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第4話「はじめての感触」

俺はタイミングを見計らって、木の陰から

飛び出し、主人公一行に立ち塞がる。


「あっ……!」


主人公一行の中の一人である赤い髪…

セミナは俺を見るや否や睨む表情をする。


「誰…っ!?」


俺自身が何か悪いことをした訳でもないのに、心構えされられるのは正直こたえる。


「おいおい、そんな睨むなって。美しい顔が台無しだぞ」


ラロスっぽく振舞ってみる。

ゲームの中のラロスは挑発的な言動が多かった。何度もプレイしているせいで、簡易に真似できた。


「……」


心底嫌悪するような表情を込めて睨んでくるセミナ。


「ぐっ」


このゲームの主人公は腰から剣を抜いて

戦闘姿勢に変える。

よく見てみると、俺がいきなり現れたもんだから体勢を立て

直しきれない様子のようだった。


「やれやれ」


こんなんで本当に魔王を倒せるのか?

ゲーム越しでは分からなかったが

実際会ってみるとこれがまた案外弱そうな…


「うらぁっ!」


先制攻撃、といわんばかりに無駄に筋肉が

でかい男が俺に殴りかかってくる。


俺は───────


┈ ドスッ! ┈


「なっ……」


そんなアホな、という声がでかい男から

聞こえる。

俺は、自分の力を誇示するためにわざと

殴られたのだ。

チート級のスキルもあるし異常なほどに高い防御力のおかげでダメージは受けない。


そして、俺の頬に当たっている拳を掴む。


「……ッ!」


ジリリ…と言わんばかりの速度で頬から

拳を剥がす。もちろん全力ではない。

10%の力?ぐらいかな。


「その程度か?」


悪役っぽく口の片端をつり上げる。


「ほらよっ!」


そう言って思いっきりその男の腕を掴み

そこら辺にある木目掛けて投げる。


「ぐぇッ!」


あ……しまった、余計な力入れちまった。

その証拠に男をぶつけた木が、

見事に折れていた。

死んでねーよな、アイツ。

よく見てみるとまだ呼吸してるようで少し

安堵した俺がいた。

そして残りの奴らを振り向く。


「ひっ……」


魔術師の女はすっかり恐怖に怯えていて

その場から動けないようだ。


一方、セミナはこれほどの力を目の前にして

多少の恐怖感はあったがそれよりも恨みが

勝っている目をしていた。


いいねえ、その目。

二度とその目をきかないようにしてやるよ…

って本当に悪役っぽいな今の俺。


……女は後回しにして、

俺は瞬間移動と言わんばかりのスピードで

主人公の前に立つ。


「ッ!?」


そして主人公の顔と自分の顔を身近に近づけて

俺はこう言った。


「野郎どもは引っ込んでな」


すっかり恐怖に支配されていたその顔を…

思いっきり殴った。


「ブバァッ!」


主人公は勢い良く飛んでいき、木にぶつかって

もたれかかるように倒れる。


「……」


いや……本当に主人公かコイツ?

ありえないぐらい弱いんだが。


すっかり気絶している男を見てそう思った。


そして残った女どもに目を向ける。


「っあ……!」


目を向けた途端、魔術師は腰が抜けて

その場に尻もちをつく。


その時に揺れる胸がやけにエロかっ…

いや今はそんな場合じゃないか。


「この……悪魔ッ!!」


どう見ても勝ち目はないこの状況でも

まだ抗うセミナ。


「ははっ、何とでも言うがいいさ。

どっちにしろ俺は」


思いっきり、いやらしく悪い顔を浮かんで。


「お前らをモノにするんでな」


そのおっぱいを。


そう言ったら流石のセミナでも怯んだ表情を

していた。魔術師の方は……まあ相変わらず

の表情だ。


「大人しくしろよ!!」


右手を開いて、前に突き出し……

スキル“束縛”を発動する。


「なにを……ッ!?」


すると、

女二人の首から下に無数の輪っかが出現し、

腕や足を体に固定し、動けないように

締めていく輪っか。


セミナは立ってはいられず

その場に座り込む。


「ぐっ……何をする気……!?」


「何をって、お前が想像してるそれだよ。じゃなきゃわざわざ縛った意味がない」


そう言ってチラッ、と

視線を魔術師の方を向ける。


「はぅ……」


魔術師の方は何故かハァハァと息を荒くしていた。

もしかしてコイツ、マゾリスト……なのか?

なんだか気になるので声をかけてみる。


「おい、お前」


「ひッ!」


「お前の名前ってなんだっけ」


ゲームの設定ではコイツとも何回も戦っては

いるのだが……

直接会話を挟んだことは一回もない。

そのせいかこの魔術師の名前が薄れていた。


「あ、はい……て、テレアと申します」


なるほど、テレアか。

なかなかいい名前だな。我ながらそう思った。


「いいおっぱいしてるな」


「……え?」


驚く彼女の顔を眺めていると、

瞳にうるうると涙が溜まっていたのに気づく。

それを見ると、無性に気持ちが高まる。


「ちょっと……私たちを離してよッ!!」


ここに来ていきなりセミナが大声を出す。

……恐らくは気絶してる仲間を起こす為だろうが─────


「黙れ」


俺は勢いついていた。

先ほどのことも含めて……

何の苦もなく、美少女2人を束縛出来て

しかも自由にあれこれしてもいい。この状況におっぱい好きで

ある俺が止まるはずはなかった。

自分の右手を、彼女に向けてゆっくり持っていく。


「いや……いやッ!」


縛られた体を無理にでも動かして、彼女は心からそれを

拒む態度を見せる。


うん、そんな態度見せられると……正直可哀想に見えてくる。

いや彼女にそうさせてるのは俺だけども。


「あ……ッ!」


セミナの口を塞ぐ────のではなく、

胸を掴んだ。


おおぉ……これがセミナの……いや胸の感触か!

大すきず、小さすきず程よい大きさ。

生まれて初めて感じるぞ!

や、やば……心臓が持たん。

素晴らしい、素晴らしすぎる!! おっぱい!!

ずっとこの感触を保って行きたいぐらいだ、おっぱい!!


俺は調子に乗ってそのままおっぱいをまさぐる。


「や、やめ……っ」


あれ?セミナの奴、

すっかり大人しくなったな。

彼女の表情を見ると、瞳はとろりとしていて

すっかり紅潮していた。

もしかして……こういうのに弱いとか?


そう思ったらさらにいじめたくなるが、

場所がなぁ……。

初めてが森の中ってあまりよろしくない。


そう考えたら急に冷静を取り戻す。


「……」


彼女の胸から手を離す。


やべえ、あまりにもの感触に、こちらが気絶してしまいそうだ。


胸を触った手は小刻みに震えていた。


「っ、はぁ……ぁ……」


すると、扇情的な顔をして甘い吐息を吐くセミナ。


「……っ!」


なんとか正気を取り戻したセミナは

思いっきり歯を食いしばって、俺を睨む。


「よくも……ッ!!」


今束縛を解いたら殺しにかかってくるほどの

勢いだった。今の俺のステータスだと死にはしないだろうが……それはそれで面倒だ。


魔術師の方を見ると何故か顔を逸らしていた。

その頬には赤が染められていた。

……恥ずかしいのか? まぁ、いい。


さて、これからどうするかな。


どこか宿にでも連れ込むか?

いや、束縛したまま連れ込んでも、

宿の者に怪しまれるしな。


何か策はないだろうか、とステータス画面を

開いてスキル一覧を見る。


「────────おっ?」



つづく



次回予告


これからどうするか、迷うラロス。

そんな時ステータス画面に飛び込んで来た

スキルとは───────!?


面白かったら幸いです。

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