オータムオブデッサンPretty
リルカちゃんが質問
雪乃「なに?リルカちゃん"が"質問って…」
リルカ「雪乃の趣味を教えて」
雪乃「趣味?お菓子作りだけど…」
リルカ「ジュルリ…」
秋めいたソライユ学園。
あたしは部活のため美術室に行こうとする。
不良クラスと呼ばれる2年D組教室を通りかかろうとすると…
「うぉ~ん!待ってくれぇ!」
「あーもう!気持ち悪いんだよ!」
その教室から鎖付き制服の男子が現れ、額に怒りマークのシールを貼った女子を追いかける。
「こら!廊下は歩きなさい!!」
夢実ちゃんがそれを目撃し、2人を追いかける。
あたしに目もくれず…
「もう…これだからここのクラスメイトたちは…」
しばらくして、蝶の髪飾りをした少女、芽衣奈ちゃんが呆れた様子で教室から出てくる。
「あ、リルカちゃん」
「やほ!芽衣奈ちゃん!部活行こ!」
あたしは芽衣奈ちゃんと美術室に向かう。
「待ってたわリルカくん、新メンバーの芽衣奈くん」
まいちゃん部長があたしたちを出迎える。
あたしは早速キャンバスと水彩用具を用意し始める。
「秋と言えば…アレだね!」
あたしは一心不乱にキャンバスに絵を描く。
「いろんな秋!」
キャンバスに描かれたのは、たくさんのスイーツを食べるネコミミ少女と、小説を読む眼鏡っ娘の狐耳少女、走る陸上ユニフォーム姿のリス耳少女が。
「いろんな秋を混ぜ込んだよ!」
「これが食欲の秋で、こっちが読書の秋、そしてこれがスポーツの秋だよね!?」
芽衣奈ちゃんはあたしの絵に目を輝かせる。
「私も描いてみるよ!」
芽衣奈ちゃんもキャンバスと水彩用具を用意する。
「あ、リルカちゃん、そこに立ってくれるかな?」
「はーい!えへっ♪」
「そうそう、リルカちゃん、動かないでね」
あたしはかわいくポーズを取り、芽衣奈ちゃんはキャンバスに絵を描き始める。
「よし!次は背景だね!いいよ、リルカちゃん」
あたしは芽衣奈ちゃんの絵を描いてる様子を見る。
「あたしがかわいく描かれてるよぉ~♡」
思わず絵のあたしに惚れる。
「秋と言えば、やっぱりこれだね」
しばらくして、芽衣奈ちゃんが背景を書き終える。その背景は、両端に葉っぱの黄色い木がいくつも並んでいる、まさに秋の絶景だ。
「こんな綺麗な秋にこんなにかわいい美少女がいるなんて、神々しいよぉ~♡」
「景色より自分ね…」
絵のあたしに惚れるあたしに苦笑いの芽衣奈ちゃん。
「そうだわ、リルカくん、キャンバスを用意してそこに座ってくれるかしら?」
「はーい!」
あたしはキャンバスを前に置いて座る。
「それと、芽衣奈くんはキャンバスの前に…」
「あ!雪乃だ!」
美術室の前を雪乃が通りかかるのを見て、サッと駆け込む。
「リルカ!?」
「ほらほら!こっちこっち!」
あたしは雪乃の腕をつかんで美術室に連れ込む。
「部長!もう1人は雪乃がいいです!」
「あら、雪乃くんね、いいわよ」
「何がなんなの…?」
雪乃は困惑する。
あたしは再びキャンバスの前に座り、筆を持って描いてるフリをする。
「雪乃、まいちゃん部長があたしたちを描くから、じっとしててね」
「そのために呼び出したの…?いいけど…」
まいちゃん部長は筆とパレットを手に、あたしたちを描き始める。
それから数分後。
「できたわ、リルカくん」
あたしと雪乃は部長が描いた絵を見る。
「あたしがかわいく描かれてるよぉ~♡」
「またまた絵の自分に惚れてるよ…」
芽衣奈ちゃんは再び苦笑い。
「それにしても、綺麗に描けてますね」
「ふふ、雪乃くんも日々絵の練習をしていれば、私みたいに描けるわよ」
にこ…と、部長が微笑んでつぶやく。
あたしたちが描いた絵はしばらく美術室に飾られることになった。秋は美術室でゆっくりのんびりと絵を描く毎日を送りたい。
「それはそうと、リルカくん、さっきの絵に芸術の秋を忘れてるわよ」
「てへぺろっ☆」
To be continued...
リルカちゃんに質問
雪乃「もう…私もお返しに…リルカの趣味はなんなの?」
リルカ「スイーツショップ巡りだよ!」
雪乃「相変わらず食べることばかりね…」




