5-1-07 遭難6日目
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短かっ、何じゃこりゃ~。
その頃、太陽系では……。
「可怪しいわね? あの子には、『日に一度は、連絡を入れなさいよ』って言っておいたのに……もう5日も音沙汰なし、連絡が無いわ……」
「昴達の事だ、楽しくて忘れてんのかもしんないぞ。まぁ連絡ができないにしても、ちょっとやそっとでどうにかなるとは思えないし、きっとどっかで生き延びているさ。又、碌でも無い事に巻き込まれていないと良いんだけどな。ハコ達が一緒なんだ、チャッカリ子孫を増やして返ってくるかもよ」
「ハネムーンなんてヤル事は何処もさほど変わんないし、譲さんの言ってる事と一緒なんだけどね。我が子ながら、こっちの想像の斜め上をスキップで走り抜ける位の事はやらかすでしょう? 今回も覚悟だけはしといた方が良いかもしれないわね。兎に角、こっちにはDr.アンもエンリル様もいるし、私はシン・ニビルで出産までゆっくりと待ってるしか無いでしょ。何か気の利いたお土産でも持って帰って来るぐらいの事はして欲しいわね」
「お土産ね~……」
◆
「フムッ、まだ存在が感じられるところを見ると今回は生き残ったようですね。存外しぶとい物です。しかし、随分と遠い……此処に帰ってくるには数年は、掛かる事でしょうか」
『フフフッお前も甘いな、大甘だ! スバルならば何時帰ってきても不思議ではない! 明日にでも帰って来るかもしれんぞ、それも怒り心頭でな♪ そんな事よりも悠長に構えておっても良いのかのう、急いで逃げ出す算段をした方が良いのではないのか? スバルが帰ってきた時点でお前には、欠片も勝つ事の出来る存在では無くなっているだろう。既にあの方の洗礼をお受けになって生き残ったのだ。どう足掻こうとお前には勝つ算段もなかろう?』
「既に勝てる相手ではありませんでしたよ……だからこそ、あの方への供物としたのです。あれに耐え抜いたとすると私には手に余ります、これは我々と同等以上の存在として認めねばなりませんね。仕方がありません、ここはサッサと逃げ出す事にいたしましょう。私も神の端くれなれば滅ぶ事は無いにしてもワザワザ痛い思いをするのは御免ですからね」
『フハハハハッ これは、痛快だ。お前にそうまで言わせた存在は、ついぞお目に掛かった事がないぞ、これは愉快だ♪』
「……では、御前を失礼いたします。ソトース様には、しばしのお別れを……」
『はぁ~……来るなと言っても又来るのであろう……疾く去るが良いわ……』
母さんの出産予定日まで、残り後43日。




