ミオンモール
実はアリス先輩、リア友とショッピングモールに行くのは今月が初めて。
「ん〜っ!今日は絶好のお出かけ日和だよぉ〜!」
朝、あたしは窓の外を見て背伸びする。丈の短いキャミソール姿だったらおへそモロ見えだったけど、今はネコミミパーカーのシーズンだ。
「おっはよ〜!」
「おはようございます、休日にしては、早いですね」
あたしは朝ごはんに白米と味噌汁、そしてマカロンを食べる。
「マカロン最高♡」
朝ごはんを食べ終えたあたしは今日の服を選ぶ。
「何着ようかな…まだセクシーな服装にしたいなあ…そうだ!これにしよ!」
あたしが選んだのは、いちご模様のミニスカノースリーブワンピだ。靴下は桃色のニーソ。
「かわいいよぉ〜♡」
あたしは鏡に映ったあたしに照れる。
「いってきま〜す!」
あたしは自転車に乗り、走る。
しばらくして、おっきい建物が見えてきた。
そこには雪乃と陽奈子ちゃんに麗花ちゃんが。
「やほやほ!」
「あらリルカ、珍しく時間ピッタリね」
「私たちも来たばっかりです〜」
「高貴な乙女は時間厳守が当然ですわ」
そして、4人揃い、あたしたちはそのおっきい建物…ミオンモールに入店する。
「わあ、広いなあ!」
「当然よ」
おっきい店に入って関心するあたし。
「前とあまり変わってませんね」
「わたくしのお目当てはこっちにあるはずですわ」
陽奈子ちゃんと麗花ちゃんは前にも行ったことがあるらしい。
「あ、あそこですわ!わたくしのお目当て!」
麗花ちゃんが指を指す。そこはなんとも高貴な洋服屋だ。
「うわあ!お嬢様にぴったりな服がやたらと並んでるよ!」
「さすがに値が張ってるわね…」
服は、どれも20万か30万以上もする高いものばかりだ。
「うふ、どうです?この服」
麗花ちゃんが試着をしている。その服はフリルいっぱいのセーラーワンピだ。
「かわいいよぉ〜♡」
「よく似合ってるわ」
「素敵です〜♡」
麗花は試着したセーラーワンピをレジに持っていく。
「35万円になります」
破格の高い値段を聞いても、麗花ちゃんは35万円の札束を平然と出した。うーん、さすが大金持ちのお嬢様。
「いいお買い物しましたわ」
「さすがお嬢様だね…」
あたしたちは心底たまげる。
「ねえねえ、あたしのお目当てがあるんだけど、来て欲しいな!」
「あら、リルカちゃんのお目当てですか」
「こっちだよ!」
「リルカ!走っちゃ駄目よ!」
あたしはせわしなく走る。そこには…
「着いたよ!」
「ゲーセンって…リルカらしいというか…」
そう、ゲームセンター。
あたしのお目当てがここなのだ。
「音ゲー音ゲー…あった!」
あたしが目にしたのは、コウニズム。音ゲーのガチ勢なら誰でも知ってる音ゲーだ。
「お目当てはこの曲だよ!難易度最大!」
あたしは最も難しい難易度で曲に挑む。
画面には無数のノーツが下まで移動し、下の線に重なったところでタイミングよくタッチする。
「すごい…ここまで1つも逃してないわ…」
そして曲が終了。
結果は…
「やった!オールジャスティスだよ!」
オールジャスティスとは、コウニズムで一番ピッタリのタイミング…ジャスティスというタイミングで全部タッチするとなる、フルコンボよりもっといい評価だ。
「リルカちゃんはゲームの達人ですね」
「わたくしには到底できませんわ…」
コウニズムを楽しんだところで、お昼の時間だ。
「お腹空いた〜はやく食べたい!」
「それなら…ここでお昼にしませんこと?」
麗花ちゃんが指を指したのは…高級レストラン!?
「あはは…冗談だよね…?」
「いくらなんでも、私そこまでお金もってるわけが…」
「ご安心なさい、わたくしの奢りですわ!」
え!?奢ってくれるの!?さすがは金持ちのお嬢様!
ほっとしたところで、席につく。
「ここでお作法を学ぶことができますわ、皆さん、わたくしのお作法を参考になさい」
麗花ちゃんの一声に頷くみんな。
あたしはそれを聞かず、スマホのネトゲをしている。
「リルカちゃん!スマホはしまいなさい!」
「ふえぇ!?いいとこだったのに!」
あたしは仕方なく鞄に入れた。
それから数分後、まさに高級な料理が運ばれてくる。
「先ずはカトラリーの使い方ですわ、カトラリーは外側から使い、フォークは左手、ナイフは右手に持つのですわ」
「なるほど、外側から使うのね」
「フォークが左手、ナイフが右手ですね」
「はむはむはむ!!」
麗花ちゃんのお作法を聞かず、あたしは慌ただしく料理に食いつく。
「まあっ!それでも淑女ですの!?お作法がなってませんわ!」
「だって腹ペコだからはやく食べたいもん!はむはむ!!」
「カトラリーは外側から使ってくださらない!?」
あたしの一心不乱な食べ方に、麗花ちゃんはおこだ。
それからしばらくした後、ワイングラスに飲み物が注がれる。
あたしたちは未成年なので、ワインの代わりにぶどうジュースだ。
「ぶどうジュースが注がれてる間はグラスを持ってはいけませんわ」
「ふぇー?そうなの?」
ようやくあたしは話を聞く。
「それから、グラスは乾杯の時は音を立ててはなりませんの、目線を合わせて微笑むことが望ましいですわ」
「かんぱ〜い♪」
あたしは再び話を聞かず、グラスを差し出しで麗花ちゃんのグラスにカンッと合わせる。
「無礼者!グラスは音を立ててはなりませんと言いましたでしょう!?」
「くぴくぴ…ああ〜ん、美味〜♡」
「人の話を聞きなさい!」
麗花ちゃんはあたしに黙ってられなくなった。
それからなんやらかんやらあって、お昼の上品な食事が終わる。
「麗花って、食事のマナーはまさにお嬢様ね」
「テーブルマナー、参考になりました」
「おーっほっほっほっほ!!淑女として当然のことですわ!」
「あたしだって、可愛さは淑女級だよ!」
「うるさいですわ!テーブルマナーを守れない庶民に言われたくありませんわ!」
それから家に帰ったあたしはルルカにテーブルマナーを学んだことを話した。
「なるほど、テーブルマナーを学んだのですか、いい経験をしましたね。たまにはここでテーブルマナーを学びませんか?」
「ぐっ…」
あたしはちょっぴり逃げようとした。
その後も深夜まで起きてゲームに熱中することは言うまでもなかった。
To be continued...
もし、この話みたいなショッピングモールにリア友と行くことになったらまず間違いなくゲーセンに行ってますw




