おばあちゃん家!
人質学園ドラマが終わっても、ほっこり学園小説はまだ続きます。
夏休み。
あたしはおへそチラ見えのキャミソール…ではなく、珍しくタンクトップにホットパンツ姿でいた。今日は両親が来てるのだ。
「みんな〜!準備はできた?」
「そろそろおばあちゃん家に行くよ!」
あたしのお母さんとお父さんが呼びかける。
お母さんの名前は篠町広恵、お父さんの名前は篠町渉だ。
あたしたちは外に出て、車に向かう。
と、そこへ…
「あら、リルカじゃない」
「お、雪乃!奇遇だね!」
偶然、雪乃が通りかかった。
熱中症対策なのか、帽子をかぶっている、夏限定の雪乃だ。半袖の服にロングスカートと、夏の雪乃にしては女の子らしい。
「あたしたち、今からおばあちゃん家に行くんだ!」
「あら、いいじゃない」
「雪乃はどしたの?」
「私?少しブラブラしてるだけよ」
あたしはつい話し込み…
「リルカ、何してるんだい?早く行くよ」
お父さんが来て、あたしを呼ぶ。
「ごめん!雪乃と話し込んじゃって…」
「そうかそうか、お、そうだ!雪乃ちゃんも行くかい?」
「え?私?いいのですか?」
「いいよいいよ!リルカの親友なら大歓迎だよ!」
「そうですか、では、お言葉に甘えます」
こうして、篠町一家だけでなく、雪乃もおばあちゃん家に行くことになった。
全員、車に乗り、いざ、おばあちゃん家へ出発!
おばあちゃん家は、かなり遠くの田舎の村だ。どんどん進む事に、辺りは田舎らしくなる。
「この辺り、ほとんど田んぼだね」
「そりゃそうですよお姉様、この辺りは田舎ですもの」
「見て!ガチョウが飛んだよ!」
「それくらいではしゃぐなんて、リルカは子供ね…」
相変わらずの呆れ顔の雪乃だった。
それから10分後。
「ついに着いたよ!おばあちゃん家!」
「結構大きいじゃない」
あたしのおばあちゃん家は、大きな和風の家だ。家のそばの池から、コーン、と、ししおどしの音が聞こえる。
あたしたちは扉を開け、おばあちゃん家に入る。
長い廊下をしばらく進むと、おばあちゃんがいた。
「おばあちゃーん!」
あたしはいつものように元気に声をかける。
「おやおや、リルちゃん、エリくんにルルちゃん、よく来たねえ」
おばあちゃんはにこにことあたしたちを向いて返事をする。
「おやまあ、珍しいねえ、もう1人かわいい子がいるとはねえ」
「リルカさんの親友の、天野原雪乃です」
「雪乃ちゃん、いい名だねえ」
それからあたしたちはしばらくのんびりした。
それから夕方。
お母さんとルルカが晩ごはんを作り始める。
「ルルカ、しばらく会わないうちにとっても料理上手になったわね」
「いえ、お母様、篠町家ではわたしが料理を作るのは当然のことですから」
「私もお手伝いしましょうか?」
「いいのよ雪乃ちゃん、私たちのことは気にしないで、リルカと遊んでらっしゃい」
あたしたちは持ってきたトランプでババ抜きをしようとする。
「あたしのトランプさばきを見せてあげる!」
「負けないよ!お姉ちゃん!」
「お父さんも本気でいかせてもらうよ」
「ほっほ、まだまだ若いもんには負けんよ」
おばあちゃんもトランプの経験者だ。
「リルカ、私も入れてくれる?」
「いいよ雪乃!5人でやろう!」
あたしはみんなにトランプを配り、ババ抜きを始めた。
みんな同じ数字のトランプを出し、1人ずつトランプを取って同じ数字を狙う。
「ほっほっほ、私の勝ちだよ」
「おばあちゃん強っ!!」
おばあちゃんが一抜けし、あたしは驚く。
「リルカ、驚くのも早いわ」
雪乃が二抜けした。
「むぅー、雪乃まで…」
あたしはお父さんの持ってるトランプを1枚引いた。
(えーっ!?ババがあたしに移動!?)
そしてみんな同じ数字が揃い…
「ふぇー…あたしがババ…あたしは美少女なのに…」
あたしは敗北した。
「みんなー!晩ごはんできたわよー!」
しばらくして、晩ごはんができた。
「おおー!そうめんだ!」
夏の風物詩、そうめんが、テーブルの上に並べられる。
「いただきまーす!はむはむ!」
「お姉様…もう少しゆっくり食べてください…」
迅速な速さで、あたしはそうめんを啜る。
「ほら、雪乃ちゃんも、遠慮しないで食べてね」
「では、お言葉に甘えて」
雪乃はそうめんを上品に啜る。
「美味しい、これ、本当に美味しいです」
「当然だよ!お母さんとルルカが作ったんだから!」
そうめんを食べ終えた後。
「お母さん、例の物食べたーい早く持ってきて〜」
「はいはい、いつもと変わらないわね、はいスイーツ」
「わーい!」
あたしはスイーツを上品に食べ始める。
「ほら、雪乃ちゃんも」
「え?私もいいのですか?」
雪乃もお母さんからスイーツを受け取り、食べ始める。
「ねえリルカ、何故スイーツだけは味わって食べるの?」
「雪乃、あたしは大好きなスイーツはお上品に食べたいの。おしとやかな女の子みたいにね♪」
「何がおしとやかなのよ…」
それからスイーツも食べ終わり…
「みんな、そろそろ寝なさい」
お母さんが布団をひく。
「雪乃ちゃん、今日は遠慮しないで、泊まっていってね」
「何から何まで、ありがとうございます」
「せっかくだから、リルカと2人きりの部屋にしといたから、そこでゆっくりおやすみなさいね」
雪乃も泊まることになった。
「おやすみ!おばあちゃん!」
「はいおやすみ、リルちゃん」
雪乃と2人きりの部屋。
「久々の2人きりだね〜」
「そうね、いつもは琴子たちも一緒だからね」
「今度は琴子も一緒に来てくれるといいなあ」
「ふふ、そうね」
それから2人でしばらく話し、すやすやと寝息をたてた。
そして、次の日。
「今日はお世話になりました」
「いいよ、また遊びに来てらっしゃい」
「はい、では、ありがとうございました」
「おばあちゃん!またねー!」
「はい、またおいで、リルちゃん」
あたしたちは車に乗り、実家に戻った。
実家に帰った後、お父さんとお母さんは、再び2人きりの旅行に出かけるのであった。
「リルカの両親って、すごくラブラブ夫婦ね…」
To be continued...
リルカちゃんに質問
普段、リルカちゃんの両親はどうしてるのですか?
リルカ「よく、2人で旅行に出かけるんだ♪」