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4-4-23 地球での後始末4

1123文字 短っ!





 シゲさん謹製の宇宙船はまだまだ荒削りだけれど、既に実用に耐えるほどの出来上がりだった。

 でも人が乗って試験するなら安全第一でしょう? 自信があるのは分かるけど是非にでもハードスーツを着込んで挑んでほしい。

 過信は以ての外だよ。


 おれ?

 俺は、頼まれてもテストパイロットは嫌だよ、結果はどうあれ後が怖いもん……。

 そこは大事なところだから忘れないように念を押して置くことにするよ。


 喧々囂々(けんけんごうごう)、シゲさんとのやり取りを終え順番にこれまで仲間になってくれた人達のところを廻って現状の確認もすることが出来た。


 自由な時間(寿命)と有り余る予算(俺の資産)が出来たことで、それぞれが今まで出来なかったことに挑戦しているみたいだ。

 俺の資産や特許料は地球を離れる時に、『もう使わないからみんなで自由にしていいよ』と全て会社に寄付したから膨大な予算を使いたい放題の筈だ。

 そんな訳で、まるで玩具箱をひっくり返した様な有様だが、これまで酸いも甘いも経験してきたお歴々がそれを行うとなるとその様相は全く違うものになるようであった。

 これが老い先短い年寄り達の所業だとは、誰も想像できそうも無い物や産物が出来上がりつつ有るのに少々慄きながら俺はエールを送るのだった。


 俺もまだまだ地球でやり残したことは沢山有るんだけれど、地元のことはこのままみんなに任せても良さそうだと現状を見て納得した。

 兎角俺は何事もやり過ぎるとみんなに言われているし、いい加減この辺で地球からは手を引こうと思って居たところなんだ。

 余程の事で、みんなの手に負えない様な困った時には、声を掛けてくれるって約束も出来たし、地球に残ったみんなも時期を見て順次宇宙に脱出する手筈を組んでいる。


 多分、今すぐに全員で地球を逃げ出して移住するよって言ったとしても、余程のことがなければみんなは現状(いま)を放り出すことなんて出来ないだろうと思う。

 何だかんだ愚痴を言いながらもみんなお人好しだし、少なからず世間との(しがらみ)も有るからね仕方がないさ。

 特に日本人は、そう言うのに拘るし特に古い人間は言わずもがなである。

 まあそんな風に思っているのは俺だけじゃないだろうと思うんだけどね。

 自分がそうだからなんて言ったら自意識過剰だって言われるかもしれないんだけど……。







 人知れず、昴が地球に別れを告げに来ている。


 関係者は、『とうとうここを旅立って行くんだな』と、薄々感じているようだった。

 地球の事柄からは、今後昴は手を引くって事なんだろうと思う。

 そうだ、後の地球のことはここに住む者達に任せれば良いんだよ。

 お前は、宇宙を自由に飛び回ればいいのさ。

 既に貰い切れない程のお土産をお前は残してゆくんだから……。




 そんでもって俺達も後を追っかけるから、そん時はよろしく頼む。 By.関係者一堂






さあ、次はやっと結婚式だ!

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