兎は可愛い(確信)
ハーメルンも良いものですね。
僕は今、平原に立っている。
背中の矢を筒から引き抜き、弓を構えて引き絞り___
「『付与魔法・str』」
そう呟きながら狙いを定める。
腕と弓に赤い光が灯る。
その視線の先にいるのは、可愛らしい兎。
今なら行ける、そう確信して手を離___
「せない...」
「そんな兎さんが可愛らしいから、って...」
「だよねぇ...」
「いや、ほんとにダメなんだって、行ってきてよ。」
「はいはい、じゃあ私が。」
僕は盛大にダメ出しを食らいつつため息をつく。
何故こうなったのだろう、と考えながら...
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「え?駄目だったの?」
「うん。ちょっと前に入られちゃってたみたい。」
「マジかぁ...こういうのはオンラインならではだよね...」
「ならさならさ、次とかある?」
「わからん。只のRPGならともかく、MMOだし、大丈夫じゃ?」
「ボスは復活するならレイドもするんちゃう?」
「そうかもなぁ...」
ティラノサウルスは、よほど特殊な攻撃がない限り討伐されてしまうだろう。
「仕方がない、次に期待だな。」
「ごめんね、もうちょい早くしとけばよかったかな?」
「しゃーないしゃーない。」
「そうだそうだーッ!!」
「おい野次はやめろ繰り返す野次はやめろ」
というか、ティラノってパーティーで戦ったことがないんだよね。
僕が一人でカミカゼしてたくらいで、後は見学、クレイに至っては見たこともない。
一人で3割、四人集えば四倍DPSだッ!って感じになったら、多分削りきれると思うんだよね。
「ねぇ、別に討伐隊じゃなくて、このパーティーだけで戦ってみない?」
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となり、まずレベルを上げよう、ということで、経験値効率の良い狩り場を調べた結果、このリエブレ平原まで来てみたわけだ。
場所的には、ボルダー森林の少し奥にある平原だ。
周りもボルダー森林で囲まれていて、不自然に200×200くらい空いている。
プレイヤーがポツポツといるが、最近良く言われる密って感じではない。
クレイ曰く、精神的にキツイ狩り場、とのことだが、その理由が...
「やっぱり駄目、可愛そう...」
こういうことだ。戦いの時に魅了に掛かってしまうらしい。
兎が嫌いな人でもそう思えてしまうらしく、状態異常のなかでもキツイ方らしい。
チャームにかかると、戦えなくは無いが、倒した時に物凄い罪悪感が残るんだとか。
だが、経験値は今のところ最高である50だ。
とはいえ、周りの森にいる蜂を2、3匹倒せば手にはいる量なので、ここで狩りをする人はあまりいない。
「クレイでも駄目なのか...俺も行ってみる。」
「あ、俺も俺も。」
犠牲者が出ていった。攻撃をすると悲しそうな目で見てくるらしい。ゲームでちょっと嫌悪感ある見た目にする理由が分かるね。
「ごめんよバニー」
彼女いねぇだろ。ハニーっぽく言うなよ。
「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ...」
セオは先ず ネ タ に 逃 げ る な
「ヒェッ」
「さて、冗談はさておき、やっぱり駄目だったか。」
「その全ての突っ込みをアイコンタクトで成立させても、私にはなんのこっちゃかわからん。」
「結局ボルダー森林の蜂が一番よさそうだったな。」
「じゃあ、撤収しますか。」
あれは恐らく戦う用のものじゃ無く、観賞用だろう。そうであってくれ。
兎を作った運営に怨唆の気持ちをぶつけながら森へ入っていった。
これは果たして平原なのだろうか...
あ、他の作品様を見てると皆様書かれてたので僕も書いておきます。
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