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第38.5話「まだ見ぬ彼女の部屋」

「……」


ふと、気がつくと……転生する前にいたあの

白い空間に俺は立っていた…なんていつものことか。


そして、今目の前に女神がいたことも分かり切っていた。


「…チッ」


「露骨に舌打ちしないでくれませんか!?」


そういって女神は前の夢と同じくポカポカと叩いてくる。その動きが全く同じ動きだったことから、プログラムか何かが組み込まれているように見えた。


「仕方がないだろ。俺お前のこと嫌いだし」


「わ、私だって嫌いですよ!あなたみたいなド変態なんて!!」


露出度が高い服装を着ている女神の方が変態なのでは…?と思ったが、あえて言わないでおく。


「んで、俺はなんでここにいるんだっけ」


「あ、スルーしないでください!」


「黙れカス」


「ひ、ひどい…」


その言葉がよっぽとこたえたのか、女神は顔を伏せる。


「私…女神なのにぃい……この世界を管理する偉いひとなのにぃ…」


「……」


このいじけモードの女神は何かとめんどくさい。…まあ、俺にも責任はあるか。


「えーと、なんだ。やりすぎたよ…ごめん」


「……っ、初めからそうやって謝れば良いのです!私は偉大なる女神ですから!!…偉大?偉大です!」


せめて、偉大?はやめてくれ。一気にカッコ悪くなるから。


「……はっ!」


ここで、彼女は何かに気づいたように目を開く。


「ん?」


よく見てみると、彼女はどこか頬を赤らめて胸を守るように腕を組んでいた。


「どうしたよ、お前」


「どうしたじゃ、ありませんっ!!」


女神は何故か顔を完熟トマトのように赤らめて湯気が出そうな勢いだった。


「思い出しました…ま、前……私の胸を揉んだでしょう!?」


「ああ…まーうん」


「は、はじめてなんですよ!? 責任取ってくださいっ!!」


うむ、その言い方だと100%誤解されるよね。


「責任ってどう取るんだ?」


「ふぇ?」


「俺責任取り方分からないんだよ。なぁ、教えてくれよ」


あえてとぼけてみる。


「うーん……」


女神はあれこれ視線を動かして…何やら顎に手をやって考え込む仕草を見せる。


「…あ、そうだ。こっちに来てくださいっ」


そう言うな否や、俺の腕を掴んで引っ張っていくように歩く女神。


「お、おい…どこに行くんだ?」


「それは着いてからのお楽しみですよ、えっへん」


何故かドヤ顔をしてそう言う女神。

…何気に鼻につく言い方だった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ここは?」


謎の部屋まで女神に連れてかれた。


「私の部屋ですよっ」


えっへん、と無駄に大きい胸を揺らす女神。


何故女神の部屋が?という疑問は置いといて。

女の部屋に招き入れられるということはつまりそういうことだろうか。


「……」


女神の顔を凝視する。


「?」


そんな俺に疑問を持ったのか、首をかしげる彼女。


…ふむ、夜のアレコレを“責任を取る”という事だろうか。


「……ごめんなさい、無理です」


「えっ、何をもって断られたんですか私?」


「用具とか、うん…俺持っていないから」


「用具?」


初めは首を傾げていた女神だったが、少し時間を置くと…やがて頬を赤らめていく。


「ちちちちちちがいますよ!?」


そしてブンブンと風を切るような音が聞こえるように勢い良く首を横に振る彼女。


「ちがっ……ちがう……ぅ、うううっ」


精一杯否定する内に自分でもよく分からないといった感じに女神は泣きじゃくり始める。


……これはこれで何か可愛い。そう思った。


──────────そして数分後。


「……ふぅ、ひどい目に合いました…」


女神の部屋にあるベッドに腰をかけて深呼吸をする女神。


少女漫画……化粧台……ぬいぐるみ……彼女の部屋は至って普通の女の部屋というやつだった。


…なんだかんだいって、コイツには普通の人間のように接した方がいいかもな。


「それで……俺をここに連れてきた理由は?」


「あ、はい。掃除を手伝ってくれませんか?」


「そうじ…」


ここまで引っ張っておいて掃除なんてそんな簡単な形でいいだろうか。


「……もう一度聞くが、本当に掃除なのか?」


「はい、これでチャラにしてやりますよ」


えっへん、とまた大きな胸を揺らす女神。


「…分かった、早速取り掛かろう」


これ以上疑うような真似をしては、野暮というものだ。ここは素直に彼女の手伝いをやろう。


……夢の中で掃除するって、どんだけシュールなんだよ。



つづく

大変お待たせ致しました……!

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