を一枚おっさんに渡す。


「あんた、黒髪と白髪のネコミミ生えた姉ちゃんに助けてもらっただろ」


「えっ、どうして分かったんだ」


「だってよ、新人が銀貨一枚持ってこれる分けないだろ。大体の奴は合計で銅貨五十枚ってところだが、なぜかあの二人だけ銀貨渡すんだ。あんたラッキーだな」


やっぱり、二人は相当優しいんだな。


でも、どうして出会ったばかりの奴に銀貨一枚も渡すんだ。


見返りがあるわけでもないのに。


あの二人が相当のお人よしには見えない。


優しいのは分かるが、やりすぎな気がする。


まぁ、また会った時にでも聞くか。


「っで、どのくらいの装備は揃うんだ」


「あんなの職業によるが剣なら鉄に、皮の装備一式だ」


「そんなにも揃うのか」


「まぁ、俺の店が安いってのもあるがな。でも、高いのも結構あるんだぜ」


「おっさん、ありがとう。俺はヒーラーだから杖をくれ」


「杖か~」


「なんだ、杖だとなんかあんのかよ」


「あんた、そんな事も知らないのか」


「なんだよ」


「魔術ってのは杖から放つだろ。その時に支えになるのがこれだ」


なにかをおっさんが取り出し俺に手渡して来る。


キラキラ光る、石か。


別に宝石でもなさそうだし、なんなんだ。


「それは魔石だ」


「魔石?なんだそれ」


「錬金術師が作り上げた最高傑作だ」


「錬金術師何ていっぱいいるだろ。そんなに高くないだろ」


「錬金術師は確かに多くいる。しかし、その中でもこれを作れるのはごく一部なんだ」


「つまり、杖は高いって事ね」


「そう言うこった」


「でっ、いくらになるんだ」


「一番安い杖と一番安いローブ一着だ」


「そのローブ防御力あんのか」


「1くらいはあがるぞ」


マジかよ、でもそれでも羽織ってないと、仲間に入れてくれなそうだしな。


買うしかないか。


ローブなら魔力少しくらい上がってもおかしくないしな。


「よい、買うぞ」


「そうか、じゃあこれにサインしてくれ」


「おう、分かったぞ」


何て書いてるか分からんが、まぁいいだろ。


でも、そう言えばどうやってここやり繰りしてるんだろ。


安く売ってたら潰れそうでもおかしくないのに。


結構綺麗だし。


何かやってんのかなぁ。


「よし、サイン書いたぞ」


「よし、オッケーだ。これで、お前はこの店と契約したからな」


「えっ」


「えじゃない、ここに書いてるだろ」


おっさんは紙の下の方を指さす。


小さな文字で何か書いてある。


何て書いてるんだ。


「ここに、俺とこの店との契約が書かれている。毎週一回は俺の店に顔出せよ」


「はい」


はめられた~。


絶対来たら金取られるじゃん。


これでも、儲けてたのか。


ヤ〇ザじゃん。


クソだ~。


見た目からして〇クザだと思ってたけど、本当にヤク〇だとは思わないじゃん。


「ここに来たら俺何されるんですか」


「そりゃもちろん冒険者ならそういうことだろ」


「つまり?」


俺の質問におっさんがニヤリと笑った。


やっぱりだ。


絶対金せしめ取られるんだ。


最悪だ。


何でこうなるんだよ。


「武器の手入れだよ」


「え?」


「えじゃねえよ。冒険者たるもの自らの得物の手入れをするのは当たり前だろ」


「そっそうですね」


よかった~。


金をせしめ取られるわけじゃないんだ。


マジで終わったと思った。


見た目以上にこの人は優しんだな。


店に【ちぇりー】って名づけるだけはあるぜ。


「分かったか。ちゃんと来るんだぞ」


「はい、来ます」


「そうだぞ、それまでの間しっかり金稼いでおけよ」


「頑張っときます」


「よし、行ってこい」


おっさんは俺の背中を思いっきり叩いた。


めっちゃ痛い。


こいつ、武器屋じゃなくて本当はかなりの腕前を持つ元冒険者とかじゃないだろうな。


背骨折れたかと思ったぞ。


「じゃあ、行ってくわ」


「そうしな、あんた早いとこ仲間見つけろよ」


「おう、頑張るぜ。あと俺は周助って名前あるから」


「そうかならシュー坊頑張って来いよ」


「おう」


おっさんは俺に手を振ってくれた。


なんか、小学校の時の見送りみたいだな。


なんか、すげーはずい。


まぁ、応援されて嬉しいけどな。


今度こそ仲間探し始めるか。

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