2-5-04 ナメクジ?…豪州と印度でも 22/2/7
20220207 加筆修正
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メガフロートにはそれなりの……イヤイヤ可成りの釣り好きが多数存在して居り、天気の良い早朝などにはメガフロートの浮上に合わせて竿が立ち並ぶ事になる。
最初の頃は、濡れたメガフロートの縁から足を滑らせる者が続出したりしたのだが、現在は滑り止めのしっかりした長靴やシューズを用意しており、そんなドジをしたら新参者とのそしりを受ける始末だ。
だいたい海の上で生活しているのにも関わらず、釣りの一つも出来ないのではストレスも溜まるだろうと、勉強や業務に支障が出ない範囲で自由に釣りやマリンスポーツが許されている。
当然、『釣り場は綺麗に!』がルールとなっており、監視体制も万全で万が一にも溺れたりする者は出て居ないが、ゴミや釣り糸・使えなくなった仕掛けを捨てたりとマナーを守らないと、ペナルティーポイントが課せられる仕組みとなっている。
このペナルティーポイント、全ての迷惑行為に課せられ警察沙汰も含め軽犯罪などにも課せられる仕組みだ。
刑事事件は一発逮捕・強制送還だが、ペナルティーポイントが大量に溜まっても多額の請求書と共に強制退去となる。
唯一このポイントを消費するための手段として、メガフロート内での奉仕活動が挙げられる。
巡回しているメンテナンスメカと共にゴミの回収や清掃、メガフロートの外周に異常が無いかのパトロールなど様々なボランティア活動に付き合う事となるのだ。
ペナルティーポイントの溜まってきた者達は、頭にペナルティーポイントのカウントされたヘルメットをかぶらされ、ガイドナビに沿って決められた時間ボランティア活動に参加すれば、その場でペナルティーポイントが減ってゆくという仕組みだ。
実際には専用のオートワーカーが存在し、メガフロートのメンテナンスなどを行っているので手を抜くとすぐに分かってしまい、サボると逆にペナルティーポイントが増える場合もある。
そして、どんな所にもルールを守らない奴という者は少なからず出て来るもので、晒し者になりながらペナルティーポイントの消化に励む姿をメガフロートの各所にて垣間見る事になるのだった。
今日も夜明けと同時に浮上したメガフロートの上を 竿とクーラーバックやバケツを抱えて走ってゆく釣りバカ達。
少しでもいい場所をとって、仕事の前に大物を釣り上げようと誰も彼もが必死に駆けてゆく。
当然、こういった釣りの監視などにも駆り出される者達がおり、特に釣り好きに監視員が充てられる風潮があったり、釣りがしたくても釣らせてもらえずに生殺し状態でモンモンとするなんて事があったりするのだった。
中には釣り人そっちのけで、釣りの指導に命を燃やしている様に見える御仁も居たりして、兎に角ここは夜明けから賑やかである。
そんな中に、今日は珍しく昴達やメカニックも竿を並べて居た。
釣れた魚は、食堂で料理してくれるので、新鮮な美味しい魚を釣ろうと競争しているようだ。
「釣りで俺に勝とうなんざ~100年早ェ~よ!今夜のお銚子は昴のおごりだな♪」
「芝ぁ~、良い大人が子供に集るんじゃネ~よ」
「良いんですよオヤジさん、へこむのは芝さんの方ですから、俺はジャンボデラックスパフェで手を打ちましょう」
「云うじゃネ~か、その減らず口を叩けねえようにケチョンケチョンにしてやるぜ!」
そんな事を言い合っている横では、既にバケツがいっぱいの権堂警部が黙々と釣果を伸ばしていた。
◆
「それで一昨日のナメクジ野郎は、どうなったんでェい。詳しい事はもう分かったんだろ?」
釣り餌を変えながら聞いてきた芝に、話すのが嫌そうに答える昴。
「どうもそれなりの数が地球に侵入しているみたいですね~。同じ時期の天文データを洗いなおして分かってきたんですが……」
「そりゃー一大事じゃネ~か、それで対策は有るのかよ?」
「現在、確認できた物で8つが落ちてきてます。各大陸に一つずつ、そして残りは海に落ちていますがこっちは海洋生物に食べられちゃったみたいですね。まず、北米に現れた先日のエリア51の存在をエネミー1と呼称しますね、オーストラリアとアマゾンは今エージェントが確認に向かっています。ヒマラヤと南極にも落ちてますが人は住んでないところなのでまだ被害は確認出来ていないですし、殲滅も難しくないと思います。ただ……」
「どうしたんだ?」
「エネミー1の最後の断末魔、30分ほど響き渡ったサイコノイズですが世界各地で人々に奇妙な障害や症状を見せています」
「あ~、あれかァ~。俺もこんな事が出来るようになったぜ♪」
芝が手のひらを上に向けると、新しいエサを付けた釣りの仕掛けがフワフワと浮き上がった。
それを見ていた他のスタッフや職員達もそれぞれに手の中の物を浮かせたり、中には自分自身が数センチ宙に浮いたりして昴に見せた。
それを見て頭を抱える昴に、後ろに控えたアステローペが説明を始めた。
[現在被害状況の確認を進めているところですが、一般には先のサイコノイズによる精神障害が多発しているようです。但し条件のそろった個人や元々潜在能力の高い個体は、サイキックとしての能力が開花する切っ掛けとなったようですね。現在進めているプロジェクトで、バクーンの御挨拶をテレパシーウェーブに乗せて配信する予定でしたがその強度が問題でしたので、参考にするとアルキオネが言っていましたよ]
「そこでバクーンの御挨拶が出て来るってことは、先にやってたら同じような障害が出てたって事?」
[はい、少なからず……似た症状を併発する者たちが出ていたと予想できます]
「あちゃ~……」
「良かったじゃネ~か。バクーンの悪名が増えなくてよ。それで俺達はアステローペさんみてえな専門家に治療と能力指導を受けられるから良いが他のトラウマになってる奴らはどうするんだ?」
[地球全人類のカウンセリングなんて我々だけでは、どだい無理な話です。どうせバクーンの挨拶なんて30秒で終わりますから、その後鎮静効果の有るヒーリング用のサイコウェーブと一緒に各国の医療機関に治療法を教える予定ですが、まだプロジェクトの実施まで30日ほど有りますので、重症患者の多く出ている日本は私が、アメリカにはヒュアデスから、ヨーロッパ方面はケラエノと大司教を経由してバチカンへ簡易型の治療機……に偽装した睡眠学習ユニットと治療情報をリークする予定です]
「うまくいくと良いんだけど……また碌でも無い言い掛かり吹っ掛けてくるのが増えそうだよね」
「マ~そういう奴は、何かある度に理由もねえのにイチャモン付けるのが決まりだと思い込んでるからな、仕方ねえのさ。鼻だけは異様に利くんだよな、彼奴等はよ……」
[今後、一時的に俄サイキック能力者による諜報や犯罪が増えると思われますので、メガフロートを始めとする我らの拠点ではサイコシールドの常時稼働を前提に施設の運用を行う予定です。精神波も一種の波ですのでサイキックスクランブラーでしたら簡単に製造出来ます。能力者には蚊の鳴くような音として感じるくらいですから、携帯式の物を用意すれば素人でも心を覗かれるような事は防げると思いますよ]
「そいつは良いな、後でガレージの方にも設計図を回してくれよ」
[了解いたしました]
権堂警部は、黙々と3つ目のバケツを魚で山盛りイッパイにして更に入れ食い状態を続けている、……もう勝負なんてどうでもいいや……。
◆
ガーディアンズの面々は、オーストラリア大陸の中央部に位置するエアーズロックから北西に150kmほどの砂漠の真ん中にいた。
「オイオイ、ほんとにこんな何もない砂漠のド真ん中に落ちたのかよ?」
[オーストラリア政府には既に合衆国の外交ルートで許可を取っています。多少派手に暴れ回っても大丈夫です。先程打ち込んだ探査用プローブからの情報から、ここから南西に500m、地下70mにそれらしい反応が出ています……けれども、予想よりも随分とちっちゃいですネ。この砂漠地帯は地下水脈も随分と深いですし雨もほとんど降りませんから敵性体は栄養に成る有機物などをほとんど取り込めなかったと見ていいでしょう]
「それでもしぶとく生きてんのかよ……、落ちて来たのは何年前だよ?」
[およそ30年ほど前になりますね。世界的なオカルトブームでノストラダムスの大予言がブームになった頃でしょうか。まあ確かにこれが空から落ちてきた恐怖の大王と言っても良いのかも知れませんが、私はバクーンの方を一押しで大王ランキングに上げておきましょう。随分と情けない大王ですが……]
「そう言われてみると時期的には一年遅れだがバクーンも予言の大王と同一視出来るんだな。今聞いた話でストンと納得しちまったぞ俺は……」
ノストラダムスの著書、通称『レ・サンチュリ』和名『百詩篇集』で予言された恐怖の大王とは、『1999年の7の月に恐怖の大王が来るだろう』という一節から来ている。
16世紀ごろから『ミシェル・ノストラダムス氏の予言集』として版を重ね、後にノストラダムス現象の大きなきっかけとなった。
[当時、日本で出版された『ノストラダムスの大予言』や制作された映画で巨大なナメクジの異常繁殖が想像上の物として取り上げられています。あれでトラウマを作った人も居るようですが、今回のは映画やトラウマではすまない現実です]
「俺もその映画はガキの頃に見たな覚えがあるな。……ゴミの島から人よりでかいナメクジが大量発生して、住民を襲って溶かして食うんだよ……キモいぞ~」
[対象の分析はほぼ終了しています。皆さんが着るそのスーツは深宇宙探索耐用の物ですから、体液を掛けられた程度でどうにか成ったりしません、安心して突っ込んでください。対象の発する高エネルギー兵器には、オートでシールドが反応して弾けますが、連続して直撃すればノーダメージとは行きませんので気をつけてください]
「当たった所でハチに刺された程度だろ、最もそういう事ははじめに言って欲しかったがね」 <=ネバダで何発か食らったお方。
「それじゃそろそろ始めよ…うっ……、なんだなんだ?」
ゴ…ゴゴ…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
[ターゲットが活動を開始しました。地上に出ようとして居るようです、上がってきます68m、67m、66m、60秒後に地上に出ます!]
「総員、戦闘準備、オールウエポンフリー! 奴が飛び出すのと同時に出会い頭にぶっ放せ!」
『『『『『『『「「イエッサー!」」』』』』』』』
[ターゲットは、凡そ5mの楕円形です。前回の様に動きが鈍いとは限りません。注意してください! カウントスタート、10、9、8、7、6、5、4、3、2、攻撃開始!]
前方300mの砂面が振動による液状化で流砂と化し、その中心周辺にヒュアデスのカウントに合わせるように攻撃が開始された。
最初の爆炎が晴れた後には、地上1mほどに濃い緑色の斑模様の卵型をした物体が出現していた。
「……ターゲットに損傷は……見られないな。何らかの防御手段を行っている模様」
「空間に僅かな歪みが観測されます。重力場に干渉しているのでしょう……浮いて居る処をみても重力制御を行っていると見て間違いありません。地球の現行兵器では障壁を貫くのは難しいかもしれませんが方法が無いわけではありません。用意できるまで3分持たせてください。皆さんはターゲットが逃げないように攻撃を継続願います」
「了解だ、おらっ野郎ども! 敵を休ませんな!」
『『『『『『『「「イエッサー!」」』』』』』』』 ドドドドド……
「そんで何を使うつもりなんだ?」
[重力場による障壁なんて言うと無敵に感じますが、我々に言わせると児戯に等しい物理法則です。力押しも出来ますが止めておきましょう。今、助っ人を呼んでいますので……来たようです]
「呼んだかしら? ヒュアデス」
唐突にその場に現れたのは、昴の母親・天河希美、その人であった。
「「「!!!」」」
[希美様、お忙しい処をこのような場所まで御足労頂き申し訳ありません。少々お手伝いいただけないかと思いまして……]
「問題ないわ、パッパッと終わらせて帰るわよ。それで何すればいいの?」
[ターゲットが重力障壁を展開していて攻撃が徹りません。グレネードをご用意しますので5・6発障壁の向こう側に放り込んで頂けませんか?]
「良いわヨ、ん~とあの緑の卵の真上30cmぐらいでいいかしら?」
[はい、それで結構です。では、お願いします]
トレーラーの指令室に備えられたウエポンラックが自動的に開き、固定されている武器類の内から今回使用するグレネード弾が選ばれた。
米軍が使用する40mmグレネード弾に時限信管を施した物で時限爆弾にも使用できる品物だ……シバ謹製と刻印ががが……。
用意ができるのと同時にその場からグレネード弾が霞の様に消えさり、同時にターゲットから今までに無い破砕音が聞こえてきた。
希美の手元から消えたグレネードは、ターゲットの丁度30cmほど上に現れ対象の外壁を転げ落ちながら次々に爆発した。
敵に外壁には亀裂が入り体液の様な物が吹き出している。
見掛けどおり本体の強度はそれほど強くないようだ。
「それじゃ私は帰るわね。何か有ったらまた呼びなさい。皆さんも怪我しないようにね! それじゃ……」
そして彼女はスーとその場から消え去ったのだった。
「アッ! はい「『「「『『『『『エー社長!』?』!!!』』』」」』」」
[ターゲットに物理的損壊を確認、重力場障壁が消えました。通常攻撃を再開してください]
「説明は後だ、野郎ドモ、止めを刺すぞ!」
『『『『『『『「「イエッサー!」」』』』』』』』 ドドドドド……ドッカーン!!!
さっき迄の抵抗がウソの様に攻撃が全て命中し、程無くターゲットは破壊された。
仕事が終わり歓声があがるかに見えたが、みんな黙り込んだまま水をうったように静かである。
レッドがポツリとつぶやいた。
「子供が子供なら、親も親って事かよ……常識外れ過ぎるだろうが……」
『隊長、それを言ったら、あそこの連中はみんな化け物ですよ……』
[大丈夫です。皆さんも直ぐに染まりますから♪ 安心してください]
『『『『『『『「「「安心なんか出来ねーよ!」」」』』』』』』染まりたかネ~!』
しかし、既に首までドップリの面々であった。
[さあ、補給が済んだら次はアフリカですよ]
◆
この日、北米に続いてオーストラリアとアフリカのターゲットは、ガーディアンズによって処理されたが残り南米アマゾンと中央アジア国境山岳部に落ちたターゲットが同時に活動を開始、どちらも巨大に育っていたらしくエサのいる方に移動を開始した。
アマゾンの個体は、周囲の有機物を吸収しながら広がり始めたので、まだ時間的猶予があるという事で米軍協力の下で一大掃討作戦が繰り広げられる事になった。
ただしベトナム戦争の時の様な環境破壊は極力控えるという事が前提で、中東で使用された劣化ウラン弾は原則使用禁止、化学薬品の含まれるナパーム弾なども最小に止める事とされた。
ターゲットは巨大になると活動エネルギーも大量に消費されるらしく、動力炉と思われる中心部への直撃弾のみ反れるように薄い重力障壁が展開されていたが、エリア51の個体と同じくバンカーバスターの一点集中攻撃により破壊され、その後のアメリカ軍の爆撃で巨大に広がっていたモンスターも退治された。
一方、中央アジアではゆっくりとインド側に移動を開始したモンスターに対し、防衛を主張するインド軍と中国人民解放軍が睨み合いを続けて居た。
直径1kmほどのモンスターを目の前に、どちらが主導権をとるかで揉めていたのである。
中国は、相変わらず何でも欲しがる悪い癖が出ているようで、インド軍としてはこっちには来て欲しくないのにインド側に進んで来るモンスターに対処せずにはおれず、また中国に国土を勝手されるのはもっと面白くない。
中国は、湧きだした場所が国境より僅かに中国よりだった事から、あれは我々の拾得物であると主張した。
そしてインド軍は手を出すなと言いながら、中国人民解放軍の一般的な攻撃は全て通用せずに前線の兵士がドンドンとエサになっている。
『お前らは、手を出すなと言いながらモンスターにエサをやって居る様だが、太らせてからインドを餌場にする気だろう? 自分のところのペットだと主張するなら早くケージに押し込んで持って帰ってくれ!』
『そんな事を言ってチョロチョロと目の前を逃げ回るからエサと間違えられるのだ。何も出来ないならサッサと尻尾を巻いてここから撤退したらどうなんだ』
『ウッグググッ、言わせておけば勝手な事ばかり言いおって。我らの国土を勝手に踏み荒らされて黙っていられるものか! 今から2時間待ってやる、速やかに我が国から出て行け! 出ていかない場合は侵略行為とみなして強硬手段に訴える。2時間だぞ!! 間違えるなよ!』
インド軍は、警告を残して一旦は避難する国民とその場を撤退していった。
周辺の住民にも最低でも50km以上離れる事を知らせながら。
インド軍が捨て台詞と友に撤退して行く様を見ながら勝鬨を上げる中国人民解放軍だったが、結局2時間経ってもモンスターを始末することも出来ずにいた。
しかも撤退もせずにモンスターと一緒にインド国内をゆっくりと移動していた。
すると一つの飛行物体がモンスターの中央部に飛来し、閃光と衝撃波を伴って膨れ上がった。
一瞬の超高熱によってモンスターは泡立ちはじめ蒸発と共にその体積を膨れ上がらせてやがて弾けた。
先に到達した熱線と衝撃波で中国人民解放軍はその殆どが吹き飛んだが、生き残っていた者も後から降りかかったモンスターの残留物に依って全滅した。
そうだ! インド軍は、核を使用したのだ。
その後の調査でモンスター本体は蒸発し、周辺は放射能とモンスターの残留物に汚染され生物の住めない荒野となった。
国土を汚染されたインドと自軍が一瞬で全滅した中国。
お互い一触即発ではあったが世界情勢は勝手な戦争なんか許してくれる筈もなく、双方痛み分けとなってこの後ずっと燻り続けることとなる。
欲をかき過ぎると碌な事にならないという一例だろう。
この時のやり取りは全て記録に残されており、後の国際法廷で中国が侵略を行った事実を是として損害賠償を請求される事となるのだった。
各国はこの時、インド軍は核ミサイル以外の方法は取れなかったのかとの質問に、インド政府はこう答えている。
『自国民の避難、軍の撤退と共に周辺50kmに避難勧告を出している。作戦時間も2時間後と予告しているにもかかわらず、他国に侵入して勝手に軍事活動を行う者達にどの様な配慮を必要とするのかご説明頂きたい。我々は持てる最大の武器で有事に当り、結果、国土は汚染されはしたが国民にほとんど被害が出なかった事は幸いな事であったと思っている』
そして中国は、反論した。
『インド政府は、我が国がモンスター排除と救援に向かわせた支援部隊が居るにもかかわらず、モンスターと道づれに戦略核兵器を使用し、我が軍に多大なる損害を与えた。これに遺憾の意を発し、損害賠償を請求するものである』
こんな要求は通るはずもなく、逆に中国が汚染地域の除染費用を全額出す事で決着した。
ただし支払期限が提示されなかったのをいいことに、中国はのらりくらりと未だ支払いには応じていないらしい。
インド政府が支払期限を提示しなかったのは、除染にどれだけの期間と費用が掛かるのかこの時には明示できなかったからである。
しかし、後に膨れ上がった請求額に中国政府は悲鳴をあげる事となった。




